鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第77回:5月17日~5月21日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


5月17日

■■キヤノン、バブルジェットプリンタのラインナップを拡充
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990517/canon.htm

双方向パラレル

 データの入出力をサポートしたパラレルポート(プリンタポート)。
 パラレルポートは、データをバイト単位で転送するインターフェイスの総称だが、PCではモデムなどを接続するためのRS-232仕様のインターフェイスを「シリアルポート」、プリンタなどを接続するためのセントロニクス仕様のインターフェイスを「パラレルポート」と呼んでいる。

 このパラレルポートは、元々がプリンタの接続を前提に設計されたインターフェイスであったため、データラインは出力の一方向のみ。データ入力に関しては、全く考慮されていなかった。その後、オリジナルのパラレルポートは改良され、データ入力が可能なタイプへと移行。現在使われているPC/AT互換機では、入出力に対応した数種のモードを備えたパラレルポートが使われており、BIOS設定などで切り替えられるようになっている。

 一般に「双方向パラレル」と呼んでいるのは、IBMがPS/2以降のマシンに採用した、8本のデータ線をそのまま使ってデータ受信を行なうモードを指す。これは、パラレルポートの仕様をまとめたIEEE-1284で「Byte Mode(バイトモード)」と呼んでいる転送モードのことで、現行機種であればサポートしていないマシンはまず無い。

【参考】
□IEEE-1284
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#parallel-port
□RS-232
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981021/key51.htm#RS-232C



 
■■Electronic Entertainment Expo(E3) レポート ハードウェア編
  「スターウォーズのドロイドを再現できる新MindStormsキット」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990517/e3_04.htm

フォースフィードバック(FFB~Force-FeedBack)

 重力や抵抗などの反力反応をユーザーに伝えること。
 同様のものに、ハプティックフィードバック(haptic feedback)やタクタルフィードバック(tactile feedback)というものもあり、同義で用いられることもあるが、これらが主として触感を伝えるのに対し、衝撃や反動、振動、惰性、慣性といった物理的な力感を伝えるものを特にフォースフィードバックと呼ぶ。

 ジョイスティックやハンドグローブなどのデバイスに、モーターを使ったメカニズムを組み込み、可動部を制御することによって、触覚的な操作感覚をユーザーにフィードバックする仕組み。'93年に、MIT Massachusetts Institute of Technology~マサチューセッツ工科大学)で開発された、触感覚をリアルに伝えるデバイス「PHANToM(ファントム)」の登場以来、ヒューマンインターフェイスの新しい要素として特に注目されるようになる。最近では、ジョイスティックやフライトヨーク(操縦桿タイプ)、ステアリングホイール(ハンドルタイプ)などのゲームコントローラにも搭載されるようになった。

 Windows上では、MicrosoftのDirectX 5.0以降のDirectInputで、これらフォースフィードバックゲームデバイスに対応。一定の方向に一定の力を加える「コンスタントフォース」、一定の率で大きさが増減する「傾斜フォース」、定義された波形パターンで変化する「周期的効果」などを、特定の場面や特定の入力に対して発生させることができ、対応ゲームに臨場感あふれる効果を与える。

【代表的なフォース/ハプティックフィードバックデバイス】
□CyberGrasp - Virtual Technologies
http://www.virtex.com/
□PHANToM - SensAble Technologies
http://www.sensable.com/
□Microsoft SideWinder
http://www.microsoft.com/japan/hardware/sw/
□I-FORCE - Immersion
http://www.immers.com/
【参考】
□DirectX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971021/key3.htm#directx


5月18日

■■フジ、230万画素3倍ズームの「FinePix2900Z」、スリムな「FinePix1500」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990518/fujifilm.htm

絞り優先AE(AE~Auto Exposure)

 絞りを優先した自動露出(露光)機能。
 AEは、露出オーバーや露出アンダーにならないように、適正な露出で撮影する機能である。適正な露出を得るための機構には、光の通り道の広さを調節することによって、レンズから入る光量そのものを調整する「絞り」と、光にあたる時間を調整する「シャッタースピード」とがあり、これらは互いに補完関係にある。すなわち、光量を落とした分を露光時間を長くして補ったり、露光時間を短くした分を光量を上げて補ったりすることができる。

 いわゆる全自動タイプでは、それぞれに適切な値がセットされるが(※1)、カメラの中には、より自由度の高い自動露出機構を備えた製品があり、ユーザーがセットしたシャッタースピードに合せて、絞りを自動的に調整する機能を「シャッター優先AE」。逆にユーザーがセットした絞りに合せて、シャッタースピードの方を自動的に調整する機能を「絞り優先AE」と呼んでいる。

 動いているものを撮影する場合、シャッタースピードを速くすればシャープに、遅くすればぶれが生じ流動感が得られる。このような表現を優先したい場合には、「シャッター優先AE」が効果的である。一方の絞りは、被写界深度に大きく影響する(※2)。被写界深度は、ピントが合う範囲のことで、絞り径を絞れば(絞り数字を大きく)深くなり、手前から奥まではっきりピントが合った仕上がりになる。逆に、開けば(絞り数字を小さく)浅くなり、被写体だけにピントを合わせ、前景や背景をぼかした効果が得られる。

(※1)撮影状況や使用レンズなどに合せてプログラムされているものもあるが、シャッターだけで調整しているものなども多い。

(※2)被写界深度は、この絞りのほかにも、被写体との距離や使用するレンズの焦点距離によっても変わってくる。被写体との距離は、離れるほど深く、近づくほど浅くなる。レンズは、焦点距離が長い(望遠)ほど浅く、短い(広角)ほど深くなる。


5月20日

■■鹿山雅志の オンラインソフト“つっこみ”レビュー
  グラフィックトータルコントロールユーティリティ「PowerStrip 2.40.01」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990520/ols02.htm

dpi(dots per inch)
ディーピーアイ

 1インチあたりのドット数。
 コンピュータが扱うグラフィックスの大半は、画像を格子状に並んだ小さな点の集まりとして扱っており、このようなタイプのデータを、ラスターグラフィックス、あるいはビットマップと呼んでいる(※1)。dpiは、この点がどれくらい細かさを持つのかを表す、解像度の単位として使われているもので、値が大きいほどより細かな表現が可能となる。

 例えば、600dpiとあった場合、入力デバイスのスキャナは、1インチ(25.4mm)あたり600個のサンプルを収集し、それをデジタルデータに変換する(グレースケールなら輝度を、カラーなら各色要素別に輝度を数値化する)。同様に、出力デバイスのプリンタは、1インチあたり600個の点を使ってこれを描画する。

 スキャナやプリンタのような、正確な寸法を持ちにくいディスプレイやビデオカードの場合には、dpiという表現が表だって登場することは少ないが、Windowsの標準環境で96dpi、高解像度のデスクトップで大きなフォントを選択している場合には、120dpiにセットされている。ちなみに、1ポイントは1/72インチなので、9ポイントの文字は96dpiの環境で12ドット分、120dpiの環境で15ドット分ということになる。

(※1)文字などは、内部ではコードで扱っているが、ディスプレイやプリンタに出力される最終段階では、このラスターグラフィックスに変換されている(ラスターデータを生成するこのプロセスを、ラスタライズと呼ぶ)。ただし一部には、プロッタのようにペンを動かして描画する例外的なデバイスもある。


5月21日

■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  「IntelとAMDが価格引き下げレース、Pentium IIIが200ドル台へ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990521/kaigai01.htm

歩留(ま)り(yield)
ぶどまり

 原料に対する製品の割合。
 PC市場では、半導体チップの製造プロセスで使われることが多く、歩留まりが悪い(低い)といった場合には、不良製品が多く良品の出来高が低いことを指す。

[Text by 鈴木直美]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp