エレクトロニクスショー '98が6日、インテックス大阪で開幕した。会場はHall 1～6A/Bまでと結構広いが、初日は招待日ということもあり、背広姿の人達でかなり混雑した。

　このイベントは、Hall 1～5までが電子部品/デバイスゾーンとされていることからもわかるように、展示内容は部品や、実装技術といったものがかなりの部分を占めている。

　その中から今回は、会場の概要とPC関連の注目される製品についてレポートする。

●液晶/プラズマディスプレイなど、表示デバイスが勢揃い

　会場全体を見渡してみて、まず目につくのは液晶ディスプレイと、プラズマディスプレイ。そういってもおかしくないぐらい、多くのメーカーが展示を行なっている。

　液晶はシャープや東芝、ソニー、松下、三洋などのおなじみのメーカーのほか、アルプスなどの部品メーカーが参考出品も含め、数多くの製品を展示している。また、ほとんどのメーカーが、反射型のカラー液晶も出品しており、もう反射型が特別な技術でないことを印象づけている。

　プラズマディスプレイも、PDP開発協議会がブースを出していることもあり、NEC、パイオニア、日立、富士通など多数のメーカーが、42インチ以上の大型の製品を展示。

　以上のように会場の中で目立つ液晶とプラズマディスプレイを横目に、注目を集めている新しいディスプレイがあった。それが有機EL方式のフルカラーディスプレイだ。これは、電圧を加えると発光する有機EL層を使用したもので、方式としては単色に発色する有機EL層にカラーフィルタを重ねたものや、RGBそれぞれに発光する有機材料を塗り分けたものがある。いずれも、自己発光のためバックライトがいらず、薄く作れることがメリットとなる。

　展示はNEC、出光、パイオニアの3社が行なっており、いずれも5インチで320×480ドット表示。原理的には大型化が可能だが、その場合は制御方式を現在のパッシブからTFTにする必要があるしている。なお、製品化は各社とも2000年以降と少し先の話になるが、次世代表示装置として期待できるデバイスだ。

■注目の新製品

　パソコン関連機器では、ソニーがDVD-RAMの対抗となると目される「DVD＋RWドライブ」を、フィリップスがRWの4倍速書き込みに対応したCD-R/RWドライブを参考出品していたことが目を引いた。また、NECでは太さが鉛筆程度のハンディカラースキャナが注目を集めていた。これは、PCカード経由で接続する製品で、来年度の早い時期に2万～2万5,000円程度での発売を目指しているという。

【ソニー、CD+RW】	【フィリップス、4倍速CD-RW】	【NEC、超小型スキャナ】

　PCカードスロットに直接差し込めるCBM（シチズン）の「データスリム」や、シャープの160×120ドット モノクロ液晶を搭載した携帯電話がかなりの人気を集めていた。この携帯電話はE-Mailの送受や、付属のタッチペンでの手書き入力機能などを備えている。

【CBM、データスリム】	【シャープ、SH601em】

□関連記事
【10/5】シチズン、液晶ディスプレイを備えたPCカード型PDA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981005/citizen.htm

■Hall 6A/Bでは新製品などを派手に展示

　前述の通り、Hall 1～5についてはデバイス系が中心なので少し地味な展示になっている。しかし、「プロダクツゾーン」と銘打たれたHall 6A/Bは一転、派手な展示が行なわれている。

　例えばカシオのブースでは「FIVA」、松下のブースでは「Let's note comm」といった発表されたばかりのノートPCの実機が展示されており、一般受けする内容になっている。各メーカーともプラズマディスプレイや、DVDなどを用いて映像を流しており、Hall 1～5とはかなり異質な雰囲気になっている。

□松下の出品内容
http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn981002-3/jn981002-3.html

　また、残念ながら8日からの開催なので見ることができなかったが、無料で参加で きる子供向けの「電子工作チャレンジ工房」も開かれる。

('98年10月6日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]