リアルさにとことんこだわりをみせたフライトシミュレータ「Fly!」

スクリーンショット1 '99年6月中旬 発売予定

標準価格:8,800円

連絡先:P&A
    042-525-9501



HARRY MILLER氏
左からインタビューに答えてくれたパトリック・オシュネーP&A代表取締役、GATHERING OF DEVELOPERSのHARRY MILLER社長、オシュネー明子P&A取締役
 株式会社P&Aは、リアルさに徹底的にこだわった民間機フライトシミュレータ「Fly!」を6月中旬に発売する。価格は8,800円。対応OSはWindows 95/98、MacintoshでHybrid版。

 Fly!は、全世界で大ヒットを記録した3Dシューティングゲーム「Fury³(フューリーキューブ)」や「Terminal Velocity」を開発した米Terminal Reality社が開発中のフライトシミュレータ。昨年のE3(Electronic Entertainment Expo)で公開され、「Microsoft Flight Simulator」のエンジン部分の開発を5年前に担当したエンジニアが制作に関わっていることもあり話題を呼んだ。今回、アメリカでFly!の販売を担当しているGATHERING OF DEVELOPERS(GOD)のHARRY MILLER社長と、日本で販売を担当しているP&Aのパトリック・オシュネー代表取締役が製品に関する詳しい内容を語ってくれた。

 特徴としては徹底的にリアリティにこだわった点が挙げられるという。飛行機の中にあるものはすべてFly!の中で再現することが制作の目標だったそうだ。飛行機のコクピットはリアルに映し出され、スイッチのON/OFFなどすべてマウスで操作できる。プロパイロットが、ゲームとしての知識を全く持たなくとも操縦でき、もっとも難しいモードではマイクを接続し、管制塔とやりとりを行なうことも可能。
 リアルさという点では窓の外の風景も描き込まれている。5つのシナリーでは実際の地形の高度データを収録したSpherical lat/Ion ground systemが採用されており、実際の風景とさほど変わらない光景がディスプレイ上に再現される。また、インターネットに接続している状況であれば、現地の天候情報を取り込み、今現在の現地の天候と同じ状況が再現される。夜間飛行を楽しめば星の位置や動きも、今現在、現地で見ることができるものと同じものなのだ。

 これほどまでにリアルと言うことは、逆に初心者にとっては手も足も出ないソフトなのだろうか? Fly!では初心者対策としてマニュアルの強化、ビギナーモードの追加を行なっている。スイッチ類に関しては、スイッチを1秒ほど押し続けると、そのスイッチに関する説明文が表示される。また、次に操作しなければならないスイッチも教えてくれるという。Easyモードを選択すればユーザーが何もしなくても自動的に操縦されるので、それを見て操縦の勉強をすることも可能だ。

 収録されている機体は“CESSNA 172R SKYHAWK”“PIPER NAVAJO CHIEFTAIN”など5機種。日本ではセスナなどの民間機を操縦する人口も少なく、逆にボーイングなどの旅客機が身近な存在となっている。Fly!でボーイングなどの旅客機を再現する可能性については「作業的には大変だが、技術的には可能」という。
 また、日本人としては日本の空を飛びたいという気持ちがあるが、これについてP&Aでは「発売には間に合わないが、Japanシナリーは必ず実現したい」としている。衛星のデータがあれば地形データの作成はそれほど難しいことではないらしく「たとえば住所さえわかれば世界中どこのデータでも作成できる。決定したわけではないが、WEB上でユーザーの住所を募集し、個別に20ドル程度でユーザー独自の地図データを作るといったサービスが実現できるかもしれない」という。自宅や、自分の勤めている会社の空の上を飛べるなんてステキなことだと思うので、ぜひ実現して欲しいものだ。

 マルチプレイに関してはTerminal Realityのサーバーに接続することで8人まで同時に楽しめるという。ボイスチャットも可能。フライトシミュレータのマルチプレイというとちょっとピンと来ない方もいるかもしれないが、たとえばチェックポイントをあらかじめ設定しておき通過までの時間や正確さを競ったりする楽しみ方があるという。

 現在5月の発売に向けて制作の最終段階となっているが、ゲームの制作が終わるとすぐにアドオンの制作にはいるという。ソフトのエンジン部分などはオープンにしていくということなので、シナリーや機体の追加データも他社から登場する可能性もある。民間機フライトシミュレータとしては久々の大作として期待される1本だ。

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コクピット内部。どの機体もリアルに再現されており、マウスですべてのスイッチを操作することができる 9,000以上の飛行場を含む世界全体がエリアとなっている 雲もリアルに再現されている


FLY!TM is a trademark of Terminal Reality. Terminal Reality is a trademark of Terminal Reality Inc. All other trademarks and trade names are properties of their respective owners. Gathering of Developers and godgames are trademarks of Gathering of Developers, Inc. All other trademarks and trade names are properties of their respective owners. (C)1998 Gathering of Developers, Inc. All Rights Reserved.

□P&Aのホームページ
http://www.panda.co.jp/
□「Fly!」公式ページ
http://www.panda.co.jp/games/fly/index.htm
□Terminal Realityのページ(英文)
http://www.terminalreality.com/
□GATHERING OF DEVELOPERSのページ(英文)
http://www.godgames.com/
□「Fly!」のページ(英文)
http://www.iflytri.com/

('99年4月14日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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