【イベント】

COMDEX/Spring '98会場レポート

その3:そのほか編

USBドングル、CD名刺、キーボードパソコンなど

'98/4/20~4/23開催(現地時間)
開催地:シカゴ

 今回のCOMDEX/Spring'98では、全体的な盛り上がりという点では今一つだったが、細かいところでは興味深い製品も多かった。今回は、それらをまとめてレポートしよう。


●USBドングル

USBドングル  USBの新しい利用法として、「USBHasp」という製品が出展されていた。これは、俗にドングルと呼ばれているもので、ソフトウェアの正規ユーザーであることを確認するためのアダプタ。これまではパラレルポートにつける製品がほとんどだったが、この「USBHasp」はUSBポートに接続するため、USBポートがたくさんあれば、ドングルが必要なソフトが複数あっても抜き差し不要になるなど、使い勝手が向上するという。

 同社では、現行のパラレルポート版ドングルの出荷先として、DTPソフトで有名なQuark社や、NTT、IBMなどの大手メーカーをあげており、「これからは、そういったメーカーも含めて、徐々にUSB版に切り替わっていくことになるだろう」と説明している。

□製品情報
http://www.aks.com/hasp/family/usb.htm


●CD名刺「CarD」

CarD  スイスのメディアメーカー ADIVAN HighTechのブースでは、なんとCD-ROMドライブで読み取り可能な「名刺」を展示していた。この「名刺」、サイズはクレジットカードとほぼ同じで、中心に穴があいていることと、CDと同材質でできているという点を除けば、一般のカードと外観的にはさして変わらない。形は、もちろん四角い。

 CD-ROMドライブで読む際には、裏面の突起を8cm CD-ROM用の溝に合わせてトレイにセットするとのこと。
 「本当に読めるの?」とも思ってしまうこの製品、18MBのデータが入るそうで、実際にノートパソコンを使ったデモも行なわれていた。価格は3,000枚生産時で1枚2ドル。

□ADIVAN HighTechのホームページ
(4月27日現在、製作中)
http://www.adivan.com/


●PC内蔵キーボード

 '96年に486互換CPUを搭載した「PC内蔵キーボード」というものを紹介したことがあったが、今回のCOMDEX/Spring'98ではPentiumを搭載したPC内蔵キーボードが出展されていた。Jamicon製の「SPACESTATION」という製品だ。

 厚さ最大60mmというキーボードの中に、ビデオチップ搭載マザーボードとFDD、HDDなどが組み込んであり、単体での動作が可能。ネットワークインターフェイス(10BASE-T)も装備しているので、ネットワーク上のクライアントとして最適だとか。驚いたことにISAの拡張スロットも1スロット持っている。

 同社では、さらにCD-ROMやLCDインターフェイス、PCカードスロット、タッチパッドまでも搭載した次世代製品「SPACESTATION II」も計画中で、第2四半期の中頃には発売するそうだ。

 なお、残念ながら両製品ともOEM向けのみで、一般ユーザー向けのキット販売などは考えていないとのこと。

□Jamiconのホームページ
(4月27日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.jamicon.com/
□関連記事
【'96/9/3】Webで見つけた変なモノ(キーボード型オールインワンパソコン)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960903/webhen.htm


●プロジェクタ対応タッチパネル

SMART Board  カナダのSMART Technologies社では、会議室などで便利そうなタッチパネル付きの大型モニタ各種を展示中。ただし、展示ブースの中心にある製品はちょっと変わっている。
 「SMART Board」と名づけられたこの製品、それ自体には表示能力はなく、いわば「タッチパネル付きホワイトボード」とでも言えるもの。使用の際には、別売りの液晶プロジェクタで画像を投影する必要があるとのこと。

 しかし、入力のためにスクリーンにタッチすると、画像は当然見えなくなるわけで、どうもプロジェクタとタッチパネルは相性が悪いような気もしないでもない。
 対角58.25インチ(128.3cm(W)×104.1cm(H))の「SMART Board 360」で2,400ドル。

□製品情報
http://www.smarttech.com/prod_home.htm


●WebTVを家中どこでも使いたい人に

 Windmaster Manufacturingでは「家中どこでもWebTVが使える」というWebTV用キーボード向けアダプタ「BLACK WIDOW」を出展した。
 これは、キーボード側の赤外線送信部と本体側の赤外線受光部にアダプタを取り付け、電波でデータをやりとりするというもの。宣伝文句としては「階段を上り下りしながらでも使えます」などと書いてある。
 同社では、同じ原理のTVリモコン向け製品も発売中。

□Windmaster Manufacturingのホームページ
(4月27日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.windmaster.com/


●電波でログイン

SMART Board SMART Board  同じく電波を使ったものとして、セキュリティガード用の「AIR ID」という製品がRFIDEASから出展されていた。これは、簡単に言えば「電波ログインユニット」。
 専用の電波発信カードと組になっており、カードが近くにないときは、セキュリティ保護されたスクリーンセーバーが起動されるという仕組みになっている。

□製品情報
http://www.rfideas.com/SystemOverview.htm


●マルチキャストでHDDコピー

SMART Board  Binary Research社の「Ghost」はマルチキャストに対応したHDDコピーソフト。マルチキャストを使用しているため、何台ものパソコンに同じ内容を転送する際でも、1台と同じ時間しかかからないという。
 ちなみに、製品パッケージは「GHOST」のマスコット人形入りとのこと。

□製品情報
http://ghostsoft.com/main.htm


●パソコンの冷却はこれでOK?

 T. S. MicroTechでは、自社製のパソコン冷却カード「FanCard-II」を展示即売していた。これは、通常のサウンドカードやLANカードに、空気循環用のファンを搭載した製品。空きスロットに搭載するファンは秋葉原ではよく見られるが、コンボカードというのは珍しい。

□製品情報
http://www.fancard.com/prod01.htm

('98/4/27)

[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp