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WORLD PC EXPO 99会場レポート
~ 目から鱗!? カセットデッキで再生できるMP3プレーヤー ~


会期:9月7日~11日(7日は特別招待日)

会場:幕張メッセ HALL 1~8

 MP3プレーヤーは、国内メーカーも参入するなど、日本でも一定の地位を占めるようになった。WORLD PC EXPO 99でも、数多くのMP3プレーヤーが展示されている。そんな数多くのMP3プレーヤーの中で、見た瞬間に衝撃を受けたMP3プレーヤーはUnitechの「rome」だけだ。

 まず形が今までのものと全く違う。カセットテープ型なのだ。それも、ただ単にカセットテープの形をしているわけではない。romeごとカセットプレーヤーに入れれば、カセットプレーヤーからMP3の音楽が流れる。早送りボタンを押すと次の曲に移る。つまり、まるでカセットテープに入った音楽を聴くようにして、MP3を聴くことができるのだ。

 いわれてみれば、まだカーステレオでCDがあまり普及していなかったころに、ポータブルCDプレーヤーとカーステレオを接続するときに利用されていたカセットアダプタと原理は同じ。しかし、それをMP3プレーヤーで実現するとは……。また、romeはカセットプレーヤーで再生できるだけではなく、本体にヘッドホンジャック、操作ボタンが備えられているので、単体でも聴くこともできるなど、よく考えられている。

 メモリは内蔵のみで32MB(64MBに増設可能)。バッテリはガム電池で、約6時間の再生が可能。MP3ファイルは、専用のケーブルを使ってパラレル経由で転送する。日本でも11月に発売が予定されており、価格は1万円強になるとしている。

 MDプレーヤー全盛で、カセットプレーヤーが下火になった日本では意味があるのか? リムーバブルメディアを利用できないのはちょっと……。カセットレコーダーを使って直接MP3で記録できればいいな。などなど、人それぞれ感じるところはあると思うが、そのアイデイアと、それを実現したことだけで全てを許せる。そんな製品である。

 また、リムーバブルメディアは使用できないわけだが、1万円強の価格を考えればrome自身を“メディア”として使うのも面白い。つまり、ポータブルカセットプレーヤーを“MP3プレーヤー”にして、好きな曲を入れたromeに適宜入れ替えればいい。ただ、本来のカセットテープより収録時間は短いが……。

右に見えるのがパラレルケーブル。こうやってPCと接続してMP3ファイルを転送する 使う電池はウォークマンでおなじみのガム電池。1本で約6時間再生できる

上側(カセットテープでいえば、誤消去防止の爪のある側)に、操作ボタンが並んでいる。各ボタンは米粒のような大きさなので、操作性はよくない 下側(カセットテープでいえば、テープが露出している側)の真ん中、ちょうどカセットデッキのヘッドがあたるとこに、アナログのオーディオ信号を送り出すヘッドがある

□Unitechのホームページ
http://www.unitec.co.kr/
□製品情報(韓国語)
http://www.mp-3.co.kr/product/up301.asp?strmenu=product

□WORLD PC EXPO 99のホームページ
http://wpc99.nikkeibp.co.jp/

('99年9月7日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp