Electronic Entertainment Expo(E3) 会場レポート

「IntelliMouse Explorer開発者インタビュー」
お尻のLEDはカッコイイから!


展示会開催期間:'99年5月13日~5月15日(現地時間)

会場:米カリフォルニア州ロサンゼルス
   World Convention Center



■IntelliMouse Explorerの弱点は?

左がJoel Ruzich氏で、右がBrenda Ngさん。ちなみに手に持っているのは会場で配られた「光る! IntelliMouse Explorerキーホルダー」
 E3ではソフトだけでなく、ゲームに関連するデバイスも展示される。Microsoftもゲームだけでなく、コントローラやマウスを意欲的に展示していた。その中でも注目すべきは、COMDEX/Spring '99の会場で発表されたマウス「IntelliMouse Explorer」だろう。今回は、そのマウス「IntelliMouse Explorer」を開発中のJoel Ruzich氏とBrenda Ng氏に実際にお話をうかがうことができた。

 IntelliMouse Explorerは、カメラとDSPを用いることで接地面をスキャンし、位置を判定する。リリースにある「紙でも壁でもあなたのジーンズでも関係なく、マウスパッドがいらなくなる」というのが印象的だ。実際、会場に展示されていたマウスを立ったまま自分のジーンズの上で使ってみたところ、思ったように動いてくれた。ほぼストレスを感じない操作感はすばらしいの一言。

 ところが、インタビュー会場ではテーブルがガラスでできた透明なものであった。マウスはその上におかれたが、なぜかデモを開始するときに紙を下に敷くのである。そこですかさず聞いてみると、接地面のデコボコをスキャンして動きを計算するため、接地面がつるつるなときはどこまで行っても動きがないと判定されてしまいカーソルが動かなくなってしまうという。たとえば、ガラスや鏡といったものだ。では接地面にどれほどの突起があればいいかと聞くと「ごく少し」という曖昧な返事であった。少し残念だが、本当にほんの少しのデコボコがあればスキャンできるようなので、通常の使用では問題ないだろう。


■赤く光る謎は?

マウスのセンサー部分のアップ。赤い色なのでオートフォーカスで撮影することができず、かなり苦労した。
 デザインは従来のマウスより平らになっている。これまでのマウスは物理的にボールやギヤといったパーツを納める場所が必要だったのが、IntelliMouse ExplorerではカメラとDSPのたった2つの部品を収めればいいため、より手のひらになじむフラットな構造を実現できたのだという。

 マウスをひっくり返してセンサー部分を上にするとすぐ暗くなってしまう。センサーが常にスキャンし、接地面であるかどうかの判断が行なわれているようだ。

 ちなみに今回のマウスは、お尻にロゴマークがついておりLEDが赤く点灯している。この赤いライトの役割は? と聞くと「単なるデザインだ」。と言うことで、カッコイイという観点で設計されているようだ。なお、このライトはIntelliPointなどを使っても消すことができない。たとえば、ノートパソコンなどで使用した場合、ホンの少しでも消費電力を削りたい時があると思うのだが……。この疑問には「(LEDの消費電力は)僅かなので、気にならないだろう」と回答してくれた。日米間でノートパソコンの消費電力については、感覚の差があるようだ。

 また、接地面が一面赤色である理由は担当者が不在のためわからず、後日改めて答えてくれるという。


■米国内では永久保証も検討

COMDEX/Spring '99会場でも公開された部品リスト。コストも、部品スペースも少なくなっている。ちなみに下に敷かれているのが本文にもある例の紙
 マウスの左側面に2つのボタンが追加され、好きな働きを割り振ることができる。ブラウザの前進と後進といった設定が一般的と思われるが、たとえば、ファンクションキー(F1~F12)や、シフトキー、コントロールキーを割り振ることも可能。このボタンの機能は便利だが、位置が少し手前なため、多少押しにくく感じた。もう少し先端部分にあってもよかったのではないだろうか。

 商品構成は通常のIntelliMouse Explorerと、接地面だけ「IntelliEye」に変更された従来のIntelliMouseと全く同じ型のIntelliMouse featuring IntelliEyeの2つ。発売はいずれも10月1日を予定。日本では3週間程度遅れての発売になるという。

 同梱されるのは「IntelliPoint」の最新バージョン。これまではFDでの提供だったが、今回からCD-ROMとなる。「もうCD-ROMは一般的なものになったと判断したため」ということのほかに「プログラムが飛躍的に大きくなったので、FDでは入りきらなくなった」ということらしい。

 インターフェイスはUSBだが、USB→PS2変換アダプタが付属するという。これまでMicrosoft製品では逆の変換アダプタが付属したことはあるが、USB→PS2は初のケースとなる。

 素朴な疑問として「接地面が非接触のセンサーということで、従来マウスに比べてどれほど寿命が延びるの?」と聞いてみた。すると「米国では5年保証となるだろうが、現在永久保証も検討中だ」との返答を得た。また、日本では永久保証は難しいが、それほど長い間使っても壊れない自信があるという。ただし、カメラ部分に傷が付くと使えなくなるので、汚れた手で底面を触るのは危ないかもしれない。しかしこの点についても彼らは「こうやって布で拭いてもらえればまた使えるけどね」と、服の端で拭いていたのだが、これはまねをしない方がいいかもしれない。専用の布を付属してくれるのが一番なのだが。

 そして最後に「iMac対応版の発売はないのか?」と質問をぶつけてみたところ、なんと「IntelliMouse ExplorerはiMacコンパチブルだ。ただし、1ボタンマウスとしてしか機能しないし、ホイールも使えないけどね」と返答してくれた。

 デザイン的にも、機能的にもPCユーザーの心をくすぐるIntelliMouse Explorer。発売が待ち遠しいデバイスだ。

□E3ホームページ
http://www.e3expo.com/

('99年5月17日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp / tanigawa]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp