VIA、技術セミナー開催。チップセットのロードマップを解説

'98年10月21日開催


 VIA Technologiesは21日、東京・品川で技術セミナー「Technology Directions ~Alternative for the Multimedia PC Platform~」を開催した。このセミナーには、同社にグラフィック機能をライセンスしているTrident、Socket 7 CPUの開発を続けるAMD、新しいメモリ規格Virtual Channel Memory(VCM)の開発元であるNECなども参加した。今回は、その中で特に注目された、VIAの新チップセットのロードマップを中心にお届けする。

●VIAの今後の取り組みを解説

今後の取り組みを解説  最初にこれからの同社の取り組みについて解説した。まず、「8月の米国小売り市場で、Socket 7市場は50%を超えており、まだまだ市場力がある」と述べ、Socket 7とSlot 1のプラットフォーム両方の開発を続けていくとした。今後の予定としては、'99年第1四半期にAMD-K7対応のチップセットのサンプル出荷、Alphaに対応したチップセット開発へ取り組むことなどを挙げた。

●440BXピン互換のApollo BXがロードマップから消える

Socket 7ロードマップ  次に、Socket 7用のチップセットとして8月に発表された「MVP4」を、予定通り第4四半期に出荷すると述べた。このチップセットは、Tridentからライセンスを受けたグラフィックス機能を内蔵。システムメモリの一部をビデオメモリと共有するSystem Multimedia Architecture(SMA)に対応している。また、サウンドや、ハードウェアモニタ機能なども搭載している。

Slot 1ロードマップ  Slot 1用チップセットは既に発売されている「Apollo Pro」に続き、10月に「Apollo Pro+」が出荷される予定。以前VIAはこれと同時期に440BXとピン互換の「Apollo BX」の出荷を予定しており、国内では搭載マザーボードが一部販売もされていた。しかし、今回発表されたロードマップはこれに置き換わる形で「Apollo Pro+」が登場している。これは、440BXピン互換では販売ができなくなったためだという。また、Apollo Pro+に続いて、'99年第1四半期にグラフィック機能などを取り込んだ「Apollo Pro SMA」の出荷も予定されている。

 なお、'99年第1四半期の出荷が予定されていた「Apollo Pro II」は、少し遅れて第2四半期の出荷となった。このチップセットはFSB 133MHzに対応し、IEEE-1394やサウンド、モデム、LAN機能を内蔵するほか、AGP 4X、バスクロック66MHz対応PCI、Ultra ATA/66対応などかなり高機能なチップセットとなっている。

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【8月12日】VIA、Socket 7用グラフィックとサウンドを持つチップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980812/mvp4.htm
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●会場内ではApollo BX搭載マザーボードを展示

Apollo Pro+搭載マザーボード 48倍速CD-ROMドライブ  セミナー会場では、VIAのチップを採用しているFIC、GIGABYTE、AOpenなどのマザーボードメーカー数社がマザーボードを展示した。その中で、一番目を引いたのはAOpenのApollo Pro+搭載Slot 1マザーボード。係員によれば、「440BXとピン互換のいわゆるApollo BXを単純に換装したもの。しかし、Intelとの絡みでApollo BXは出荷できなくなったので、製品として出荷する時には、440BXとピン互換でないApollo Pro+が搭載されるだろう」とした。展示されているシステムは問題なく動作しており、「チップセットとしての完成度は高い」という。また、そのシステムに接続される形で、48倍速のCD-ROMドライブも実際に動作させていた。このドライブは11月中旬に出荷が予定されており、価格的には現在の40倍速CD-ROMと同程度に落ち着くだろうとした。


VCMモジュール  その他に、注目されたのはNECのVCMモジュール。これから出荷されるVIAのチップセットは全面的にVCMをサポートしており、その動向は注目されるが、実際にシステムに組み込まれているのを見る機会は少ない。外観上では普通のSDRAMのDIMMとまったく変わらないが、チップに貼られたシールの型番表記によりVCMということが確認できる。

□VIA Technologiesのホームページ
http://www.via.com.tw/

('98年10月21日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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