会場:NewYork Jacob K. Javits Convention Center
■お出かけできるiMac! これがコンシューマポータブルの正体
基調講演の会場を後にして、早速展示会場のApple Computerブースへ足を運んでみると、そこには発表されたばかりの「iBook」に早く触れたいユーザー達ですでにあふれていた。展示会場レポートの第一弾は、スペックからは見えない「iBook」の細部にわたる情報を、写真を中心に紹介する。
繰り返し伝えて来たことだが、「iBook」のカテゴリはコンシューマ向けのポータブルマシンにあたる。Apple Computerは、『iMacのメインターゲットとなるユーザー層 = コンシューマ』という自社の考えを忠実に守って、持ち運びのできる(つまりポータブルの)iMacをリリースしたわけだ。すでにニュースでお伝えしているスペックを参照していただければわかるとおり、その内容はiMacのそれに酷似している。インターフェイスについても、唯一AirPort(詳細は後述)をのぞいては、iMacの持つインターフェイスをすべて踏襲した格好だ。
つまり、日本国内においてはiMacの購買層の50%を占めるという『はじめてコンピュータに触れるユーザー』に対して、新たなデザイン、可搬性、そして省スペースといったさらなる選択肢を付け加えたということになる。結果的に、iMacの潜在的需要の何割かはiBookへと流れることになるが、コンシューマ市場におけるトータルシェアは向上するという考え方である。
なお、ブルーベリーとタンジェリンの2色がリリースされたことに関して、デザインチーフのジョナサン・アイブ氏は、iBookのデザインにもっともマッチする2色を選んだとコメントしている。また、日本法人に確認をとったところ、この2色の選択はワールドワイドにおいて共通で、地域ごとに別のカラーが選択されたり、カスタマイズされることはないという。
iBookの形は、いわば貝殻のような感じ。開口部を固定するラッチは存在しないが、蝶番側にあるスプリングの力で閉じた状態を維持することができる | iBookの上部背面に位置するのが、キャリーハンドル。こちらもスプリングの力で未使用時は本体に密着し、一体化とデザイン向上に貢献している |
□iBookのニュースリリース(英文)
http://www.apple.com/pr/library/1999/jul/21ibook.html
□関連記事
【7月22日】米Apple、トランスルーセントボディのノートPC「iBook」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/apple.htm
■バンドルソフトウェアは基本的にiMacのものを踏襲
コンシューマ向けポータブルに、サブノート的な役割を期待していた既存のMacintoshユーザーや、iMacユーザーは決して少なくないことだろう。しかし、さすがに3kgという重さは、移動先で利用することは可能でも、移動中に利用するには難がある。携帯電話やPHSとのインターフェイスとなるPCカードスロットや、ICカード公衆電話などで利用できるIrDAインターフェイスが搭載されていないことからも、残念ながらこうした目的にはフィーチャーされていない製品である。
米国では1,599ドルで9月の出荷が予定されているが、すでにApple Storeでは予約の受付を始めている。日本国内における発売日や価格は日本法人より後日発表される予定だが、非公式ながらほぼ同時期の発売を目指すというコメントを得た。昨年のiMacや今春のPowerBook G3同様、遅くとも米国での発売から1~2週間後という考え方が妥当だろう。
ちなみに、米国でiBookにバンドルされるソフトウェアは下記のとおりだが、もちろん日本では変更が加えられる。現時点で正式なラインナップは決まっていないが、現行のiMacのバンドル内容とほぼ同一になる見込みということだ。
【米国におけるiBookのバンドルソフト(米国)】
ACアダプタはコードを巻き付けることができるタイプ。サイズはやや大きめである | ACアダプタの下部。アダプタ部分と電源コードは分離することができるようだ | アダプタを外した電源コード。すでにお約束だが、トランスルーセント素材を採用 |
□AirPort Wireless Networkingに関するニュースリリース(英文)
http://www.apple.com/pr/library/1999/jul/21lucent.html
□Lucent Technologiesのニュースリリース(英文)
http://www.lucent.com/press/0799/990721.cob.html
今回もやはり用意されていたポスター。iBookのラインナップ同様に、ブルーベリーとタンジェリンの2種類あるが、両方もっていく来場者が多い |
□Macworld Expo New York '99のオフィシャルサイト
http://www.macworldexpo.com/mwny99/index.html
□Apple Computerのホームページ
http://www.apple.com/
□Apple ComputerのMacworld Expoホームページ
http://www.apple.com/hotnews/features/mwny99/
□関連記事
【'98年7月10日】MACWORLD Expo/New York レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980710/mwny98_i.htm
('99年7月22日)
[Reported by 矢作 晃]