もちろん速攻で買った俺
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日本IBM microdrive 標準価格58,000円。現在までのところ、容量は340MBのみが発売されている。メルコからも同製品が発売されており、製品自体はIBMのロゴも含めまったく同じもの(BUFFALOロゴは入っていないのだ) |
コレとはすなわち、ウワサのmicrodriveだ。そう、500円硬貨大の340MBハードディスクドライブ入りのCF+Type2規格のCFカードである。コレについての詳細は、IBMのWebサイトを参照していただきたいわけだが、ともかくコレ、非常にサイバーであらせられる。
まずそのサイズと容量のギャップが凄い。42.8×36.4×5mm(幅×奥行き×高さ)で16g。凄まじいコンパクトさでありつつ凄まじい軽さである。ポケットに入れたかどうかもわかんなくなるボリュームだ。ていうかお昼休みに顔を洗っていないサラリーマンのオデコになら99%、ペタリと貼り付けられるだろう。脂性の人なら朝から晩までいつでもどこでもオデコにペタリだ。まあ乾燥肌の人はちょっと無理かもしれないが、フツーの人なら真冬のオデコでもイケそうだ、って何の話をしているのかよくわからないが、とにかくそれほど小さくて軽いのに、340MBもの容量があるっつーのがサイバーだ。
俺はこれまで約13年間原稿を書きまくってきており、その間書いた原稿のテキストファイル数は約4,000。総容量は約20MB。俺の血と汗と眠気と足の臭さにより紡いできた20MBが、このmicrodriveに17コも入っちゃうのであって、それが誰のオデコにだってペタッとくっつけられるというのだから、何だか非常に寂しい気までする。ああ、また話が逸れている。
ともあれ、あらかじめ知ってはいたものの、microdriveを買った直後の俺はまずこのサイズと容量にショックを受け、いまだオデコにペタッと貼ったりするたびにショックを受けているのであった。
例えば、前述のデジカメ用のストレージとして使えば、340MBもの画像を撮れる。スマートメディアやコンパクトフラッシュメモリカード等で340MBのデータを保存しようとしたら、もちろん1枚じゃ無理で数枚から十数枚のカードが必要になると同時に、合計340MBを用意しようとしたら軽く十数万円の額になる。が、microdriveだと1枚のIBM希望小売価格が58,000円だから激安だし、1枚で済んじゃうからスッキリだし、読み書きもけっこう速いヨ、と。
そんな感じなので、俺も最初は「なるほどそうだよな」と思い、さあデジカメにmicrodriveを挿し……たかったのだが、現段階ではmicrodrive対応のデジカメってのはイマイチ多くないのであった。ちなみに、メルコが発表しているmicrodrive対応製品はこんな感じである。俺としては、8月20日に発売された三洋の最新型デジカメことマルチーズ DSC-SX150とmicrodriveを組み合わせ、QuickTimeムービーをしこたま生成しようと考えているわけだが、実はもっとフツーに役立てまくったりしているのであった。
で、さっそく愛用のThinkPad 770Xにmicrodrive入り専用PCカードアダプタを挿してみると、あっけなくIDEハードディスクとして認識されたっていうか標準IDE/ESDIハードディスクコントローラドライバが起動された。要するに、フラッシュメモリカードなんかと同様に、PCカードスロットに挿せば即使えるストレージなのだ。
ということは!! 俺の最強に強まってるし非常に快適なDTV向けマシンことVAIOのPCV-R70でも使えるかもっていうか使えた!! ナイス!! オッケー!! まあこれもやっぱり当たり前の話なのだが、PCカードスロットを備えたWindows 95/98マシンなら、どれでもたいていmicrodriveを“挿すだけで使える”のであり、PCカード野郎の俺としては非常に気持ちがよい。
非常に気持ちが良いのでパソコンの電源落として酒飲んでテレビでも観ようかという感じではあるが、よーく考えたら俺の環境というかマシンの多くは、PCカードスロットによりほぼ完璧に連携してくれるのであった。例えば、MOドライブやCD-WRドライブあるいはスキャナのようなSCSI機器を使うなら、アダプテックのAPA-1460AのようなSCSIホストアダプタカードを挿せばOK。デジカメの画像を読み込むならスマートメディアなりメモリースティックなりをPCカードアダプタに入れてマシンに挿せばOK。携帯用ストレージとしてはこのmicrodriveやclik!PCカードドライブなんかをPCカードスロットに挿せばOK。この他、デジタル携帯電話用のデータ通信カードとかPHSカードとかLANカードとか、いろんなカードを使える。要するに、PCカードスロット野郎の俺は、たいていのハードウェア的拡張を同じフィーリングでスッキリとこなせるのだ。
その中でも特にmicrodriveは快適だ。IDEドライブとして動くので、ドライバをインストールする必要がないし、カード自体がハードディスクなので接続の手間も最小限で、挿せば2~3秒で使用可能になる。
何を言ってんだコイツはと思われるかもしれないが、例えばMOなんかを使う場合、ほんの少し煩わしい手順があったりする。ドライブに電源コードやSCSIケーブルを繋いで、SCSIのPCカードを挿して、それからMOを入れる。まあほんの数ステップなのだが、なんかこううっすらと面倒感が漂う。PCカードスロットから電源が供給されるタイプのデバイス(例えばPDAのデータ通信アダプタとかLANカード)なら、電源ケーブルをどうこうする必要がないので比較的マシなのだが、それでもやはりカードと外部のデバイスを結ぶケーブルがちょっぴり面倒感を漂わせる。が、microdriveやclik!PCカードドライブなど、本体そのものがPCカードのものは、挿せば準備完了なので面倒感が漂う前に使い始められて快適なのである。
もちろん、外部の機器とケーブルで繋がないと意味ねえじゃんという類のカード(SCSIとかLANとか)にこういう快適さを求めても意味ねえじゃんという感じだが、microdriveのようなカードはPCカードの最高にナイスなところを最もダイレクトに楽しめるハードだと思うのだ。
例えば、ThinkPad 770XからVAIO PCV-R70へちょいデカめのデータを移行する時などに役立つ。俺の場合、わりとDTVなどにハマったりしているが、その時、メインマシンである770X上の画像類やフリーウェア類をR70へ移行する必要がけっこう出てくる。以前はMOでやりとりしていたが、microdriveの方が手っ取り早いし、MOより読み書きが速攻なので、最近はmicrodriveに頼りっぱなしだ。
それから、ノートパソコンの環境をリストアするような時にも非常に便利だ。なーんか不調になっちゃったノートから、大切なデータだけを抽出してmicrodriveに保存し、一気にリカバリCDで初期状態に戻す。後は再度microdriveでデータを戻す。ある程度大容量なメディアがあると、こういう作業は非常に快適になるのだが、microdriveのように“あるていど大容量かつ使用手順が超簡単”なメディアだと、作業がすんげえ快適になる。
上記のようなコトをしていない時は、前述の4,000ファイル20MBの原稿データを始めとする各種データファイルのバックアップ用に使っている。ちなみに俺は、俺しか持っていないデータファイルのみを(フォルダ単位でコピーするという単純な方法で)バックアップしており、バックアップに必要な容量は約150MB。なので、microdriveでも十分足りている。が、なーんか最近はこまめにバックアップをする人と化しているので、データバックアップ専用としてもう一台microdriveを買おうかなぁ~とか考えている。
ともあれそんな感じで、かなり便利なテンポラリ&バックアップメディアとしてmicrodriveを使用中だ。希望小売価格58,000円は、おいおい340MBのハードディスクが58,000円かよ何年前の話してんだよって感じで、ミョーに高い気もするが、PCカード(ていうかCF+Type2カードですな)としての利便、手軽さ、それからサイバーさを考えたら、まあ、えーと、ああっ、やっぱりちょっと高い感じがするが、でも便利に役立っているので許しちゃう俺であり、もう一台買う勢いの俺であった。
ところで、IBMのWebサイトにおけるmicrodriveの扱われ方を見ていると、なんか「340MBのmicrodrive」というニュアンスが伝わってくる。ということはやっぱりそのうち「540MBのmicrodrive」とか「1,024MBのmicrodrive」とかいうコトにもなるんだろうか。ていうかなっていただきたい。どうせなら「20GBのmicrodrive」とかいうことにもなっていただきたい。
□IBM microdrive製品情報
http://www.ibm.co.jp/pc/option/mcdrv96/opmd96a.html
□週刊スタパトロニクス バックナンバー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/backno/wstapa.htm
[Text by スタパ齋藤]