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会場:幕張メッセ 国際会議場
PC系では、目立った新製品が少ないWINDOWS WORLD EXPO/Tokyo 99だが、デジタルカメラ関係はボーナス狙いの新製品がここ一週間ほどで続々発表されたこともあって、結構にぎやか。さらに、本邦初公開のモデルも意外なほど多く、デジタルカメラの購入を考えている人にとっては、見所の多いイベントだ。
●ニコン:正式発表後初公開された「ニコン D1」
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ニコンは話題のレンズ交換式デジタル一眼レフ「D1」を、正式発表後、初めて一般公開した。といっても、実際に手にできるわけではなく、今回もアクリル越しでの出展となっている。本機はニコンの自信作だけに、完璧なものになってからきちんと公開したいというわけだ。
また、ブースには「D1」で撮影された、A3サイズのプリントが数多く展示されており、その卓越した画質を実感することができる。本気で購入を考えている人はもちろん、パーソナル向け200万画素級モデルとの実力の違いに感心がある人は必見だ。
特設ステージ周囲には、店頭でもまだまだ手にすること難しいCOOLPIX950が多数出品されており、長時間にわたってじっくりと堪能している人も多かった。また、撮影会用のステージは、同社らしからぬ派手なもの。CMでのMAXの起用をはじめ、これまでお堅いイメージだったニコンが大きく変貌しつつあることを感じさせた。
●ソニー:新Cyber-Shot PROやDSC-F55Kのブラックモデルを初公開!
各分野で意欲的な新製品を出品しているソニー。デジタルカメラ分野でも、先だって発表されたばかりの新型Cyber-shot PROこと「DSC-D770」、人気のCyber-shot DSC-F55Kのブラックバージョンなど見所も多い。また、デジタルマビカシリーズも新ラインナップを一堂に出展。さらに、メモリースティックが直接利用できる縦型の超小型ビデオカメラ「DCR-PC3」なども出品されている。
なかでも、完成度がグンと高まった「DSC-D770」は要注目。本機は基本性能がさらに充実しているうえ、従来はピントの確認が困難だった一眼レフ式ファインダーが大幅に改良されており、普通の35mm一眼レフに近い感覚でピント合わせができる。関心のある人はぜひ会場で試して欲しい。
また、DSC-F55Kのブラックモデルも、現物を見ると、なかなか精悍。操作部や細かなビス類までブラック仕上げになっており、ただ単にボディ外装を黒くしただけのモデルではない点も好ましい。限定販売なので、店頭に並ぶことも少ないため、会場で実物をチェックしておきたいモデルだ。
●オリンパス:超小型モデル「C-21」の登場でラインナップ充実
例年通り、ブースの中央に巨大なステージを配置し、派手な展開を図っているオリンパス。
今回は直前に発表された超小型214万画素モデル「C-21」をはじめとしたフルラインナップ化を積極的にアピールしていたのが印象的だった。また、純正のUSB接続のスマートメディアドライブも、今回初めての出品だ。
ただ、今春のCeBITで参考出品された期待の250万画素モデル「C-2500L」は、今回のイベントでもその姿を見せなかった。これは実に残念だ。このボーナス時期に発表されていないということは、正式発表は秋までずれ込むのだろうか?
●富士フイルム:フルライン揃ったFinePixシリーズ
富士フイルムも前回同様、ステージを中心としたブース展開。今回は、先だって発売されたばかりの「FinePix1500」と「FinePix2900」を含めたFinePixシリーズのフルライン化をアピールしていた。
なかでも、超小型の150万画素モデル「FinePix1500」の人気が意外なほど高かったのが印象的。同機はすでに発売されているが、カラーモデルに関しては多少遅れて市場に出荷されるようで、今回のイベントでもカラーモデルの実機はアクリル越しのみでの出展となっていた。
またブースでは、デジタルカメラ用のワンタッチ画像補正ソフト「色一番」のデモも行なわれていた。このソフトは色味が今ひとつ冴えない画像データを、簡単な操作で半自動的に見栄えのする色調に補正してくれるもの。もちろん、富士以外のデジタルカメラやスキャナーで取り込んだデータでも処理可能で、価格も8,500円と手頃なので、色補正で悩んでいる人はぜひチェックしておきたい。
●東芝:軽快214万画素モデル「M4」を出品
「Libretto ff」など10周年記念モデルで賑わう東芝ブース。デジタルカメラ系では、クラストップレベルの超軽快214万画素モデルである「アレグレット M4」が出品されている。このM4はカタログを読むよりも、とにかく手にして、その軽快さを体験すると魅力がわかる。今回のようなイベントで、一度触れてみることをオススメしたい。
ブースには、スタンダードなボディカラーのモデルはもちろん、ブラックタイプやブルーメタリック調のカラーモデルも出品されている。カラーモデルもなかなか微妙な色合いでカタログ写真とはひと味違う、新鮮な感じだった。
●シャープ:Teliosやアイクルーズでデジタルカメラ機能をアピール
シャープは今回、話題の「Mebius Style」をはじめとしたPCのほか、ザウルス、Teliosといった携帯系ツールを積極的にアピール。なかでも、Windows CE搭載機のTeliosは、なかなかの人気を博していた。
ブースでは、Teliosに、カラーザウルス用のデジタルカメラユニット(CF-AG03)を装着してのデモを行なっていた。一応、カタログには小さく記載されているが、実際に装着した姿を見たのは初めて。しかも、静止画撮影用の専用アプリケーションもプリインストールされているので、デジタルカメラユニットを購入するだけで、Teliosでデジタル撮影ができるという。ボディは約800g強とはいえ、手持ち撮影はちょっと厳しそうだが、不可能ではないレベル。しかも、ズームレンズ付きで、マクロ撮影もできるので、結構便利に使えそうだ。
また、ブースにあったTeliosには、不評の光学式ポインティングデバイスの部分に、ゴム製(?)のちっちゃなアダプターが装着されていた。使ってみると、従来のような使いにくさが一掃されているのに感心してしまった。このアダプターは純正品として出荷される予定で、何らかの形で入手可能になるという。ポインティングデバイスの操作性で二の足を踏んでいた人にとっては朗報だ。
ザウルスシリーズでは、カメラユニットを装着したアイクルーズのデモを見ることもできる。このユニットは、レンズこそ単焦点タイプだが、85万画素CCDを搭載しており、ピントもオートフォーカス式の本格的なもの。しかも、アイクルーズの大型カラー液晶全体をファインダーとして利用できるため迫力がある。機能的にも下手なデジタルカメラより充実しており、なかなか魅力的だった。
●エプソン:CP-800の会場貸し出しを開始
エプソンは恒例のプリンターを中心としたブース展開。もちろん、CP-800も出品されているが、ブースでは、さほど力の入った展開ではなかった。
しかし、今回のイベントでは会場の入り口近くに、CP-800の無料貸し出しコーナーが設置されている。この手のイベントでは、フロッピー記録のソニー「デジタルマビカ」の無料貸し出しが恒例となっているが、今回はそれにCP-800が加わったわけだ。
しかも、貸し出しコーナーには、パソコンなしでプリントが簡単にできる「プリントン」がズラリと並んでおり、その場で撮影したカットをプリントして持ち帰ることができるという仕組み。これなら、CP-800とプリントンの両方を一度にアピールできるうえ、プリントが持ち帰れるのも便利だ。
●iomega:Clik!を強烈にアピール
iomageブースでは、いよいよ国内発売が開始される「Clik!」のデモを展開。ブースでは、米国ですでに発売されている外付け式ドライブのほか、PCカードタイプのClik!ドライブ装置や、NECのUSB式ドライブなども出品されており、モバイル系に強いデバイスである点を強調していた。
とくにPCカードタイプは、きわめてコンパクトに仕上がっており、ノートPCの簡易ストレージャーとして便利そう。また、Type2規格のPCカードが使えるデジタルカメラなら、このドライブを使って、Clik!をPCカード代わりに利用することができる可能性もあるという。
□WINDOWS WORLD EXPO/Tokyo 99のホームページ
http://www.idgexpo.com/wwe/win/index.htm
('99年7月1日)
[Reported by 山田久美夫]