ウエアラブル・パソコンを装着したところ |
ウエアラブル・パソコンとは、ヘッドホンステレオサイズの本体、小型コントローラ、マイクロディスプレイの3点から構成される小型パソコン。コントローラにはトラックポイント、マイクが備えられる。
機能的にはThinkPad 560Xと同程度とされ、MMX Pentium 233MHz、メモリ64MBなどを搭載し、ハードディスクは10日に同社から発表されたmicrodrive 340MBを採用。ビデオチップはNeoMagicのMagicGraph 128XDで、解像度は320×240ドットのモノクロだが、来年前半には800×600ドットでカラー化できるとしている。OSはWindows 95/98に対応しており、アプリケーションも現在のパソコンで使われているものは問題なく動作するという。インターフェイスはUSBが採用され、コンパクトフラッシュのスロットがひとつ用意されている。
文字入力は、同社の音声入力ソフト「ViaVoice Gold 日本語版」がインストールされており、小型コントローラに搭載されたマイクから音声入力することによって行なう。USBポートにキーボードを繋げて入力することも可能。
マイクロディスプレイは、ポリシリコンを使ったバックライト式のTFT液晶を採用。2m先に26インチ相当のディスプレイがあるのと同等の大きさという。
液晶は顔に対して垂直に設置され、プラスチックのプリズムによって前面に見えるようになっており、風景が画面の先に透けて見える。装着した感じとしては、大変軽く、画質も良好だった。
今回発表された試作機は、先端技術を結集することで小型化を実現してはいるが、現実的なレベルでの構成となっている。
日本IBMでは、このウエアラブル・パソコンの使用用途について「通勤途中にメールのチェックを行なうなどの現行のノートパソコンの代替以外に、整備士などが、設計図などを見ながら作業を行なうことができるようになる」としている。また、製品化の目処については「技術的には'99年の後半には可能となるが、製品化についてはユーザーの需要による。価格は液晶がないだけにノートパソコンより安く仕上げることができるのではないか」という。
ウエアラブル・パソコンセット一式 | 側面にあるのがコンパクトフラッシュ・スロット。手前にあるのがUSBポート | スケルトンボディなので内部がうっすらと見える |
会場で配られた内部解説資料 | ポインティングデバイス、マイクを一体化した小型コントローラ |
【主な仕様】
□日本IBMのホームページ
(9月11日現在、この製品のニュースは掲載されていない)
http://www.ibm.co.jp/
□IBM総合フェア'98のページ
http://www.ibm.co.jp/event/sougou98
□関連記事
【9月10日】IBM、コンパクトフラッシュType2に対応した超小型HDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980910/ibmhdd.htm
('98年9月11日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]