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WINDOWS WORLD EXPO/Tokyo 99 特別講演レポート



ソニー パーソナルITネットワークカンパニー プレジデント&COO 安藤国威

~ ソニー、MP3プレーヤーとPDAを開発? ~

ソニー パーソナルITネットワークカンパニー プレジデント&COO<br>安藤国威

会期:6月30日~7月3日

会場:幕張メッセ 国際会議場




 ここ2年間ほどWINDOWS WORLD EXPOの特別講演の場でソニーは新製品の発表を行なってきた。このことを受けソニーのプレジデント&COOを務める安藤国威氏は講演の冒頭で「'98年はC1を電撃的に発表したこともあり、今年も大きな発表があるといった話も流れていたが、今年はそれほど大きな話題はない。ただし、これからのソニーの流れを説明したい」とはじめに明かしてしまった。


●ソニーは「エンタテイメントを追求したPC」を目指す

 安藤氏はまずIBMのルイス・ガースナー氏の“The PC Era is Over(PCの時代は終わった)”と言う言葉を引用し、そのあとにくる時代に対してソニーがどう対処していくかを示した。

 その答えはエンタテイメントを追求したPCを目指していくことだという。コア技術となるのは「メモリースティック」と「i.LINK」でキーワードは“つなぐ”。具体的に示された例としては、現在CMでも流されている「VAIOマイクロタワーRシリーズ」を使った「Giga Pocket」によるTV番組の録画や再生、そして発表されたばかりの「VAIO NOTE XR」と付箋紙機能の活用法などで、ソフトウェアによる付加価値の創造というソニーの方向性をそのままデモンストレーションにしたような内容となった。

 安藤氏は「ハードだけでなく、ソフトやインターネットによって新しいサービスを提供する」と発言し、コンシューマーに向けてより魅力的なテーマを提示できるかがポイントしている。ソニーは「次のテーマは“do you dream in Sony”だ」とし、ユーザーに「次世代の夢を見せる」という、実にソニーらしい言葉で講演会を締めくくった。

「Giga Pocket」によるテレビ録画のデモンストレーション 公表されたソニーのサブノートPCのシェア。62%と独占状態


●PDA、MP3プレーヤーは当然やるべき方向性だ!

 以上、例年のような具体的な製品発表はなかったが、講演会の端々に思わせぶりな言葉が隠されていた。
 たとえば、PCとDVカメラ、各種AV製品との接続性についてのプレゼンテーション資料にPDAの絵が描きこまれており、「今は絵で描かれているが、PDAは(ソニーとして)当然やるべき方向性のものだ」と発言。

 また、MP3フォーマット(及びプレーヤー)の普及に関しての説明で「'99年の年末、MP3プレーヤーなどはブレイクするだろう。今日、この場で見せられないのが残念だが、ソニーとしても考えている」と発言しており、開発表明ともとれる発言もあった。
 どのような形で商品が登場するかはわからないが、ソニーのようなオーディオメーカーが本格的に参入すれば、市場が大きく変わる可能性も高い。プレゼンテーション内では著作権保護に関する発言もあり、そこがクリアになった形で、なおかつ魅力的な商品が登場することを望みたい。

□WINDOWS WORLD EXPO/Tokyo 99のホームページ
http://www.idgexpo.com/wwe/win/index.htm

('99年6月30日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp