【周辺】

プロカメラマン山田久美夫による

 

~ワンポイントレポート付き~


富士フイルム FinePix700 ベータ版モデル日中撮影データ




本体前面本体背面  ポケットサイズの150万画素モデル「富士フイルム FinePix700」のベータ版による実写データを公開する。使い勝手を始めとした詳細なレポートは後日お届けするが、まずは屋外での実写データをご覧いただきたい。なお、記録モードは実際の使用状況を考えて、NORMALモードで撮影している。

注:この記事に掲載している写真は、FinePix700本体の写真を除き、すべてFinePix700で撮影したサンプル画像です。サムネール画像をクリックしてご覧ください。また、この製品の詳細については発表時の記事をご覧ください。(編集部)



●雪祭り

雪祭り  ライトアップされた雪祭りでのカット。日没後の撮影でストロボなしで撮影している。さすがに“実効”131万画素モデルだけあって、解像度は十分に高く、氷の質感もきちんと再現されている。露出も適正だが、同時に撮影したカットのなかにはピントを逃しているカットもある。AF専用機だけに条件によっては苦手なシーンもでてきそう。なお、現地は氷点下10度近い条件だったが、問題なく動作した。


●電車

電車  とにかくコンパクトなので、ポケットにも楽々収納でき、気軽に撮影できる。これまでの130万画素クラスのモデルにはなかった軽快感は、本機の大きな魅力といえる。また、このシーンは札幌駅の構内で撮影したもので、結構くらいシーンで、もちろん、ストロボは使っていない。一般に高画素モデルはVGAクラスに比べて、一画素あたりの面積が小さくなるため、感度不足が懸念されるが、本機はさほど感度不足を感じることがない点には好感が持てる。


●ベンツ

ベンツ  マクロモードで撮影。かなり細かな絵柄だが、ここまで写れば立派なもの。マクロ時のピント精度も必要十分だ。また、本機には再生時に画面の一部を4倍まで拡大表示できる機能が備わっており、この機能を利用することで、液晶上で簡単にピントの確認ができるのは、きわめて便利。これまではピント確認のために、一度PC上に転送して拡大表示する必要があったわけだが、その手間が省ける点は大きなメリットといえる。


●夕日の壁面

夕日の壁面  本機は通常モードでは、ホワイトバランスがデーライト(日中光)に固定されている(オートホワイトバランス機能は搭載されていない)。そのため、夕日で照らされたシーンを撮影しても、目で見た時とほとんど同じ色再現性が得られる。また、マニュアルモードでは蛍光灯やタングステン光などにホワイトバランスを設定することもできる。このあたりは、色にこだわりのあるフィルムメーカーらしい部分といえる。しかし、多くのモデルがオートホワイトバランス機能を装備しており、光源を気にせずに利用できるのに比べると、やや面倒な部分もある。


●遠景

遠景  高画素モデルの独壇場といえるのが遠景。窓ガラス越しなので、若干ピントは甘くなっているが、遠景がこれだけ写ると、旅先での風景もデジタルカメラで安心して撮れるようになる。このあたりはVGAモデルとの大きな違いといえる。


●逆光での雪だるま

逆光の雪だるま  一見、何気ないカットに見えるが、このシーンは完全な逆光撮影。雪だるまの後ろに太陽を隠して撮影しているわけだが、画面内の明暗比といったら、相当なもの。従来のデジタルカメラでこんなシーンを撮影すると、ハイライトかシャドーのどちらかが完全に犠牲になるのを覚悟しなければいけないが、本機では、画面全体の階調がきちんと整ったものとなっている。さすがに太陽付近の空は若干飛んでいるが、日が当たっている雪の質感はもちろん、完全なシャドー部になっている背景の建物のディテールもきちんと写っているのには、正直いって驚いてしまった。


●その他雑感


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 ■注意■

('97/2/9)

[Reported by 山田 久美夫 ]


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 ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp