日本IBM、Palm IIIx日本語版「WorkPad」

IBM WorkPad
【IBM WorkPad】
'99年2月23日 発表

標準価格:オープンプライス
     (IBM PC Direct価格 49,900円)

連絡先:ダイヤルIBM
    Tel.0120-04-1992



 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下日本IBM)は23日発表会を開催、北米で発表されたPalm IIIxを日本語化した「WorkPad」を本日から販売開始すると発表した。価格はオープンプライスだが、IBM PC Direct価格で49,900円。また、今後PalmシリーズのPDAは、日本国内では日本IBMのみが販売を行なう方針も合わせて発表された。


IBMの堀田氏  発表会ではまず日本IBM取締役の堀田氏がWorkPadの製品位置付けや特長を紹介。日本IBMでは、パソコンをより便利に活用するための周辺機器を「PCコンパニオン」と名付け、今後力を入れていくが、WorkPadはPCコンパニオン製品としては、CrossPadに続く第2弾であると述べた。PCコンパニオン製品とは、「単体で使えて、PCに接続すればさらに便利な使い方ができ、世界的に通用するグローバルな製品」を指す。販売目標などは明らかにしなかったが、「PDAはどれかひとつが全部のシェアを取る、という製品ではないと考えている。DOS/Vの時のように、PDA全体のシェアを広げる形で、WorkPadを選んでくれるユーザーが増えることを期待している」とした。


3Comライリー氏  続いて3ComのWorldWide OEMセールス・ディレクターのデニー・ライリー氏が、世界市場におけるPalm製品のシェアなどについて説明。Palm製品はここ数カ月で、全世界での出荷台数が300万台に達しようとしており、米国では77%のシェアを持ち、ヨーロッパ市場でも過去3カ月の調査では40%のシェアに伸びているとした。3Com社では、企業向けの市場で力を持つ企業と提携を進めており、IBMとはUSでは企業向け、日本では企業・個人向け双方の販売・サービスで提携をして、3Com社自身はデベロッパとしての部分に集中していく方針だと述べた。


 このあと日本オラクル常務取締役の新宅正明氏、Sybase副社長のレイモンド・チュー氏、ロータス社長の安田氏も壇上に立ち、企業でのサーバーに対するクライアント端末としてWorkPadをサポートすると発表。
 日本オラクルの新宅氏は、「Palm OSの環境は開発生産性が高く、Microsoft Windowsの世界に穴を空けてくれることを期待している」、「Oracle LiteのR3.5では、メッセージジェネレータ&プロセッサおよびOracle Liteサーバを介する形で、Oracle 8サーバーのクライアントとしてWorkPadを利用できる。さらに夏に米国で出荷開始するOracle Lite R4.0ではPalm OS対応のクライアントソフトを用意し、WorkPadとOracle8サーバーが直接やりとりできるようになる」とした。
 またロータス社長の安田氏は「ロータス ノーツ/ドミノ」のデータと携帯情報端末(PDA)のデータを同期させる「Lotus EasySync R2.0」がWorkPadに標準搭載されているが、今後も継続的にWorkPadへの対応を積極的に進めていきたいと述べた。


WorkPadの裏側。Palm IIIではメモリスロットのあった位置に、拡張スロットが設けられている。なお、スケルトンのケースはサンプル用で、製品は黒の筐体色のみ
 WorkPadのハードウェアスペックは、米国で発売されたPalm IIIxと同一。新しく設けられた拡張スロット「Open expansion slot」を持ち、メモリ4MB、従来に比べて明るく見やすくなった液晶(160×160ドット)を搭載。CPUはEZ Dragonball 16MHzを搭載しており、CPUが高速になったことと、Palm OSのチューンによって、Palm IIIより処理速度も速くなっている。
 Open expansion slotについて3Comは、「ページャーや増設メモリなど、幅広い用途に使えるよう設計した汎用スロット」としており、国内ではPHS通信カードなどがアダプタとして出てくる可能性もあると述べている。

 ソフトウェアは、日本語版Palm OS ver.3を搭載したほか、Lotus EasySync、IBM IGN Dialer、学研の英和・和英辞書の3本のアドオンソフトが標準搭載されている。このため日本IBMでは、これまで英語版本体が実売で56,000~57,000円程度、J-OSIII(実売6,980円前後)を別途購入していたのに比べ、かなりお買得になったと強調した。

 また、日本IBMではオプションとして、HotSyncクレードル(6,000円)、スリムレザーケース(6,000円)、スタイラスペン3本セット(2,500円)などを3月15日より販売開始する。

 発表会場では、サードパーティがWorkPad対応製品を展示。アイ・オー・データ機器が携帯電話とPHS(PIAFS、対応通信事業者はDoCoMoとアステル)に対応した通信アダプタ「Snap Connect for WorkPad(24,800円)」を展示。また、メトロワークスがPalm OS日本語版対応の「Code Warrior for Palm OS」の開発表明をしており、出荷は7月の見込みという。

【Palm IIIと比較したおもなWorkPadの仕様】
 Palm III(既発売)WorkPad(新発売)
CPUDragonball 16MHzEZ Dragonball 16MHz
メモリ2MB SRAM4MB DRAM
液晶解像度160×160
I/O Slotなし1個
通信ポートシリアル、Irポート
電源単4アルカリ乾電池2本
電池の持ち時間2カ月
サイズ約120×80×18mm
重量162g
OS英語版Palm OS ver.3日本語版Palm OS ver.3
アドオンソフトなしLotus EasySync
IBM IGN Dialer
学研 英和・和英辞書

□プレスリリース
http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/cgi-bin/PREScgiDep.pl?docid=PRES1227&caps=N&perc=90&keywords=
□製品情報
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
□IBMのPCコンパニオンのページ
http://www.ibm.co.jp/pc/companion/index.html
□WorkPadオプションのニュースリリース
http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/AIS-CONS-cgi-bin/AIScgiDep.pl?db=CONS&year=1999&letter_number=OPT99014&caps=N&perc=90&keywords=

('99年2月23日)

[Reported by hiroe@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp