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インテル株式会社は30日、StrongARMへの取り組みと、同社での位置づけについての記者説明を行なった。なお、この説明会は、米Intelが27日(現地時間)に発表した内容を、日本の記者向けに説明するために開かれたもの。
StrongARMは、英Advanced RISC Machines(ARM)が開発したARMアーキテクチャをもとに、米Digital Equipment Corporation(DEC)がアーキテクチャライセンスを受けて高性能化した組み込み用MPUで、PDA「MessagePad 2000」などでも使用されている。Intelは今年DECの半導体部門の買収を完了し、ARMとライセンスを契約を結んだことで、StrongARMの開発、生産をDECから引き継いだ。
今回の説明会では、インテルのStrongARM製品アジア・パシフィック/日本担当セールス・ディレクタのジョー・ラヴェル氏が説明に立ち、StrongARMがPentiumなどのPC向けインテル・アーキテクチャ(IA)製品と、組込用のi960アーキテクチャを補完する製品であることを強調した。製品的にはH/PCなど「スマート・ハンドヘルド端末」、デジタルテレビのセットトップコンピュータといった「インターネット端末」、RAIDカードなどの「組込み型コントローラ」に焦点を合わせるという。また、StrongARMを同社の重要な戦略商品であるとして、次のSA2の設計チームは編成を完了しており、SA3は設計チームの編成を開始したと述べた。
DECからIntelに移っても、開発陣を含め基本的な技術的戦略について変更はなく、注文に応じたカスタマイズについても現在のところ予定はないとしている。Intelへ移行したことのメリットについて、ラヴェル氏は「Intelの優れた生産能力やブランド力、販売チャネルの幅広さなど」をあげ、マーケット的な意味合いを強調した。また、ラヴェル氏は元DECの社員であり「StrongARMは、技術的にも製品としての魅力も十分にあると思っていたが、DECがStrongARMにどれだけ投資できるか疑問があった。しかし、Intelに移ったことでその心配が解消された」とも述べた。
「StrongARMを生産している工場はどこか?」という質問に対しては「現在StrongARMは、マサチューセッツにある元DECのファブ6(現Intelのファブ17)で全て生産している。しかしSA2については、Intelのどのファブでも生産できるように設計している」と回答した。これは、主力製品であるPentium系統が0.25μmやそれ以下での製造プロセスに移行することで空いてしまうIntelの製造設備を活用でき、製造コストが下げられることを意味している。
□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press98/980728.htm
('98/7/30)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]