WORLD PC EXPO98 レポート アプリケーション編

数多くの最新アプリケーションを展示

全景 開催地:幕張メッセ
会期:9月30日~10月3日

 今回のWORLD PC EXPO98では、この秋から冬にかけて発売が予定されている数多くのアプリケーションソフトが展示されていた。「Illustrator 8.0」「一太郎9」などのビッグタイトルはもちろんのこと、ウイルス対策ソフト、地図ソフト、ハードディスク管理ユーティリティなどツール系のソフトもかなりの人気で、来場者が数多く立ち寄っていた。

 ソフトウェアに関しては、ホール5が“ソフトウェアゾーン”として割り振られているが、ジャストシステムやシマンテックなどはインターネット/モバイルゾーンにブースがあるなど、ソフトメーカーのブースは、ホール1からホール5の間に点在する形となっている。



●ポストペット最新版「PostPet2001」を発表

ソネットブース
PostPet2001
ログハウス
ソネットブース PostPet2001 PostPet2001パッケージ
モモちゃんとプリクラに人気集中。ソネットブース 初回限定版にはマスコットが付属。4種類のパッケージが用意される 自分の部屋を作ってインターネット上で公開できる「ログハウス」



 昨年末に発売されて以来、新しいコミュニケーションツールとして大ヒットを記録した「ポストペット」。ペットが手紙を運んできてくれるという遊び心溢れるアイディアが、これまでのインターネットツールとは違った印象を与えたようだ。
 今回のWORLD PC EXPO98ではSo-netのブースで、同ソフトの人気キャラクタ“モモ”ちゃんのぬいぐるみが一緒に、特別仕様のプリクラを撮ってくれるというイベントを行なっていた。これは事前に整理券が必要なので、撮りたい人は朝一番に立ち寄った方が良いかも。

 また、会場近くのホテルではポストペットの新バージョン「PostPet2001」が発表された。これまでのキャラクターに加え、ひみつメカ「シンゴ」、ビッグマウスハムスター「じんぱち」、フクロウペンギン「ウシェ」、イヌ「ジョン」といった4体のキャラクタが追加された。いずれもかわいらしいが、“じんぱち”はハムスターだけに寿命が短いなど、各キャラにそれぞれ特徴が設定されている。この他新しいフィーチャーとしては、“おもちゃ”の要素が加えられた。これはバナナ、レコードプレーヤー、モモぬいS(モモのぬいぐるみ)の3点で、部屋に置くとキャラクターが遊ぶというもの。バナナを置くと転んだりして、なかなか洒落っけがある。また、おもちゃはおやつなどと同じく、どんどん追加されると言う。また、部屋のグラフィックも、漫画家やマルチメディアアーチストによって一新されている。

 今回新しいキャラクターが追加されているが、PostPet2001から従来バージョンに手紙を出した場合、従来バージョンにないキャラクターの場合、どのように表示されるかが問題。この場合UNKNOWNという袋をかぶったキャラクタが登場するという。

 気になる発売時期は、マスコット人形の付いた初回限定のスペシャルパッケージが12月12日に5,980円で、ソフトのみの通常版は12月25日に3,980円で発売される。クリスマスプレゼントにちょうど良いかもしれない。

 このほかに、インターネット上に自分の部屋を自由に作ることができるソフト「ログハウス」が発表されていた。開発元はテラネットプロダクトで、発売は'99年1月21日とちょっと先だが、会場では体験版のCD-ROMをかなり配っている。
 パーツがたくさん用意されているので、同じ部屋は出来ないとしている。他人の部屋に行くことはもちろん、メールを出す、チャットなども利用できる。

PostPet2001
新キャラその1 新キャラその2 新キャラその3
新キャラとなるイヌ「ジョン」 ビッグマウスハムスター「じんぱち」 ひみつメカ「シンゴ」
(C)1996-1998 Sony Communication Network Corporation. All rights reserved.



□So-netの展示内容
http://www.so-net.ne.jp/So-netNow/wpexpo98/
□PostPet 2001 のごあんない
http://www.so-net.or.jp/postpet/news/2001/index.html


●「Illustrator 8.0」「一太郎9」など各社ビッグタイトルを展示

アドビシステムズ
ジャストシステム
アドビ・メイン アドビ・サブ ジャスト・メイン ジャスト内部
アドビシステムズのメインステージ。中心は「Illustrator 8.0」 サブステージで「Photoshop 5.0」をプレゼン。相変わらずの人気 「一太郎9」「花子9」を出展し、大盛況だったジャストシステム 数多くの人が一太郎9に興味を示していた



 大手ソフトウェアで特に目を引いたのは、11月に発売となる「Illustrator 8.0」や、「PhotoDeluxe 3.0 for ファミリー / for ビジネス」をメインステージでプレゼンテーションしていたアドビシステムズと、「一太郎9」「花子9」を出展したジャストシステム。両社共に看板ソフトの最新バージョンを発表しただけあって、来場者の興味の度合いも高かった。

 ところが展示内容は全く違っている点が面白い。アドビシステムズは同社の最近の出展方法に沿っていて、会場では大小取り混ぜたステージで、流れるようなプレゼンテーションを展開。集まった来場者にアンケートに答えてもらって、デモ版を配付するというメーカーからユーザーに一方的に説明するスタイル。今回も基本的には会場で触って質問するということは残念ながら出来なかった。

 Illustrator 8.0に関しては、プロのテクニックをより簡単なステップで実現できる点を強調。ユーザーが自由に登録できるブラシ機能の強化や、簡単にグラデーションを作成できるグラデーションメッシュツールを実演を交えて説明していた。

 一方、ジャストシステムはブース内部に狭いながらも説明員を配置し、来場者の質問に答えていた。同社の最近の展示内容としては、他社との比較広告など奇抜な展開が目立っていたが、今回は、同社の自信作を出展出来たことで、製品の紹介に終始する内容となっていた。

□アドビシステムズの展示内容
http://www.adobe.co.jp/whatsnew/events/PC98/index.html
□ジャストシステムの展示内容
http://www.justsystem.co.jp/news/event/98wpe/top.html


●ウイルス対策ソフト、ハードディスクユーティリティなどツール系も人気を集める

クォーターデック
トレンドマイクロ
アルプス社
日本IBM
QUARTERDECK トレンドマイクロ アルプス社 日本IBM
「PARTITION・IT」など人気のハードディスク管理ツールを展示 ウイルスに感染したマシン2台で体験コーナーを設置 10月3日に発売となる地図ソフト「ジオアトラス」の制限版を販売 「ViaVoice」が人気。ホームページビルダーの最新版も展示



 ハードディスク管理ユーティリティ、ウイルス対策ソフトなどツール系のソフトや、地図ソフトなどのビジネスに利用できるソフトが人気だった。

 パーティションの分割やクラスターサイズの設定、FAT32への切替などが比較的簡単にできるソフト「PARTITION・IT」や、不要なプログラムやファイルを消去する「CLEANSWEEP」の最新版を展示していたクォーターデック。比較的小さなステージで説明を行なっていたが、FAT16に比べてFAT32の優位性を説明しながらも、FAT32を使用することでウイルス対策ソフトが使用できなくなるなどのマイナス点も細かく説明していた。
 クォーターデックのブースで面白いかったのは、クォーターデックのツール系の展示と、ウィニングラン・ソフトウェアが提供するグラフィック系のソフトの展示を左右に区切って全く切り離していたこと。来場者の集まり具合は断然ツール系の方が上。同じブースでも明暗がくっきり現われた感じだ。

 ナースルックのコンパニオンを配することで、すっかり定着した感のあるトレンドマイクロ。今回はウイルス対策ソフトの最新バージョン「ウイルスバスター98」を展示。今回も実際に最新のウイルスに感染したマシンを2台用意し、ユーザーが実際にウイルスを駆除する体験コーナーを設置していた。
 また、「NORTON AntiVirus」を発売しているシマンテックは、iMacを設置し、「最新マッキントッシュに対応」と大きく宣伝。

 ExcelやWord、Outlookなど他のソフトと連携することで、最近とみにビジネス分野において有用性を増してきたのが地図ソフトだ。今回も来場者の興味を引いていた。
 地図データを持つアルプス社は10月3日に発売される「ジオアトラス」シリーズ(東京23区、名古屋市、大阪市。各12,800円)を展示。この製品は「タウンページデータベース」と連動しており、検索が簡単に行なえるというもの。会場では千代田区、中央区、港区の地域限定版を1,000円で販売。この限定版には優待券が付いており、製品版を45%引きで購入することができる。
 目的地までの交通手段や運賃を一発で検索してくれるソフト「駅すぱあと」の最新版がヴァル研究所で展示されていた。これは12月に発売が予定されているもので、今回新たに、東京都営バス、大阪市営バス、名古屋市営バスのバス路線探索機能が追加されている。

 日本IBMはソフトウェアにもかなり力を入れているが、今回もViaVoiceを中心に各種アプリケーションを展示していた。ViaVoiceの人気は相変わらずだが、今回、新たに目に付いたのは、参考出品されていた「ホームページ・ビルダー2000」と「インターネット 翻訳の王様 バージョン3.0」。インターネット 翻訳の王様は翻訳エンジンを新たに開発したとしている。

□クォーターデックの展示内容
http://www.winningrun.co.jp/japanese/whatsnew/whatsnew_contents/wpc98/pcexpo98.htm
□アルプス社の展示内容
http://www.alpsmap.co.jp/misc/wpc98/index.html
□ヴァル研究所の展示内容
http://www.val.co.jp/news/1998/0903.htm
□日本IBMの展示内容
http://www.ibm.co.jp/News/leads/980925/


●マルチメディア系ソフトも元気

 このほかにもマルチメディア系のCD-ROMソフトも、マルチメディアコンテンツゾーンが設置されていたこともあって、多数出展されていた。

 また、マイクロソフトのブースは全体的に新規要素が少なかったが、百科事典ソフト「Encyclopedia」の最新版「Encyclopedia 99」と、地球儀、世界地図ソフト「ワールドアトラス 99」が参考出品として並んで展示されていた。ワールドアトラス 99では、空を飛びながら視界角度などを変え、地形を確認できるバーチャルフライト機能など大幅に新機能が追加されている。発売は未定。


□WORLD PC EXPO98ホームページ
http://wpc98.nikkeibp.co.jp/

('98/9/30)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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