春だ! ノートPCをパワーアップしよう!! その1

~ノートPCアップグレードの実際~


●はじめに

 現在、完成品としてはデスクトップPCよりも、ノートPCの方が人気が高い。これは、ノートPCの方が製品としての完成度が高く、オールインワンで初心者にも買いやすいからだと考えられる。しかしその反面、ノートPCはデスクトップPCよりも、拡張性の面では劣る部分がある。

 HDDは使いつづけている間に容量が手狭になってくることが多い。また、CPUパワーなどにも不足を感じてくることもある。そんなときに、デスクトップPCのように簡単にアップグレードできない。そこが、ノートPCの弱点の一つとなっている。そこで、ノートPCのアップグレードを2回に分けて取り上げる。

 第1回目の今回は、ノートPCパワーアップの実際と、アップグレードサービスを行なっている業者を紹介する。そして、明日の第2回では、自分でHDDを換装する場合の注意点や、ThinkPad 535のHDD換装の実例などを掲載する。


●ノートPCパワーアップの実際

 ノートPCのハードウェア的な増強で考えられる、主要なものは以下の3種類がある。

  1. HDDの増量
  2. CPUのクロックアップ、および換装
  3. PCカードの活用
 このほかにも、キャッシュやVRAMの増設なども考えられるが、必要な技術や費用に比べると改造の効果はあまり大きくない。

 ここで、1番目と2番目の項目は改造にあたり、ほとんどの場合メーカーの保証が効かなくなる。ただし例外として、日本IBMやソニー、東芝などでは、メーカー自らが特定機種のHDDの換装などのサービスを行なっており、対象製品のユーザーならこういったサービスを受けるのが一番安心できるだろう。

 また、改造を受け付けている専門の業者に依頼する方法もある。この場合は、メーカーのサービスに比べ、対応する機種が多いことや、安くすむ点が利点となる。しかし、各業者独自の保証をつけているとはいえ、製造メーカーの保証は受けられなくなる。その点では、多少の不安が残る。

 そのほかには、自分で改造する方法がある。当然この場合工賃がかからないので業者に頼むより安くできる。ただし、保証はまったくなくなるので、全てにおいて自己責任で行なう必要がある。特に、CPU換装や、クロックアップについては、技術的にも、工具的にもかなり高度になるので自分で行なうのはかなり難しい。しかし、HDDの交換の方はそれほど難しくはないので、“とにかく安く上げたい”というユーザーにとってはかなり魅力的な選択肢となる。

 今回は、メーカーのサービスは各メーカーのWebを見ていただくとして、業者の紹介と、自分でHDDを交換する際の大まかな手順を紹介する。

□日本IBMの「PC DOCKホーム・ページ」
http://www.ibm.co.jp/jpccinfo/pcdock/
□ソニーのPCG-505のHDDアップグレードサービス
http://www.ittrc.sony.co.jp/products/note/pcg-505/hddupsvc/
□東芝のパソコンアップグレード有償サービス
http://www2.toshiba.co.jp/pc/upgrade/upg1.htm


●業者に依頼する場合

 自分で改造する技術がない、あるいは、自分でするには不安があるという人は、業者に頼むことになる。また、たとえ技術があったとしても、地方に住んでいる場合、パーツの方がなかなか手に入らないことが多いので、そういったときにもこういった業者を利用するといいだろう。実際に改造を請け負っている業者というのはあまり多くはないが、今回は、地方からの注文も受け付けている秋葉原の代表的な2店を紹介する。

 両ショップとも、今はCPUの換装はあまり多くなく、HDDの換装依頼が多いとのこと。また、HDDの換装時には、オプションとなっているデータ転送も併せて依頼する人が6割以上を占めているという。


 明日の第2回目では、自分でHDDを換装する場合の注意点や、ThinkPad 535のHDD換装の実例などを掲載します。ご期待ください。


('98/3/24)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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