Electronic Entertainment Expo(E3) レポート ソフトウェア編
「Might&Magicシリーズ最新作についてプロデューサに聞く!」


展示会開催期間:'99年5月13日~5月15日(現地時間)
会場:米カリフォルニア州ロサンゼルス
   World Convention Center



■New World Computingを取材~ソロプレイRPGの雄 Might&Magicシリーズ最新作

 ストーリー進行の自由度の高さ、数多くのクエストやアイテム、延々と続く広大なゲーム世界などRPGファンを魅了してやまない老舗シリーズ「Might&Magic」の最新作が登場する。

 なんと前作「Might&Magic VI(以下MM6)」の興奮も覚めやらぬうち、シリーズ最新作「Might&Magic VII(以下MM7)」が6月初旬に発売予定だという。海外RPGの製作期間は長期にわたることが珍しくないので、このようなビッグタイトルの続編が1年ちょっとでリリースされるというのは驚きだ。
 「前作と並行して作っていたわけではないんです。きちんとMM6を完成させてから着手したんですよ」と笑いながら、シリーズすべてのプロデューサーであり、また同社の社長でもあるJohn Van Caneghem氏は語ってくれた。「ゲームの基本的なシステムはMM6でできあがっていましたし、グラフィックエンジンも改良を加えた同じものを使用しています。だから比較的短期間で出せたんです。きっとMM9のころには技術が進んでいるだろうから、システムを作り直すため、また皆さんを2~3年お待たせするかもしれませんね」

 MM7の操作方法や土台になっているシステムは前作とそれほど変わらないのだが、全体的な内容は大幅にグレードアップ。キャラクターメイキングに種族(ヒューマンやゴブリン、エルフなど)が導入され、それに伴って新たなスキルも増え、より戦略性が高まっている。またプレーヤーの行動によってキャラクタの属性はGoodからEvilの間で変化し、それにつれてインターフェイスのデザインやキャラクタの顔つきまで変わるという凝りようだ。エンディングもGoodとEvilの2種類用意されているというから、MM7を始めたプレイヤーはしばらく眠れぬ日々が続くだろう。

 もちろんゲームの要というべきクエストも、さらなるバージョンアップが施された。MM6のクエストは物足りなかったというユーザーの声を反省点に、シリーズ序盤にあったような複雑なものになるという。前作のクエストは一方通行の短いものが多かったが、今作ではひとつのクエストの結果がほかのクエストに影響を与えたり、数多くのクエストの流れがより大きなクエストにつながったりと、複雑かつ緊密なものになっているようだ。そのためプレイ時間も「ストーリーを追うだけならばそれほど時間がかかるとは思いませんが、すべてを見るため完璧にプレイしようとすると膨大な時間を費やすことになるでしょう」というわけで、またもやかなりチャレンジのし甲斐があるボリュームらしい。

 このほか、お遊び的要素としてゲーム中でカードゲームが登場。勝つと金が手に入り、相手が強ければ強いほど金額も増えるという。現実世界でのカード販売も「予定はないですよ、たぶん。ええ、たぶんね(社長談)」とのことだ。

 ちなみに日本では、イマジニアによる日本語化が予定されている。

□3DOのページ
http://www.3do.com/
□イマジニアのページ
http://www.imagineer.co.jp

3Dビデオカード対応だが、ソフトウェアのみでもストレスなく動くようにする予定 魔法は前回から少し増えて、9系統各11種の呪文が唱えられる。LightとDarkの魔法も健在 前回かなり不評だったリアルタイプのキャラクタの顔は、落ち着いて見ていられるグラフィックに変更された


■MAXIS~The Sims コンピュータの中の人々を観察する

 初期の「SimCity」などのシミュレータものをプロデュースしてきたウィル・ライト本人の久しぶりのプロデュース作品ということだが、期待にたがわず「The Sims」はかなりの面白さだ。The Simsはキャラクター観察ゲーム。プレーヤーが用意したさまざまな状況やアイテムによって、ゲーム内のキャラクターたちが自分で考え行動するさまを観察するのが目的。

 キャラクタのアクションは多種多彩で、料理や入浴といった日常生活はもちろん、感情の変化によって喧嘩をしたり恋人とべたべたしたり、と非常にリアリティあふれる行動をとる。そのため、ゲーム中はまるで人の家をこっそり覗いているような気さえしてしまう。この究極のドメスティックシミュレーション、人間の覗き見精神を激しく刺激する、見た目とは裏腹のかなり過激なソフトというわけなのだ。

□Maxisのページ
http://www.maxis.com/

初日の昼頃だったせいか、元気いっぱいで上機嫌のウィル・ライト氏。最新作The Simsについてテレビや雑誌の取材攻勢にも朗らかに対応していた キャラクタが各々に行動しているのがわかる画面。見た目はかわいらしいグラフィックなのでほのぼのとしたゲーム内容を想像するが、お酒を飲んで喧嘩をするなど、なかなかシビアの世界観 てんぷら火事発生の図。消火しよう慌てているシムたち

□E3ホームページ
http://www.e3expo.com/

('99年5月17日)

[Reported by 西尾ゆき]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp