米Metabyte社のコンシューマ向けビデオカード部門Wicked3D Board Companyは現地時間の1日、ビデオカード2枚を組み合わせて3D描画を高速化する独自技術「Parallel Graphics Configuration」(PGC)を発表した。ハイエンドゲームユーザー向けの高速化技術として、近日中に対応製品を発表するという。
PGCでは、1回の画面描画を2枚のビデオカードで分担するため、論理的には2倍の描画性能を持つとしており、実際のゲームなどでテストした結果でも、フレームレートが40~70%ほど向上したという。同様の技術としては、3Dfx社がVoodoo2ビデオチップに実装しているSLI(Scan Line Interleave)があるが、SLIが2チップ間の描画分担を縦1ラインごとに割り振るのに対し、PGCでは画面全体の上半分と下半分に割り振っている。同社の主張によれば、「SLIでは2チップとも画面上の全ポリゴンを処理する必要があるが、PGCでは担当分のポリゴンのみを処理するため、全体のポリゴン処理能力も増加する」という。
また、対応ビデオチップが限られるSLIとは違い、「ビデオチップ依存機能を使っていないため、全ビデオチップに対応可能」なのも特徴の一つ。現在、同社のホームページ上では「対応して欲しいビデオチップ」の投票を受け付けており、NVIDIAのRIVA TNT/TNT2や、S3のSavage4、3DfxのVoodoo3、ATIのRAGE 128、3DLabsのPERMEDIA 3、VideoLogicのPowerVR 250の7チップがリストアップされている(3月4日現在、投票トップはRIVA TNT2)。
詳細な技術概要は明らかにされていないが、接続作業は「2枚のビデオカード(AGPまたはPCI)を専用内部ケーブルで接続した上で、2枚のカードの画像出力を外部の画像合成ユニットに接続し、さらに専用ドライバをインストールする」作業が必要という。画像合成ユニットは、画像合成せずにそのまま2系統のディスプレイに出力する機能も備えており、使用状況により、PGCまたはマルチモニタで使用することができるという。なお、この「画像合成ユニット」による画質変化に付いては特に言及されていない。
対応APIも不明だが、PCゲームのForsakenやIncomingでのテスト結果が公開されており、「3D描画以外にも2D描画にも対応する」と説明している。ただし、2DでのPGC使用は「それほど効果的ではない」という。
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□Metabyteのホームページ(英文)
http://www.metabyte.com/next.htm
□Wicked3D Board Companyのホームページ(英文)
http://www.wicked3d.com/inside.htm
□ニュースリリース(英文)
http://www.wicked3d.com/pressroom/pr_main.htm
□ホワイトペーパー(英文)
http://www.wicked3d.com/pgc_whitepaper.htm
□ベンチマーク結果(英文)
http://www.wicked3d.com/pgc_test.htm
('99年3月4日)
[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]