鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第50回:10月5日~10月9日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


10月3日

■■Socket 8用Pentium II ODPがついに上陸!価格は約12万円(AKIBA PC Hotline!)
http://sphere.impress.co.jp/akibamap/hotline/981003/ppodp.html

ODP(OverDrive Processor)
オーディーピー

 インテルが出荷している、現行のCPUと差し替えて使用することのできるアップグレード用CPU。
 386から486への移行期に、インテルは486の優位性を示す方策のひとつとして、次世代の技術を採りいれたアップグレードパスの用意をアナウンスし、CPUを押し込んで取り付けるLIF(Low Insertion Force)タイプのソケットから、レバーの操作で簡単にCPUが脱着できるZIF(Zero Insertion Force)タイプへの切り替えを各社に要請した。'92年には、Intel486と差し替えてIntelDX2相当にアップグレードする(CPUコアをバスクロックの2倍で動作させる)、最初のODPを出荷。以後、IntelDX4、Pentium、MMX Pentium、Pentium IIなどの新技術を採りいれた製品が順次リリースされている(Pentium ODPまでは既に製造終了)。

 ODPに差し替えることによって、使用中のCPUは最大で次の様にアップグレードすることができる。

Pentium Pro200MHz → Pentium II 333MHz
180MHz → Pentium II 300MHz
166MHz → Pentium II 333MHz
150MHz → Pentium II 300MHz
Pentium200MHz → MMX Pentium 200MHz
166MHz → MMX Pentium 200MHz
150MHz → MMX Pentium 180MHz
133MHz → MMX Pentium 200MHz
120MHz → MMX Pentium 180MHz
100MHz → MMX Pentium 200MHz
90MHz → MMX Pentium 180MHz
75MHz → MMX Pentium 150MHz
66MHz → Pentium 133MHz
60MHz → Pentium 120MHz
IntelDX475MHz → <中止>
IntelDX250MHz → Pentium 63MHz
66MHz → Pentium 83MHz
Intel48625MHz → Pentium 63MHz
33MHz → Pentium 83MHz

 他の486は、コアクロックをバスの2倍(DX2 ODP)または3倍(DX4 ODP)にアップ

□ODP Home Page
http://www.intel.co.jp/jp/overdrive/index.htm
http://www.intel.com/overdrive/index.htm
【参考】
□Socket 7
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#Socket7


10月6日

■■アルプス、普通紙に2,400dpi相当の印刷ができるプリンタ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981006/alps.htm

マイクロドライ方式 (Micro Dry)

 アルプス電気が開発した、熱転写式のカラー印刷技術。
 同社のMDシリーズに採用されているプリンタの核となる技術の総称で、印字ヘッドの「Micro DOS(Deposition On Silicon)ヘッド」、熱制御チップの「Micro EC(Energy Controller)チップ」、「Micro CEC(Continuous tone Energy Controller)チップ」、インクの「Micro Dryインク」「MF(Media Flexible)インク」などから構成される。

 印刷の基本は、フルカラーモードと呼ばれている溶解型の熱転写方式で、顔料系の固形インクをコーティングした薄いプラスチックフィルムをヘッドで加熱し、紙の表面にインクを転写していく。溶解型熱転写方式では、階調表現をドットの疎密で行なうため、中間調の実質的な解像度が大幅に低下してしまうのだが(*1)、VD-Photoモード(VD~Variable Dot)と呼ばれるモードでは、ドット径そのものを16段階に変化させることができ、解像度の低下を最小限にとどめている。また、一部の機種ではフォトカラーモードと呼ばれる昇華型の印刷モードも用意されている。昇華型熱転写方式は、インクを気化して用紙に染み込ませる方式で、熱の加え方によってインクの量が調整できるため、階調表現をドット単位で行なうことができる。この場合には、中間調での解像度の低下はなく、Micro DOSヘッドが持つ600dpiでの印刷が可能となる。

(*1)単純な単色の明暗で考えると、8×8の64ドットを1ピクセルと見なすことによって、64レベルの中間調が表現できるようになるが、中間調の実質的な解像度は1/8に落ちてしまう。この様な、擬似階調を作り出した場合の実質的な解像度のことを線数といい、「線」、「LPI(Line Per Inch)」という単位で表す。この例では、プリンタの実解像度が600dpiなら線数は75lpiだが、各ドットが16レベルの階調を持つなら、4倍の線数が得られることになる。

・線数=実解像度÷中間調のレベルの平方根

各ドットが階調表現可能ならば、
・線数=実解像度÷{(中間調のレベル÷1ドットのレベル)の平方根}

【参考】
□熱転写方式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971216/key11.htm#thermal
□昇華型熱転写式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971105/key5.htm#thermal_prn
□インクジェット方式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971216/key11.htm#inkjet
□サイカラー方式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980903/key44.htm#Cycolor
□TA方式(Thermo-Autochrome)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980415/key26.htm#TA_method


10月7日

■■エレクトロニクスショー '98速報レポート その2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/ele_3.htm

MPEG-2
エムペグツー

 ISO/IECのワークグループ「Moving Picture ExpertsGroup」によって標準化された、4Mbps以上のビットレートで、現行のテレビ品質からスタジオ品質のHDTV(High Definition Television)までの動画再生をサポートする規格。'94年にISOの承認を得て、'95年に最初の国際標準規格(ISO/IEC13818)が発行されている。

 当初は、5~10Mbpsで現行のテレビ品質を実現する技術としてスタートし、高解像度のHDTV向けにはMPEG-3を予定していたのだが、後にMPEG-2に統合され、現在の規格になっている。規格は、MPEG-1をベースとした「System」、「Video」、「Audio」の主要な3つのパートとその拡張規格、インターフェイスなどを規定した10パートがリリース。DVDや衛星、地上波のデジタルTV放送などに使われている。

 主要3パートの概要は以下の通り。

□The MPEG Home Page
http://drogo.cselt.stet.it/mpeg/
【参考】
□MPEG-1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/key49.htm#MPEG-1
□MP3(MPEG 1 Audio Layer 3)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#mp3


10月8日

■■ダイジェスト・ニュース
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digest/

CD-DA(Compact Disc-Digital Audio)
シーディーディーエー

 一般的な音楽用のCD。CD-Audioとも。
 CD-DAは、ソニーとフィリップスが共同で開発し、'81年にリリースした規格で、デジタル化されたオーディオデータを、盤面の凹凸として記録。レーザー光を使って光学的に読み取って再生する。オーディオ信号は、サンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット16bitのPCM(Pulse Code Modulation)で符号化されたステレオ信号で、演奏時間は12センチ盤で最大77分、8センチ盤で21分50秒。収録可能なトラック数は最大99トラック(1トラックは4秒以上)で、各トラックに最大99ポイントのインデックスが設定できる(全体で1,740ポイントまで)。

 CD-DAには、音楽ソース以外にも様々なデータが扱える拡張規格が用意されており、「CD-G(CD Graphics)」や「CD-EG(CD Extended Graphics)」ではグラフィックスデータを(CD-Gは1枚、CD-EGは2枚)、「CD-MIDI」ではMIDIデータ、「CD TEXT」ではテキストデータ、「CD EXTRA」ではパソコンが扱うファイルをオーディオと一緒に収録することができる。

【参考】
□Red Book
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/key49.htm#Orangebook_part3
□PCM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980917/key46.htm#PCM
□CD TEXT
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980930/key48.htm#CDTEXT


10月9日

■■米Microsoft、Windows CE新バージョンを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981009/ms.htm

IMAP4(Internet Message Access Protocol Version 4)
アイマップフォー

 インターネットメールで使われる、サーバーのメールボックスにアクセスするためのプロトコル。
 現在使われているインターネットメールクライアントの多くは、メールを読み出す際にPOP(Post Office Protocol)というプロトコルを使用している。POPは、サーバーのスプールからメールを取り出して来るだけの単純なプロトコルであるため、メッセージの管理はすべてクライアント側にダウンロードし、ローカルで行なうことになる。これに対し、IMAPではサーバー側にフォルダを作成し、メッセージをサーバー上のフォルダに保存して管理する機能を提供する。ローカルで管理するのと違い、異なるクライアントを使うような場合でも、常に同じメールフォルダが利用できる。IMAPはこのほかにも、メッセージの検索機能やメッセージの部分的な取り出し/ 更新、フォルダの共有などの機能も提供する。

□RFC2060 INTERNET MESSAGE ACCESS PROTOCOL - VERSION 4rev1
ftp://ds.internic.net/rfc/rfc2060.txt

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp