標準価格:ポケットデジタルオーディオ 6,800円
MMC Reader/Writer 4,800円
連絡先:ダイナミック・ネイキッド・オーディオ株式会社
Tel.03-5466-4488
ダイナミック・ネイキッド・オーデイオ株式会社 代表取締役 中畑信哉氏 |
6月15日からPCショップ、家電量販店で発売。コンビニエンスストアや、レコードショップなどでの販売も予定されている。価格は本体のみで6,800円。発表会の席上で、中畑信哉 DNA代表取締役は「MDプレーヤーは中・高生には高くて買えない。オーディオ界は、アナログレコードからCDに進化したがその後の進歩がない。この製品は“プレーヤー”、“メディア”、“アーティスト”など全て新しいコンセプトで開発した」と述べた。出荷台数は、初年度で200万台を見込んでいる。
■Zippoサイズながら、MMCスロット2基搭載
ポケットデジタルオーディオ本体は外形寸法53×46×16mm(縦×横×厚さ)と、Zippoより一回り大きいサイズ。重量も本体のみで30gと軽く、実際に手に取ると本当に動くのか心配になるぐらい小さく軽い。質感はプラスチック感が強く、かなり安手な印象をうける。ただ、デモ機として用意されていたのは試作機だったので、製品版では改良される可能性もある。
本体にはメモリが一切搭載されておらず、Multi Media Card(MMC)のみを使用する。スロットは本体底面に2基用意。電源は単4電池1本で、約4.5時間の連続再生が可能となっている。この他に本体には、ヘッドホンジャック、3モードのエフェクタのスイッチ、再生/停止などのボタンが搭載されているのみで、非常にシンプルな作り。パッケージも本体とマニュアルのみと、ヘッドホンも同梱されていない割り切った構成となっている。このことについて同社では「低価格な製品だと、安いヘッドホンしか付けられない。それならば、各ユーザーに用意してもらったほうがいいと考えた」としている。また音質は、会場に用意されたデモ機を聞いてみた限りでは、街中で歩きながら聞く分にはまったく問題ないレベルだった。
デモ機は2色用意されていた。市場の要望に応じてバリエーションを出したいとしている。 | 縦の長さは、男性の指なら4本分といったところ。右端にある大きなダイヤルはボリューム。 |
本体裏面に電池ボックスがある。写真の通り縦の長さは、ほとんど単4電池の長さと一緒だ。 | 本体底面にはMMCスロットを2基搭載。現在の所、32MB×2で64MBまでが予定されている。 | 本体にMMCを挿入しているところ。本体が小さいので、MMCが大きく見えてしまう。 |
同社では今回、記録メディアにMMCを採用した理由として「新しいことが好きということもあるが、MMCを採用した製品は世界で4番目。そのため、シーメンスなどの大手企業も協力的だった。それに、メディアにコントローラが搭載されているので、相性問題も回避でき開発も簡単だ」ということを挙げた。
また、「DNAの経営に参画しているフューチャーズでは、独PONTISのMMCを使用した携帯用MP3プレーヤー『MPlayer3』を販売しているが、住み分けはどうなるのか?」という質問に対して、「ポケットデジタルオーディオに使用しているフォーマットは、MPlayer3と互換性があり同じメディアを相互にやり取りできる。基本的にはMPlayer3は音質の良さで売っていく。ポケットデジタルオーディオは将来的に、安いことを生かしてイベントの記念モデルなどの限定モデルを作ることなども考えている。また、販売もMPlayer3がフューチャーズから、ポケットデジタルオーディオDNAからということで分けている」と回答した。
なお、MMCの32MB版が6月15日からDNAブランドで発売される。価格はオープンプライスとしているが、実売価格は米国での価格130ドルに準じるとしている。これを利用すれば、ポケットデジタルオーディオに最大64MB搭載できる。一般的にMP3ファイルは1MBで1分程度なので、1時間以上の収録が可能となり実用的な使い方ができるようになる。
■MMC Reader/Writerも同時発売
ポケットデジタルオーディオ発売に併せて、MMCのリーダ/ライタ「MMC Reader/Writer」も4,800円で発売される。Windows 95/98/NT上で動作し、パラレル経由で接続する。外形寸法は90×90×22mm(縦×横×厚さ)で、ACアダプタのほか9V電池でも駆動できるので携帯使用もできる。ポケットデジタルオーディオは単体でPCからMP3ファイルを取り込む事ができないので、自分の好きな曲を再生したい場合は必須となる。
この製品はポケットデジタルオーディオ専用というわけではなく、MMCの汎用リーダ/ライタとしても使用可能。今まで、MMCのリーダ/ライタはほとんどなく、そういった意味でも注目される製品だ。またUSB版の発売も、日程は未定だが予定されている。
MMC Reader/Writer。正方形の小さな弁当箱サイズだ。 | 上部の蓋の色が、赤と銀色の2色が展示されていた。赤の方の前面に見えるのがMMCスロット、銀色の前面に見えるのがパラレルポート。 | 上部の蓋を開けると、MMCが4枚収納できるようになっている。 |
■ROMでコンテンツも提供
ROMのMMCを使った音楽メディア「ROS(レコード・オン・シリコン)」のタイトルも、同社から「東京コミュニケーション放送株式会社」、「株式会社電通テック」の協力によりリリースされる。2枚組のROSに4曲収録して、本体とセットで6月30日から9,800円で限定1万個販売する。またDNAでは、これからROSのタイトルを20タイトル/月のペースで提供したいとしている。
■本当に安いか?
本体価格は確かに安いが、実際に使用する場合にはポケットデジタルオーディオ(6,800円)のほかに、MMC Reader/Writer(4,800円)も必須になり、MMC 16MB(実売約1万円)も購入すると2万円を超えてしまう。購入時にはその点を考慮する必要がある。
□ダイナミック・ネイキッド・オーデイオのホームページ
http://www.dynamicnakedaudio.com/
□ニュースリリース
http://www.dynamicnakedaudio.com/html/release.html
□ROS版「士魂」製品情報
http://www.towerrecords.co.jp/si-conf.html
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【4月22日】7千円を切るZippoサイズのMP3プレーヤー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990422/dna.htm
('99年4月28日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]