「コダック DC240Zoom」は、3月27日に発売された130万画素3倍ズーム機で、これまでレポートの機会がなかった。デジタルカメラランキングの200万画素未満部門で2位に選定されたのを機に、ミニレポートをお願いした。
【6月3日追記】バグフィックス後の最新ファームを搭載したモデルの実写が行なえたので画像を追加。
(編集部)
●軽快な操作性
「コダック DC240ZOOM」は、DC210Aの後継機にあたる普及型の130万画素3倍ズーム機だ。サイズはDC210Aとほぼ同じ。現行の130万画素ズーム機のなかではやや大柄な部類といえる。また、レンズをセンターに配置することで、普通のコンパクトカメラに近い雰囲気となっている。ホールド感も良好だ。ボディーはグリーンがかった独特な色合で好みが分かれるところだろう。
起動時間は約2秒とかなり早い。次のカットが撮影できるまでの待ち時間も、大容量バッファーメモリの搭載で、2コマ目は約1秒後、その後も約6秒間隔で撮影できる。一般的な撮影には必要十分なレベルだ。
オートフォーカスの測距時間、シャッタータイムラグ(シャッターボタンを押してから写るまでの時間)も短い。ズーミングも早く、ワイドから望遠側まで約2秒でズームできる。動作の速さから、軽快感のあるモデルに仕上がっている。
ファインダーは光学式と液晶式の両用タイプ。これまでの同社製品で問題だった液晶ファインダーのレスポンスの悪さも、まずまず実用レベルに改善されている。だが、表示品質という点では、まだ最新他社モデルに比べると見劣りする。光学ファインダーで撮影するのが本機の基本スタイルといえそうだ。
操作系は従来のDC210Aに近いシンプルでわかりやすいものだ。詳細設定時のメニュー内容も改良されており、よりわかりやすくなった。
一般撮影 |
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屋外撮影 |
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●良好な画質
画質は130万画素クラスのなかでも良好な部類。コダックの歴代モデル同様、色や階調の再現性は独特のものがあり、カラープリントに近い見栄えのする仕上がりだ。また、露出やオートホワイトバランスの制御もきわめて良好で、フルオートのままでも安心して撮影できる。とくに内蔵ストロボで撮影したときのきれいな描写は特筆に値するレベルだ。
屋内撮影 |
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●解像度は不足気味
解像度はやや注意が必要で、晴天時の屋外撮影のような明るいシーンで解像度が低下する傾向がある。同社の説明によると、絞り過ぎによる光学回折現象によるレンズ解像度の低下が原因という。そのため、恒例の定点撮影シーンでも解像度不足を感じてしまう。ただ、一般的な撮影では、明らかな解像度不足を感じるケースは少ないので、あまり心配する必要はない。
定点撮影 |
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標準モード 約120KB |
ファインモード 約200KB |
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スーパーファインモード 約300KB |
●バグはあるものの6月中に修正予定
「デジタルカメラ・ランキング」でも触れたが、本機には、きわめて彩度の高い赤いシーンを撮影すると、その一部が補色である緑色になる、というバグが残っている。これは6月中旬に予定されているファームのアップデートで改良される予定だ。すでに購入しているユーザーは、このアップグレードを行なってほしい。もちろん、それ以降の出荷製品では改善される。
画像面でのバグ |
マクロ撮影 |
修正後のファームウェアによる実写画像 |
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●サービスサイズまでと割り切れば
基本的には画質は概ね良好だ。また、サイズは“アメリカンサイズ”だが、操作感もよい。実販価格も59,800円と手頃だ。しかし、あと1万円プラスすると200万画素の単焦点機が買える価格でもある点は、なかなか悩ましいところ。そのため、ホームページ用やサービスサイズのプリント用と割り切れる人には、軽快でコストパフォーマンスな130万画素3倍ズーム付きのファミリーカメラとして安心してオススメできるモデルといえる。
□コダックのホームページ
http://www.kodak.co.jp/
□製品情報
http://www.kodak.co.jp/digital/dc240/index.html
□関連記事
【5月19日】山田久美夫が選ぶデジタルカメラ・ランキング '99年5月19日版
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990519/digi.htm
■注意■
('98年6月2日)
[Reported by 山田久美夫]