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COMDEX/Fall '99 会場レポート CPU編(その2)
~ AMDがモバイルK6-III+/K6-2+とAMD版SpeedStepのGeminiを公開 ~

会場前

期日:11月15日~11月19日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center
   Las Vegas Hilton

 

 初日のレポートではAMDから公開されたAthlon 900MHzとVIAの新しいCPUであるJoshuaやSamuelについてお伝えした。CPU編のその2となるこのレポートでは、そのほかCPUメーカー関連で話題となっていた内容をお伝えする。

■AMDのアルミ配線を使った0.18μmプロセスのモバイルK6-III+とモバイルK6-2+

 AMDは現在PGAパッケージの電圧を若干下げてモバイル対応にしたモバイルK6-III-Pおよび、モバイルK6-2-Pをリリースし、米国のリテールチャネル(店頭小売り市場)でIntelを追い抜くばかりの勢いを見せている。理由は単純明快で、ほとんどデスクトップPC用のK6-IIIやK6-2とかわらないパッケージのため、モバイルのCPUに特有の価格のプレミアムがないのだ(ただし、当然の事ながら消費電力は大きくなり、バッテリーライフには悪影響を与える)。A4フルサイズノートPCが主流の米国市場では実はあまりバッテリーライフは重視されていない。なぜならば、米国での移動は車と飛行機が主だが、車はもちろんのこと最近では飛行機にもPC用の電源が用意されている場合があり、そうした時にはバッテリーで利用するシーンというのはほとんどないといってよいからだ。

 このように、日本にいる我々からするとにわかには信じがたいような成功を収めたAMDは、さらにこの成功を持続させるべく、2000年の前半にモバイル向けCPUのプランを持っている。それがモバイルK6-III+とモバイルK6-2+だ。モバイルK6-III+はこれまでSharptooth-CS50のコードネームで呼ばれてきた、CPUでCS50(AMDのアルミ配線0.18μmプロセス)の名前が付いていることからもわかるように、製造プロセスは0.18μmで作られれ、256KバイトのL2キャッシュオンダイ、100MHzのFSBに対応というスペックになっている。なお、COMDEXで示されたAMDのロードマップによると、今後デスクトップPC向けにK6-IIIを拡張していく計画は語られていない。以前よりAMDはK6-IIIを今後はモバイル向けに特化していくことを明らかにしていたが、今回のメディア向けの説明会でもそれを裏付けている。また、K6-2+はデスクトップPCと同様にモバイル向けにもリリースされる。モバイルK6-2+は128KバイトのL2キャッシュがオンダイになっている。

 両CPUともに2000年の前半中に出荷される予定になっているが、現時点ではどういうパッケージで出荷されるのか(PGAになるのかBGAになるのかなど)は公開されていない。なお、AMDのロードマップには2000年後半にモバイルAthlonのプランも掲載されている(Mustangのコアを利用したCPUとなる)。


■SpeedStepライクなGeminiテクノロジを導入

会場
AMDのスィートで行われたGeminiテクノロジのデモンストレーション
 さらに、AMDはモバイルK6-III+とモバイルK6-2+でIntelのIntel SpeedStepテクノロジ(以下SpeedStep)に似た、ACアダプタ動作時とバッテリー動作時でCPUクロックと駆動電圧を切り替える技術を導入する。このことは7月にサンノゼで開催されたPlatform99で明らかにされていたが、今回より詳細な内容とそのコードネームがGemini(ジェミニ)テクノロジであることが明らかにされた。

 発表された内容によるとGeminiに対応するCPUは今後発表されるAMDの0.18μmのモバイル向けCPUで、クロックと電圧はBIOSによって制御される。Geminiに対応したCPUでは電圧レギュレータのための追加のピンが用意される。
 なお、クロックの可変にはFSBクロックの可変は含まれていないという。例えば、PCIバスはFSBクロックの1/2(FSB66MHz時)や1/3(FSB100MHz時)にシンクロして動作している。仮にFSBのクロックを100MHzから66MHzに可変する事にすると、同時にPCIバスの倍率を変更する必要がある。こういう変更を行なった場合、周辺部分に悪い影響を与えることがあるようで、例えばモデムを利用したインターネットアクセスに問題を与えるという。このため、GeminiではFSBのクロックは変更せず、CPUの倍率のみを変更する仕組みになっている。
 なお、既にPhoenix TechnologyなどBIOSメーカー側でも対応が進んでおり、モバイルK6-III+/K6-2+の登場と同時にGeminiの機能をサポートできるように周辺環境の整備が進んでいるそうだ。

 現在日本のモバイル市場ではIntelが独占的とも言ってよいほど、強い影響力を持っている。これまでAMDは日本市場で求められているバッテリーの持続性能に大きな影響を与える低消費電力のCPUや、ミニノートなど日本で人気のフォームファクタに対応する省スペースなパッケージといった市場の要求には応え切れていなかったと言える。しかし、モバイルK6-III+とモバイルK6-2+の登場で、少なくとも低消費電力ということには対応できる可能性が高い(パッケージに関しては現時点では未定)。そうした意味ではSpeedStepに対応したIntelの次世代Pentium IIIとの競争が楽しみになってきたと言える。


■Intelは次世代ATAの概要を公開

会場
次世代ATAに関して説明が書かれたPowerPointのファイルを表示して、次世代ATAに関する説明が行われた

 別のレポートにもあったように今回IntelはSands Expo and Convention Centerにブースを構えていたものの、9月にPalm Springsで開催されたIntel Developer Forum/Fall'99などで既に公開されていた「ConceptPC」(Intelが提唱するユニークな形状で、レガシーフリーなPC)が展示されているだけで、特に目新しい内容は無かったといってよい。

 しかし、11月17日にIntelはLas Vegas Convention Centerに隣接するホテルで、プレスミーティングを開催し、Intel Architecture Labsで研究中の技術や製品などを公開した。ただ、多くはやはりConceptPCなど既に発表済みか、サーバー関連の技術などで特にエンドユーザーに関係ありそうな話では無かった。
 しかし、その中で唯一多くのメディアの注目を集めていたのが、次世代ATA(次世代IDEインターフェイス)に関する説明を展示したブースだろう。それによると、2000年の初頭には99MB/秒のATA99と呼ばれる新しいインターフェイス(なおVIAではUltra ATA/100と呼んでいる)が導入され、さらに2001年の半ばには「Future ATA V1」が、2003年半ばには「Future ATA V2」が導入される見通しになっているそうだ。そのスライドには「次世代ATAはUSBやIEEE-1394とは競合しない」とかかれていたので、なぜかと聞いてみたが「USBやIEEE-1394は外部のインターフェイス、次世代ATAは内部のインターフェイスとなり棲み分けが可能」と述べた。なお、さらに詳細を聞こうとつっこんでみたのだが、すべては「IDF Spring '00で明らかにする」とかわされてしまった。

 なお、このプレスミーティングの冒頭で挨拶に立ったIntelのデスクトッププロダクトグループプラットフォームマーケティングディレクターのカエア・グリー氏は「次回のIDF Spring '00では次世代IA-32の概要を明らかにする」とのべ、次回のIDFで次世代IA-32つまりはWillametteの概要が公開されるということに言及した。次回のIDFもまた見逃せないイベントになりそうだ。

□COMDEX/Fall '99のホームページ(英文)
http://www.zdevents.com/comdex/fall99/
□関連記事
【11月15日】COMDEX/Fall '99開幕前日レポート~ 着々と準備が進む展示会場 ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991115/comdex01.htm

('99年11月19日)

[Text by 笠原 一輝@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp