元麻布春男の週刊PCホットライン

同時進行連載:リビングルームPCが欲しい・その11
キーボードとポインティングデバイス



■ キーボードとポインティングデバイスは
  できればワイヤレスで

ロジクール Cordless Desktop
標準価格20,000円。キーレイアウトは英語104。キーボード・マウスとも、PS/2コネクタでのケーブル接続も可能
 さてさて、これまで筆者の自宅のリビングルームPCについて触れてきたなかで、必ず使っているに違いないにもかかわらず、取り上げてこなかったデバイスがある。それはキーボードとポインティングデバイスだ。Microsoftは、彼らが考えるリビングルームPCにおいて、キーボードをオプションにし、リモコンを必須にするようなビジョンを持っていたようだが、それは可能になるとしても将来の話。現在のPCやOSを使う限り、キーボードなしというのはまず考えられない、というのが現実だろう。

 とはいえ、リビングルームPCには普通のPCと異なる条件があるため、普通のキーボードを使うのはちょっと都合が悪い。ディスプレイ、本体、キーボード(ユーザー)が近接して配置される普通のPCと異なり、リビングルームPCではユーザーとディスプレイの距離が離れている。本体もユーザーのそばにないことの方が多いハズだ(その方がPCのファンやハードディスク等が発するノイズに対して有利でもある)。すなわち、キーボードやポインティングデバイスとPC本体の距離が長いのである。もちろん、延長ケーブル等を使って、普通のケーブル式のキーボードを使うことは可能だが、あまり恰好の良いものではない。できればワイヤレスのキーボードやポインティングデバイスを使いたい。

 そう思った筆者が最初に購入したのは、テンキーが省略された小型の赤外線方式の日本語キーボードであった(秋葉原等でよく見かける1万円弱のヤツだ)。筆者は、仕事マシン(含むノートPC)では、いわゆる日本語109キーボードを決して使わないのだが、リビングルームPCで原稿を書くわけでなし、小型であることに惹かれて、あえてキー配列やキータッチ(デキの良いノートPCクラスである)には目をつぶることにした。

 キーボード右上端にポインティング用のボタン、キーボード左上端にクリック用のボタンをそれぞれ配したこのキーボードは、筆者の偏見、主に赤外線方式に対するものだが、よりはずっとまともに動いた。赤外線を使う以上、キーボードと赤外線受光部(PS/2キーボードおよびマウス端子に接続する)間に障害物があってはならないという制約があるものの、それはわかっていたこと。キーボードが入力された文字を落とさず、ちゃんと入力できるのに結構感心した(これが偏見を持っている証なのだが)ものだ。

 ところが、このキーボードで耐えられなかったのは、ポインティングデバイスであった。キーボードがちゃんと動いている以上、赤外線という方式の問題ではない。ポインティングデバイスとして、あまりにコントロールしにくかったのである。自分の思ったところで止まれないポインティングデバイスほどフラストレーションのたまるものはない。ついには耐えかねた筆者が考えたのは、ポインティングデバイスだけ変えよう、というものだった。



■ なぜかマウスが不調、未だ解決せず

 そこで購入したのがLogitechのCordless WheelMouseだ。無線方式のこのマウスは、受信機(PS/2マウスポートに接続する)とマウスの間に障害物があっても構わない。筆者は、結構このシリーズを昔から使っているのだが(たぶん初代から)、最近のものはかなり使い心地が良くなった(ケーブル式のマウスと変わらない)という感じを持っていたのである。早速、赤外線キーボードの受光部の接続ケーブルのうち、PS/2マウス側だけを抜いて(PS/2キーボードコネクタと受光部は接続したまま)、代わりにCordless WheelMouseの受信機を接続した。

 これでキーボードもポインティングデバイスもバッチリと思いきや、世の中はそれほど甘くなかった。Cordless WheelMouseのドライバが組み込まれたとたんに、赤外線キーボードが一切入力を受けつけなくなったのである(Cordless WheelMouseはちゃんと動いている)。よく調べると、Windowsのドライバが読みこまれていない時点では、まだキーボードは動作している(したがって、BIOSセットアップは赤外線キーボードでできる)。しかし、Windowsが起動してしまうと、ログインのパスワードを入力することすらできないのである。やれやれと思い、Cordless WheelMouseの受信機を取り外し、赤外線キーボードの受光部のケーブルを元に戻した(PS/2マウスコネクタに接続するケーブルを再接続した)のだが、それでもなぜかキーボードは蘇らない。

 頭にきた筆者は、キーボードごと新しいものに変えることにした。次に購入したのはLogitechのCordless Desktopだ。同じLogitechが販売するケーブル式のキーボード(Deluxe 104 Keyboard、希望小売価格5,000円)に比べ、値段が4倍(同20,000円、実売は15,000円前後)のせいか、キータッチも完全に別物で、英語キーボードであることと合わせ、かなり筆者の好みに近くなる(仕事マシンに使うには、ちょっと足りないが)。にもかかわらず、最初からこれを買わなかったのは、テンキー付きのフルサイズキーボードという大きさが嫌だったからだ。しかし、もう色々言っていられる場合ではなくなったため、思いきって購入したのである。

 値段も高いだけあって、今度のCordless Desktopはちゃんと動くようにみえた。しかし、ある時異変に気づいた。今度もキーボードは問題ないのだが、時々マウスが動かなくなる(正確にはマウスの感度が極端に悪くなる)。ではと思い、USBマウスを接続すると、これは問題ない。調子が悪いのはCordles WheelMouseのみなのである。

 実は、このマウスの不調は、何が原因なのか、いまだにハッキリとしていない。どうもMegaWaveを利用したり、MegaWaveの利用を終了すると、マウスの不調が生じるような気がしてならないのだが、これは筆者のMegaWaveクライアントソフトウェアに対する信頼感の無さが生んだ偏見の可能性もある。というわけで、今も時々動かないマウスに悪態をつきながら、どうしようもない時はUSBマウスをつなぎつつ、だましだましリビングルームPCを使っているのであった。

□ロジクール(Logitechの日本法人)のホームページ
http://www.logicool.co.jp/
□Cordless Desktop(CKB104-70M)製品情報(ロジクール)
http://www.logicool.co.jp/kb/cordless_desktop.html
□Cordless WheelMouse(CM-61H)製品情報(ロジクール)
http://www.logicool.co.jp/pd/cwm.html

[Text by 元麻布春男]


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