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SEYBOLD SEMINARS SF 展示会場レポート第2弾
FireWire対応の周辺機器と有力ブースの動向

会場

会期:8月30日~9月3日(現地時間)

会場:サンフランシスコ Moscone Center


 前日のレポートでも紹介しているように、SEYBOLD SEMINARSはパブリッシングのプロフェッショナルを対象にしたイベントである。必然的に、展示されている製品やソフトウェアも、一般ユーザーには無縁と思われる大型の業務用印刷システムや、プリプレス、ワークフロー制御など専門的かつハイエンド向けのものが少なくない。そんななかではあるが、いくつか興味深い新製品も目にすることができたので、有力なブースとともに紹介していこう。

■FireWireインターフェイスを搭載する機器が増加

 Apple ComputerのPowerMac G4(あるいはPowerMacintosh G3)が、標準インターフェイスとしてFireWireを採用し、SCSIをオプションにしていることで、ハイエンド向けの周辺機器が持つインターフェイスもイベントを重ねる度に、FireWireの比率が高くなっている。例えばすでに発表されているニコンの一眼レフデジタルカメラ「D1」や、先月のMacworld EXPOレポートで紹介したESCIENTのDVD-ROMチェンジャーなどがそうである。またストレージ関連も、次々にFireWireの搭載が進んでおり、MicronetなどRAIDシステムでおなじみのメーカーがFireWire対応のRAIDシステムを展示していた。

VST Technologiesのハードディスクは、FireWire対応の真っ赤な小型ハードディスクとして何度も紹介しているが、同社はこのハードディスクを利用したRAIDシステムを展示している。RAIDのレベル0(ストライピング)と、レベル1(ミラー)に対応するこの製品、他にもユニークな点がある。通常はACアダプタ経由で電源が供給されているが、万一の停電時は本体下部に位置するバッテリ(実はPowerBook G3対応のもの)で、一時的にバックアップすることもできるとのこと。ドライブもバッテリも既存の製品を流用でき、コスト面での魅力もある。2カ月後には出荷予定とのこと
光学で1,200dpiのスキャンに対応するUMAX製のスキャナ「PowerLook III」。ブース内の数カ所でデモされているなかで、1台だけ参考出展として、同スペックでFireWireのインターフェイスをあわせて搭載する「PowerLook F3」が含まれていた。2日目以降は早速、PowerMac G4に接続されてデモンストレーションが行なわれている

VST Technologiesのホームページ(英文)
http://www.vsttech.com/
UMAXのホームページ(英文)
http://www.umax.com/


■G4搭載のアップグレードカードはリリースのみ

 Apple ComputerのPowerMac G4発表とMotorolaのリリースを受けて、旧モデル向けにアップグレードカードを提供しているサードパーティ各社は一斉に動き出した。すでに、PowerLogixNewerTechnologySonnet TechnologiesINTEREXのXLR8ブランドなどおなじみのメーカーが次々と新製品となるG4アップグレードカードを自社のホームページなどで発表している。しかし、会場内のブースには、まだ製品はおろか資料も用意されていないところがほとんどだ。

G3アップグレードをShowPriceで受け付けているPowerLogixのブース。リリースされたG4アップグレードカードについて訊ねたところ、明日(2日)の朝には会場にサンプルボードが到着するということだが…… NewerTechnologiesも状況は変わらず。ブースには大々的にG4の文字が踊ってはいるものの、製品そのものはまだ展示されていない。いまのところは、G4チップ供給がApple向けに優先されているとコメントする担当者もいる

【G4アップグレードを予定しているメーカー各社】
PowerLogixのホームページ(英文)
http://www.powerlogix.com/news/press.html#G4(英文)
http://www.powerlogix.co.jp/news/news.html(和文)
NewerTechnologyのホームページ(英文)
http://www.newertech.com/
Sonnet Technologiesのホームページ(英文)
http://www.sonnettech.com/news/g4_pr_090299.html
INTEREX(XLR8)のホームページ(英文)
http://www.xlr8.com/xlr8/frames/SubFrames/ContentFrames/Press/990831-G4.html


■有力ブースの来場者向け体験セミナーは常時満席状態

 パブリッシング関係の来場者が主流を占めるイベントということで、大きなブースでの出展内容はシアターや、体験セミナーなどが中心。新製品の新しい機能などを実際に体験する高度な内容のものも少なくない。AdobeやQuark、あるいはMicrosoft、Intelといった有力ブースで開かれている体験セミナーなどはいつも満席状態だ。

「Adobe InDesign」がいよいよ発売され、Quarkに奪われたDTPソフトのシェア奪回に乗り出すAdobe。自社ブース以外にも数カ所でInDesignの体験セミナーは開催されており、その注力度がうかがえる
対するQuarkも、ブース内で「Quark Express 4.1」を紹介。説明員の気合いからして違うAdebeブースほどの活気はないが、こちらも常時混雑しているブースの1つ

Microsoftは「Windows 2000」、「Publisher 2000」などを中心に展示。ブースの一角ではClearTypeのテクノロジーデモも行なわれているほか、なぜかDirectXのコーナーも
Intelブースでは、スタンドごとに有力なパブリッシング関連ソフトをデモンストレーション。ちなみにIntelのハンズオンコーナーでもAdobeのInDesignが利用されている


SEYBOLD SEMINARSのオフィシャルサイト(英文)
http://www.seyboldseminars.com/

('99年9月2日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp