【イベント】

デジタルなおもちゃで満載

'98東京おもちゃショー会場レポート
「ドラえもんっち」など携帯型ミニゲーム機おおはやり!

会場前 会場:東京ビッグサイト
開催期間:3月18日~20日(業者商談日)21日~22日(一般公開日)



 国内外のおもちゃメーカーが一同に会して、新作おもちゃの展示を行なう、子供にとっては天国のような、でも売ってくれないからやっぱり地獄のような、「'98東京おもちゃショー」がビッグサイトで3月18日から開催されている。20日(金)までは業者商談日で、一般に開放されるのは、この週末、21日~22日の二日間。

 今回の「おもちゃショー」の傾向を簡単に説明すると、ズバリ! 以下のように分類される。

 といったところか。大手おもちゃメーカーのブースは、これらの要素をほぼ網羅した形となっている。
 今回のレポートでは、携帯型ミニゲーム機やデジタル系のおもちゃの最新動向を取材した。

■時代は「デジモン」? 進化する携帯ゲーム機

ドラえもんっち hspace=
かたちもカワイイ“ドラえもんっち”
 とにかくどのブースに行っても目に付くのが、携帯型ミニゲーム機のコーナー。「たまごっち」の大ヒットにはじまり、アメリカの巨大おもちゃチェーン店トイザ“ら”スのCEOが「我が社の今期決算が史上最高額を記録できたのは、携帯電子ペットブームが貢献している」と分析しているなど、「携帯ミニゲーム機ブーム」は全世界的なムーブメントのようだ。ということもあって、今回のおもちゃショーでも、新しいものから、柳の下の何匹目? といった亜流のものまで千差万別、かなりの数が出展されていた。

 やっぱり最初は、元祖携帯ミニゲームのバンダイが擁する「たまごっち」シリーズ。今回も新シリーズを続々と投入しており、「大丈夫だろうか?」といった心配をよそに順調に販売数を伸ばしているようだ。
 今回、出展されていたシリーズ物を見ると、正当な発展系のシリーズのほかに、既存のキャラクターものがかなりフィーチャーされている。そのうちのひとつが、すでにご存知の方も多いと思われる中村玉緒のマネージャーを務めるという「玉緒っち」だ。今人気の中村玉緒をフィーチャーしただけに来場者の関心も高かったようだ。そして、6月下旬の発売が予定されている「ドラえもんっち」。形はドラえもんの顔になっていて口が液晶になっている。ゲームは、ドラえもんの世話をして、機嫌をとること。ドラえもんは機嫌が良いと、ひみつ道具を出してくれるので、これをコレクションする楽しみもある。形もかわいいので、けっこうウケるのではないだろうか? このほかでは49mmと、ちょっと大き目の据え置き型たまごっち「やさしいたまごっち」も出展されていた。

 そして、バンダイが最も注目している商品。それが「デジタルモンスター」こと、“デジモン”だ。なにせ、業者向けのプレゼンテーションでも真っ先に取り上げられるほどの力の入れようで、たまごっちの次期主力製品として育てていこうという姿勢が伺える。現在、Ver.1~3までが発売中だが、5月にはVer.4が発売される。
 デジタルモンスター系では「おばきっど」という新製品も控えている。これはハドソンの「てくてくエンジェル」や任天堂の「ポケットピカチュウ」同様、歩数計算機能付きゲーム機だ。ゲーム内容は日本全国に点在する妖怪を捕まえて「おばきっどファイル」を完成させることだ。もちろん捕まえた妖怪で対戦することも可能。で、日本各地を妖怪を探して歩くのだが、ここで歩数計算機能を使っているわけだ。「おばきっど」は“妖機道”“怪機道”の2バージョンが用意されており、もちろん登場する妖怪も違うという。ここらへんはポケットモンスターが入ってますな。発売は7月で3,500円。

 バンダイだけでも、まだまだ注目ゲームが展示されていた。ひとつは6月発売の「おねがいプランクトン」。かたちはシャーペンのように細長く、片方はボールペンのようにノックできる仕組みになっている。遊び方は、タイミングよくカチカチやって、プランクトンを捕まえ、進化させるというもの。ただしこのゲームのポイントは、進化すると貰える“ハッピーポイント”によって、占いができるという点。もちろんOL、女子高生ねらいであることは間違いない。
 もうひとつは9月頃発売予定とちょっと先になるが、これまでにない携帯ゲームとなる「オトゲー」だ。この製品は読んで字のごとし、液晶がなく、ヘッドホンを装着して音だけで遊ぶゲームなのだ。敵はズバリ“音”そのもの。「オトゲー」は2チャンネルのステレオになっており、ヘッドホンから聞くと、音源が前後左右に移動しているように聞こえる。プレイヤーは音だけで位置を判断し、これを打ち落としていくのだ。用意されている音声は“UFO”などのほか“酔っ払いおやじ”から“Hっぽい女の子”まで48種類用意されているので、そうそう飽きないだろう。プレイしてみた感じでは、もうちょっと練り込んで欲しい気もするが、なかなかハマるゲームだ。でも、飯○賢○さんが考えそうなゲームですな。

 もちろん、バンダイだけでなく各メーカー、特にセガや総合おもちゃメーカーはこの携帯ミニゲーム市場に力を注いでいる。そんな亜流が多い中、ハズブローが面白いゲーム機を出展していた。立ちワザ最強を競う今人気の格闘技K1の選手を育てる育成シミュレーションゲーム「K1 グランプリ」がそれだが、なんといっても注目なのは、最大16個までくっつけてゲームをすることができるという機能だ。
 プレイヤーはトレーナーとなって選手を育成、強化していく。そして、もちろん一番楽しいのはゲーム機を繋げての対戦だろう。A、B、C、D、E、F……と繋げた場合、A vs B、C vs D、E vs F……と、戦っていき、勝ったもの同士(AとCが勝った場合A vs C、E vs Gといった具合)がまた戦うというトーナメント形式となっている。
 登場する選手はK1でもっとも人気があるというピーター・アーツ、マイク・ベルナルド、アンディ・フグの3人。アンディ・フグはきちんとかかと落しをするゾ!

 おもちゃショーを見た限りでは、今年も携帯ミニゲームが数多く登場してきそうだ。

実際に遊んでる人も女の子が多かった「おねがいプランクトン」 個人的には大注目の「オトゲー」。でも端から見てると変な人かも セガ、タカラ、ヒロなど、各メーカーかなり力を入れているこのジャンル。写真はバンダイのコーナー写真 最大16個まで繋げることができるハズブローの「K1 グランプリ」


■タカラのデジタルおもちゃが面白そうだゾ

 タカラがブースで一番力を入れていたのが、デジタルとスポーツを合わせた新しいタイプのおもちゃ“バーチャルスポーツ”シリーズだ。初日は、タレントのメディアガールズが来場し、楽しそうにプレイしていた。

バーチャルマスターズ
メディアガールズも「バーチャルマスターズ」に熱中。
 “バーチャルスポーツ”シリーズは現在3種類予定されていて、ひとつは「バーチャルゴルフ」。ゲーム機は短いゴルフクラブのような形をしていて、これを実際のゴルフと同様に構えてスイング。この時同時にショットボタンを押すと、“ナイスッショット”とか掛け声がかかって(ちゃんとスピーカーから声が出る)ボールが飛んでいくという仕組み。まさに体感ゴルフという感じだ。インパクトの瞬間より早くショットボタンを押すとスライスするし、遅いとフックするという本格派。おまけに、対戦プレイも可能なので、パーティグッズとしては重宝するかも。
 「バーチャルゴルフ」は完成済みで、4月に5,800円での発売を予定している。このほかにも、これまで以上にリアルなリールの形をした釣りゲーム「バーチャルマスターズ」、バットの形をした野球ゲーム「バーチャルベースボール」などがある。「バーチャルマスターズ」は、ロッドがしなり、大物がかかればリールが重くなるとかなりリアル。「バーチャルベースボール」も打った打球によって打球音が変わるという本格派。これ以外にも手綱を引くことで競馬を体感できるゲームも出品され、来場者の興味を引いていた。

 ヨーヨーに続け! というわけではないが、今度は最新のデジタル技術を駆使したケン玉「デジケン」が出展されていた。このケン玉がなかなか面白い。ボディはシースルーで、玉を受ける所それぞれにボタンが設置されていて、玉をきちんと受けると光り音が出る仕組みなのだ。これだけならたいしたことがないのだが、さらにこのケン玉には音楽に合わせてプレイする機能が新たに加えられている所が、これまでのケン玉とは違う。ケン玉から流れる音楽にあわせてケン玉をプレイし、リズムに合わせてクリアしていくわけだ。失敗するとブッブーとか鳴って、なかなか楽しそうだった。

「バーチャルゴルフ」。これでホームで列車を待ちながら、ゴルフゲームが楽しめる!? かなり本格的な野球のゲームが楽しめる「バーチャルベースボール」。7月発売予定 「デジケン」。ハイテク機能満載の割には軽いデジタル・ケン玉。次の流行はデジケンか?


■年間300億円市場、キッズエレクトロニクスを狙う

 一時期の勢いは超えたといわれる、子供向けエレクトロニクス玩具だが、各メーカーともまだまだ新製品を投入している。一説によれば、年間300億円市場(テレビゲームは別)とのことなので、まだまだいけるかも。ここで言うキッズエレクトロニクスとは、ワープロや、スケジュール機能を備えた子供向けパソコンのこと。

 このコーナーは相変わらず盛況なのだが、その商品構成がほとんど女の子向け(というか、100%女児玩具)。女の子のほうがちょっと背伸びをしたおもちゃを欲しがるということだろう。この分野で目を引いたのもタカラ、バンダイ、セガといったところ。セガの「キッズ コンピュータ ピコ」は順当にソフトがリリースされているようで、他社製品も含めかなりの数のソフトが展示されていた。
 製品の種類としてはかなり多種類におよんでいたのがタカラのブース。スケジューラー機能を搭載した電子手帳に、オンラインでのデータ通信、ペットの育成、交換等がトレンド。面白いのは「マクドナルドレストラン」という商品で、マクドナルドでの接客が体験できるというもの。最近では、ままごともデジタルなのか? このシリーズ、「ANAスチュワーデス」も出てるので、人気シリーズなのかも。
 バンダイブースでは、人気のキッズコンピューター「スーパーノートクラブ ミュー」がイチオシ出展されていた。液晶画面がかなり大きくなっており、より使いやすさがアップしているようだ。

 ちなみに一時期はやっていた赤外線通信を使った商品がほとんどなかった。メーカー側の話では「子供向けなので、より確実な通信伝達でないとエラーが出やすいので」とのコメント。さらに「大人だって、ほとんどそんな機能使ってないでしょ」……なるほどね。

タカラのキッズエレクトロニクス関連コーナー。来場者の関心度は高い。でも、けっこうな値段のおもちゃだよね これが「マクドナルドレストラン」。女の子が好きそうなジャンルだ バンダイのキッズコンピューター。このデザイン……大人と変わらないのでは? 最新機種ではキーボード配列にまで気を配っているとのこと。コンピュータメーカーも使いやすさを見習ったら?


■おもちゃだけじゃないゾ。週末はおもちゃショーにゴー!

「デジタルプラレール&トミカ」が4月に発売されたあと、追加データ集として「機関車トーマス」も用意されている 「アラジンぷりんと」。かなり長蛇の列ができると思われる
 トミーのブースは絶えず人だかりができていたが、その原因はポケモングッズの充実ぶり。現在休止中のTVシリーズも4月下旬には再開するのでは? といった観測から、期待度満点だ。

 このほか、トミーブースでは、小さい子供は誰もが遊んだ子とがあると思われる「プラレール」と「トミカ」に力が入っていた。また、このプラレールの世界をデジタル化したCD-ROMソフト「デジタルプラレール&トミカ」も展示されていた。これまでから「デジタルプラレール」と「デジタルトミカ」はCD-ROMソフトとして販売されていたが、今回はそれを1本にまとめたもの。ただし、ただ単にまとめただけでなく、インターフェイスを子供にもわかるようにアイコン化したり、ユーザー葉書をフィードバックした改良の手がかなり加えられているという。Windows 95/NT 4.0対応で6,000円。

 富士フイルムもブースを出展している。デジタルカメラのデータを入力したり、現像済写真、APSフィルム(現像済)をスキャンしてその場でシールを作ってくれるシステム「アラジンぷりんと」を展示している。いろいろなフレームも用意されているので、プリクラシールやカレンダーなどを2分程度で出力してくれる。デジタルカメラのデータはスマートメディアか、PCカード(コンパクトフラッシュでもPCカードに挿入していれば可能)。対応画像フォーマットがExifのみなのが、ちょっと残念なところ。

 土日のブースでは、無料でプリントしてくれるとのことなので、プリクラシールを作りたい人は立ち寄ってみてはいかが? ただし、めちゃくちゃ混むことが予想されるけどね。


('98/3/19)


[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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