【業界動向】 |
米司法省とカリフォルニア、ニューヨークなど約20州の司法当局は現地時間の13日、米Microsoft社を独占禁止法違反で新たに提訴することを決めた。14日にリノ司法長官が正式発表する。
米東部の州当局者によると、司法省などは、MicrosoftがInternet Explorerを組み込んで発売する「Windows 98」を標的とし、同社が基本ソフトでの優位を利用してブラウザ市場を支配するのを阻むのが狙いとしている。
提訴に参加する州の間では、裁判を通じOS市場をほぼ独占するMicrosoftの企業分割を目指す動きも浮上しており、司法当局と同社の対立は一段と深刻な局面を迎える。
現行の「Windows 95」とInternet Explorerの抱き合わせ販売問題で、ワシントン連邦地裁は'97年12月にMicrosoftに販売停止を命じる仮決定を下したが、連邦高裁は今月12日、初めからInternet Explorerを組み込んだ「Windows 98」の発売は容認する判断を示した。
新たな提訴で司法省・州当局は、Internet Explorerを除いた「Windows 98」を並行して販売することをあらためて求めるとみられる。同時に、州当局の一部は「巨大化したMicrosoftの市場支配力を抑制するための措置が必要」と主張し、企業分割に向けた足掛かりをつくることも検討している。
なお、当初訴訟の原告側に加わっていたテキサス州は、今回の提訴に加わらないことを明らかにした。
同州のモラレス司法長官の声明によると、同州に本拠地を置く複数のコンピュータ企業が訴訟の悪影響を懸念したためという。同州にはパソコン大手の米Compaq Computer社、米Dell Computer社の本社がある。
□米司法省のホームページ(英文)
http://www.usdoj.gov/
□米Microsoft社のホームページ(英文)
(5月14日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.microsoft.com/
□関連記事
【5/12】米司法省と州、独禁法でWindows 98提訴を検討
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980512/ms.htm
【5/13】米連邦控訴裁判所「Windows 95とIEの仮差止命令はWindows 98に適用すべきでない」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/ms.htm
('98/5/14)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]