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省スペースが急増、個人ユーザー比率が回復
──矢野経研 パソコン出荷調査

'99年10月1日発表



 株式会社矢野経済研究所は国内パソコンメーカー20社及び、関係各社の面接により調査したパソコンの出荷状況を発表した。

【国内PC市場の推移と予測】
 '98年度の総出荷数は対前年度比9.1%増の約831万台だった。これは'97年度が法人市場、個人市場の低迷が響いて対前年度割れを起こしたのに対し、'98年度はVAIOやiMacなどの人気商品により個人消費が回復したためとしている。同社ではこの傾向は'99年度も続き、総出荷台数はさらに伸びて13.7%増の約945万台と見込んでいる。


 メーカー別のシェアは、'98年度もNECがシェア自体は28.9%から25.3%と大きく下げたもののトップを維持した。2位の富士通も21.7%から20.8%とシェアを下げているが、NECと比べると下げ幅は小さい。そのため、NECと富士通の差は縮まっており、'99年度にはNECが22.8%、富士通が20.1%とさらに接近すると予測している。

 3位は前年度と同じIBMで、4位は前年度5位のアップルだった。アップルのシェアは6.8%で前年度と変わらなかったが、東芝が7.0%から6.4%に下げたため、返り咲いた格好となった。また、「その他」が18.0%から23.7%に大幅に上昇しているのが注目される。この結果には「その他」の項目に含まれるソニーや、デルやゲートウェイなどの直販メーカー、ソーテックなどの躍進が寄与している。

【メーカー別シェア】
 形状別シェアでは省スペース型が、'97年度の僅か2.9%から9.5%と躍進を遂げている。台数ベースでも約3.5倍となっており、'99年度には180万台市場となりシェアは19.3%になると見込まれている。また、デスクトップ対ノートの構成比は'97年度の56.9対43.1から、デスクトップがやや盛り返し58.9対41.8となった。

【形状別シェア】
 ユーザーの構成比は、個人需要が増加したことにより個人ユーザーが'97年度の30.6%から37.4%に急激に伸長した。出荷台数も対前年度比33.3%増の約311万台となっている。

 販売ルートは量販店/専門店と通信販売ルートが引き続き成長する一方で、直販、ディーラールートの構成比は減少。特に通販ルートは'99年度には6.2%に達すると見込んでいる。

【ユーザー別構成比】

【ルート別構成比】
注)グラフ及び、データは矢野経済研究所提供

□矢野経済研究所のホームページ
http://www.yano.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.yano.co.jp/press/980708/991001.htm

('99年10月4日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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