Click


COMPUTEX TAIPEI '99 レポート
~ さらなる盛り上がりを見せるMP3関連製品 ~

会場前

会期:6月1日~6月5日

会場:台北世界貿易センター展示場
   台北国際コンベンションセンター

主催:TCA(台北市電脳商業同業公会)
   CETRA(中華民国対外貿易発展協会)


 「COMPUTEX TAIPEI '99」でも、MP3は注目されるジャンルの1つだ。特に、数社が出展している携帯型のMP3プレーヤーの試聴コーナーには、どのブースも多くの人が集まっており、注目度の高さを見せていた。
 今回は携帯型MP3プレーヤーを中心に、MP3関連製品をレポートする。



■Rioによく似た「D'music」

D'music。FMチューナーを内蔵して、録音機能も搭載している D'musicの概要。イコライザ機能も装備している
 PINEのブースでは、デザインがRioによく似た携帯型MP3プレーヤー「D'music」が展示されている。デザイン以外でも記憶媒体にスマートメディアを使用する点も同じだ。ただし、FMチューナー内蔵で録音機能を搭載したモデルがあり、その点ではRioを大きくリードしている。PCとの接続はRioと同じくパラレルだが、次の製品ではUSBに対応したいという。

 韓国ではすでに出荷を開始しているとのことだが、日本での出荷予定はないというのが残念だ。価格は140~160ドル。



■コンパクトフラッシュを採用した「Fresh Music」

 NTK Computerは、携帯型MP3プレーヤーとしては珍しくコンパクトフラッシュを採用した「Fresh Music」を出展。内蔵メモリもなく、操作部も再生/早送り/巻き戻し/音量調整しかないというシンプルな構成となっている。ただしそのおかげで、価格がコンパクトフラッシュPCカードアダプタが付属して、1,000個ロット時で40ドルと安価なのが魅力だ。「現在のところ日本での出荷の予定はないが、希望はしている」という。

 NTK Computerのブースでは、このほかにも面白いものが展示されていた。それが、6.4インチTFT液晶を搭載したポータブル型のビデオCDプレーヤーだ。スーパービデオCD(SVCD)対応なのはもちろんのこと、MP3の再生にも対応しているのが注目点。実際のデモを見た限りでは、画質はあまり良くないが、価格が520ドル程度。今のところ日本での発売予定はないとのこと。またこのビデオCDプレーヤーと並んで、DVDビデオにも対応したプレーヤーが参考出品されている。こちらも、実際にDVDビデオを再生していたが、画質は今一歩といったところ。このプレーヤーは7~8月ごろ出荷とのことだ。

 また、このブースでは、モックアップの段階であるが、Clik!を搭載したMP3プレーヤーも展示していた。モックアップではあるが、手に取れるようになっており、Clik!が挿入されているのを確認できた。

Fresh Music。上部に突き出ているのがコンパクトフラッシュ。それと比較すると大きさがわかる。操作パネルはかなりシンプルになっている ポータブルビデオCDプレーヤー。MP3にも対応している点が新しい さらにDVDにも対応。これを使えば、12cm光ディスクのほとんどを再生できるだろう Clik!採用MP3プレーヤー。まだ、モックアップの段階ではあるがClik!が入っているのが確認できる


■録音機能搭載「jaz Piper」

jaz Piper。楕円形の液晶が特徴的 jaz Piperの概要。他の国で発売する場合は、スマートメディア以外のメディアを採用する可能性もあるという
 PowerColorのブースでは、操作部のみを露出した形で録音機能を搭載した携帯型MP3プレーヤー「jaz Piper」を展示している。台湾のみの製品ということで、詳細については教えてくれかった。
 製品の横には概要を書いたパネルが掲示されていたが、そこに書かれた仕様についても、「他の国で発売する場合は変更する可能性がある」としている。



■スタンドアローンのMP3対応CDプレーヤー

Music Bank。単体でCD-Rに焼いたMP3を再生できる。操作が赤外線リモコンできるので、MP3の一般化に寄与するかも?
 LOYALTY FOUNDER ENTERPRISEは、単体でMP3を再生できるCDプレーヤー「Music Bank」を、実際に音楽を流しながら展示している。
 リモコンも付属するので普通のCDプレーヤーの感覚で使うことができ、MP3をCD-Rに焼いておけば、CDの約10倍の音楽を再生できる。価格は250ドル程度。なお、同等の機能を持った製品は既に秋葉原で販売されている。



■1チップMP3デコーダ「STA013」

STA013を採用したLEADTRON製のプレーヤー「MP-Fox」。ケースに入っていたので、実際に触って、再生してみることはできなかかった STA013を搭載した評価用ボード。矢印の先がSTA013
 STMicroelectoronicsは、1チップMP3デコーダ「STA013」を出品。このチップは1チップMP3デコーダで「このチップだけでRioの機能をほとんど実現できる」という。評価用に組み込んだ基板で実際に再生を行なっており、それを聞いた限りでは音質的には問題はないといえる。このチップは、すでに出荷を開始しており、価格は5~6ドル。このチップを利用すれば、簡単にMP3プレーヤーを作ることができるので、これから携帯型MP3プレーヤーに参入するメーカーはますます増えていくだろう。
 なお、アクリルケース越しではあるが、このチップを搭載したLEADTRON製のプレーヤー「MP-Fox」もチップと並んで展示されていた。



□COMPUTEX TAIPEI '99のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/cpx99.asp
□TCAホームページ(和文)
http://www.ippc.com.tw/tca/tca.htm
□台北世界貿易センター展示場ホームページ(英文)
http://taipeitradeshows.cetra.org.tw/
□TAIPEI International Trade ShowsのCOMPUTEX TAIPEI '99ページ(英文)
http://taipeitradeshows.cetra.org.tw/computex/

('99年6月1日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp