鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第48回:9月21日~9月25日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


9月22日

■■矢作晃の iMacと暮らす5つのツボ(最終回) Part5:Windowsと暮らすツボ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980922/imac_5.htm

ダイヤルアップルータ (dial-up router)

 電話回線などを使って遠隔地のネットワークに接続し、パケットの中継を行なうルータ。
 TCP/IPなどのプロトコルでは、ネットワークを示すネットワークアドレスと、ネットワーク内のホストを示すホストアドレスから成る論理的なアドレスを使用しており、このネットワークアドレスをもとに、ネットワーク間のパケット配送を効率よく行なうためのデバイスをルータという。通常のルータが、常に物理的に接続されたネットワーク間の中継を想定したものであるのに対し、ダイヤルアップルータは、伝送経路に電話回線やISDNを使用。外部のネットワークに中継すべきパケットを受け取った際に、予め設定された転送先に接続(ダイヤルアップ)して中継を行なうように作られている。

 高価な専用線を使わずに、ネットワーク間を接続できるダイヤルアップルータは、インターネットの普及にともない、小規模なオフィスや一般家庭向けの安価な製品が登場。通常の端末型ダイヤルアップIP接続の要領で、あたかもLAN型接続のように使えるということで人気を博している。


9月24日

■■コンパル、USB対応のビデオキャプチャボックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/compal.htm

AVIファイル (AVI~Audio Video Interleaved)
エーブイアイ、アビ

 Video for Windows(VfW)用のファイルフォーマット。
 VfWは、Microsotfが'92年に開発したWindows 3.1上で動画を扱うためのマルチメディアサービスで(Windows 95からは標準搭載)、その動画記録用のファイルフォーマットがAVIである。

 このAVIファイルは、RIFF(Resource Interchange File Format)というさまざまなメディアを格納するためのベースとなるフォーマットの中に、シーケンシャルに並べた静止画(ビデオストリーム)とWAVE形式(*1)のオーディオストリームを格納したもので、動画と音声の同期再生をたやすくするために、ビデオストリームとオーディオストリームを交互に折り混ぜた構造にできるところから、この名前が付けられている。各ストリームは複数持たせることができ、多国語対応のビデオ等の作成も可能。1つのファイルは、RIFFの仕様上4GBまで、マルチメディアエンジンの仕様上2GB(16bitのエンジンは1GB)までに制限される。

 なお、Video for Windowsに代わる新しいエンジン(VfWとは別のサービス)として、Microsoftは'96年にActiveMovieをリリース。'97年のVer.2からはDirectShowという名に変わり、録画を含むVideo for Windowsの全機能を網羅。ビデオ以外のデータの格納(*2)や、ファイルサイズの制限を撤廃したASF(Advanced Streaming Format)(*3)という新しいファイルフォーマットも規定している。

*1:Windowsのサウンドファイルとして使われているフォーマット。
*2:AVIには、QuickTimeのような持続時間という概念は無く、ストリームを絶対時間(1フレームの時間)で管理しているため、テキストや静止画などの異なる時間管理が必要なデータを扱う標準的な方法がない(勝手に格納することは可能)。
*3:ActiveMovie時代にはASF(Active Streaming Format)と呼んでいたもので、RIFFがデータサイズを32bitで管理していたのに対し、64bitで管理。さまざまなメディアに合せたプロパティが用意され、時間軸に沿った制御が行なえるようになっている。


■■松下、Macintoshに対応したDVD-RAMドライブほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/pana2.htm

HFS(Hierarchical File System)
HFS+(HFS Plus)
エイチエフエス、エイチエフエスプラス

 Macintoshで使われているファイルシステム。
 初期のMacintoshに使われていたファイルシステム(MFS~Macintosh File System)が、フラットなファイルシステムを使用していたのに対し、HFSは「hierarchical」が示すように、階層構造をサポートしたファイルシステムである。HFSでは、ディスクを1つ以上のロジカルブロック(Windowsでいうセクタ)をまとめた、アロケーションブロック(Windowsでいうクラスタ)という単位で管理しているが、HFSでは管理情報が16bitだったため、最大65,535ブロックまでしか管理することができなかった。

 Mac OS 8.1からは、管理情報を32bitに拡張したHFS+を採用。管理可能なアロケーションブロック数が増えることにより、管理可能な最大ボリュームサイズは4GBから2TB(テラバイト)に増大。これを、従来よりも小さなアロケーションブロックサイズで扱えるようになっている。ファイル名にはUnicodeが採用され、使用可能な文字数もこれまでの31文字から255文字に拡張。ファイルやフォルダに対するパーミッション情報なども持たすことが可能である。

 なお、HFS+を使用するための「Mac OS拡張フォーマット(Mac OS Extended Volume Format)」では、デフォルトで以下のようなアロケーションサイズが採用される。

ボリュームサイズアロケーションサイズ
~256MB512B
256MB~512MB1KB
512MB~ 1GB2KB
1GB~4KB

□Inside Macintosh
http://developer.apple.com/techpubs/mac/mac.html


■■フリーウェイ、Slot 1/Slot 2共用のマザーボード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/fwy.htm

Slot 2
スロットツー

 Pentium II Xeonで使われている、CPUを装着するためのコネクタ。
 Pentium IIでは、これまでのPGAパッケージに代わり、SECC (Single Edge Contact Cartridge)やSEPP (Single Edge Processor Package)と呼ばれる、基板上にCPUを実装したパッケージデザインを採用。これにともない、装着用のコネクタは従来のソケットタイプから、シングルエッジコネクタを差し込むためのスロットタイプに変更されている。

 Pentium IIやCeleronが使用する「Slot 1」が、242接点のコネクタであるのに対し、Xeonでは、330接点のコネクタを使用。これを「Slot 2」と呼んでいる。


9月25日

■■ダイジェスト・ニュース '98年9月25日分
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digest/

CD TEXT
シーディーテキスト

 ソニーが開発し、'96年にCD-DA(Compact Disc-Digital Audio)の規格書「Red Book」に盛り込まれた、通常のオーディオCDに文字情報を記録するための規格。

 アルバムタイトルや曲名、アーチスト名などの文字情報を、一定のフォーマットに従って記録する規格で、TOC(*1)の未使用領域(*2)を使用して、約6,000バイトの文字を格納することができる。文字情報は多国語に対応しており、容量の範囲内であれば最大8言語を収録可能。日本語の場合には、シフトJISコードが使われている。

 記録された文字情報は、対応プレーヤーを使って表示したり、MD(Mini Disc)等にコピーすることができるが(コピーを禁止することも可能)、ディスクそのものは、未対応のプレーヤーでも通常の音楽CDとして再生することができる。

*1:TOC(Table Of Contents)は、ディスクの最内周にある演奏時間等のメニュー情報が記録された部分。
*1:CDのセクタには、データを記録する領域のほかに、P、Q、R~Wの8チャンネル分のサブコードエリアが設けられている。PチャンネルとQチャンネルは、それぞれ曲の頭出し信号用、曲番や時間情報の記録用となっているが、R~Wチャンネルは未使用領域になっており、CD TEXTはこの部分にデータを記録している。同じサブコードを使うものに、画像データを記録するCD-Gがあるが、こちらは各トラックのR~Wを使用しているので、CD TEXTと併用しても問題は無い。

□CD TEXT(ソニー)
http://www.sony.co.jp/TechnoGarage/cd_text/index.html

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp