【イベント】


山田久美夫の
「Mac Fan Expo in Kansai'97」デジタルフォトレポート

全景1 全景2

 関西初のMacintoshユーザーの祭典「Mac Fan Expo Kansai in'97」が、さる12月12日から3日間、大阪ドームで開催された。初日の基調講演や会場の雰囲気は先週のレポートに譲って、ここではそれ以外の目立った製品などを写真中心に紹介していこう。

 会場となった大阪ドームのグランド部分を使って開催された本イベント。出展社数が80社と少な目なこともあって、通路も幅広く取られており、なかなか見やすいレイアウトだったが、二日目の土曜日はかなりの賑わいを見せて、AppleやAdobeなど人気ブースにはかなりの人だかりができるほど。また、Macのイベントらしくユーザーズグループが多く、PC中心のイベントとはひと味違った雰囲気が楽しめた。

 このほか、プライベート・コレクションの特別展示として歴代モデルを一堂に見ることができる「Macintosh博物館」も人気を博しており、ルパン三世の作者であるモンキーパンチ氏のイラスト入りモデルや珍しいスケルトンモデル、著名漫画家のイラスト入りのAppleの20周年記念モデル「スパルタカス」などのほか、“暫定CEO”という注釈付きのJobsのサイン入りポスターの姿もあった。

モンキーパンチ1 モンキーパンチ2
博物館 サイン

【会場パノラマ】
会場全景

【Macintosh博物館パノラマ】
Macintosh博物館



●Pentium IIより速い!? 期待のG3搭載Mac

 やはり今回の目玉は、“PowerPC G3”チップことPowerPC 750を採用した第三世代Power Macintoshの登場。一般向けでは日本国内初公開となっただけに、その注目度はかなりのもの。Appleブースでは、今回発表された4機種を来場者が実際に触れられるように展示し、人気を博していた。しかも、メインボードやチップのウェハーまでもちゃんと展示されていた。また、同ブースでは「Adobe Photoshop 4.0」のバッチ機能を使った、Power Macintosh G3 266MHzマシンとPentium II 266MHzマシンの比較デモもおこなわれており、G3のほうが約40%くらい高速だとアナウンスしていたのが印象的だった。

 ひとりのPower Macユーザーとしてみると、G3 Macは大いに魅力的だし、価格も意外に安価だが、従来シリーズとメモリーなどの互換性がなく、かなりの投資を強いられるのでそう簡単に移行できない。サードパーティーのPowerPC 750搭載ドーターボードという選択のほうが現実的かもしれない。

G3 G3_2 G3_3
G3_4 G3 VS Pentium II G3 VS Pentium II_2


●個性派モデルをラインナップしたUMAX、Radius、VESTAの共同ブース

 互換機の扱いで揺れるMacintoshの世界だが、今回のExpoで魅力的な製品をラインナップしていたのが韓国のUMAX、Radius、VESTAの共同ブース。

 とくに注目されるのは、VESTAが出品した「UMAX SuperMac S900」をベースにチューンナップしたカスタムメイドMacOSマシン「ASPIS T75/B1」。CPUはPowerPC 750 250MHz、HDDもUltra WIDEで10,000rpmのSeagate Cheetah 4GB。SCSIボートもUltra WIDE SCSI3対応で、ビデオカードもIxmicro Twin Turbo 128M8と、なかなかのハイスペック。同社の資料によると、Photoshop 4.0Jでの処理速度ではPower Macintosh 9600/350の1.5~2倍近く高速という。また、同ブースではIEEE 1394ボードとCD-RWを標準搭載したPowerPC 604e 240MHz採用モデルなども出品されており、自作のAT互換機に近い自由度を備えたMacOS互換機が作れる魅力的なシステムとして注目される。

UMAX1 UMAX2
UMAX3 IEEE1394

 さらに、Mac中心のExpoながらも同ブースでは省スペース(16×17×32cm)のAT互換機「CONIGLIO PC」(CPUはMMX Pentium 200MHzや6x86MX-PR200など)もあまり目立たないように出品されていた。  UMAX関係のスペースでは、話題の1,000ドルPC「UMAX PC2100」(ADM K6/166)とMacOS互換機を並べ、キーボードやマウス、モニターを共用しながら、キーボード操作ひとつで環境を切り替えられる新製品のスイッチャーや、BeOSのデモもおこなわれていた。

CONIGUO1 CONIGUO2 CONIGUO3
スイッチ1 スイッチ2 BeOS

□VESTAのホームページ
http://www.vesta.co.jp/
□ユーマックスジャパンのホームページ
http://www.umaxjapan.co.jp/
□ラディウスのホームページ
http://www.radius.co.jp/
(12月15日現在、いずれのサイトにもこの製品に関する情報は掲載されていない)


●いかにもMacらしいカスタムモデル「BookcaSE」

 とくに新しいものではないが、普段現物を見ることが少ない内芝製作所「BookcaSE」も出品されていた。これはノート型のPowerBook5300シリーズや190csをベースにその部品を使って、液晶モニター式の省スペースのデスクトップマシンに“組み替える”という、一種のカスタムメイドマシン。いわゆる“互換機”とは意味合いが異なるマシンで、苦肉の策という感じがする、いかにもMacらしいパーツキットだ。ちなみに、基本的にはパーツのみのキットで価格は6万円。工作時間は90~120分というが、苦手な人には25,000円での組み立てサービスも行なわれているという。もちろん、この薄さでもフロッピードライブやPCカードスロットからSCSIポートまで、PowerBookが備えている機能はフル装備されている。

BookcaSE1 BookcaSE2 BookcaSE3

□BookcaSE製品紹介
http://bookcase.uchishiba.co.jp/index-j.html


●少なかったデジタルカメラ関係

 マルチメディアに長けたMacintoshのイベントだが、デジタルカメラ関係のブースは三洋とフジカラーサービス(メディアラボ・アビーズ)のみと、きわめて少ない。両ブースともその場でのプリクラ作製デモをおこなっており、女性来場者を中心にかなりの人気を博していたのが印象的。余談だが、今回のイベントでは、PC中心のイベントに比べ、女性来場者の割合がかなり多いのも印象的だった。

三洋1 三洋2 三洋3
メディアラボ1 メディアラボ2 メディアラボ3

 一方、この手のイベントでの大きな目玉となっている販売店の出張ブースでは、関西の大手カメラ店「ナニワ商会」は、デジタルカメラの販売がメイン。しかも、価格は新宿や秋葉原よりもさらに安いものが多いこともあって、人気は上々。また、富士フイルム系列のフジカラーサービスのブースでも富士のモデルの販売がおこなわれており、二日目には価格がかなり下がり、DS-20が25,200円、DS-30が49,800円となかなか強烈な価格を打ち出していた。

カメラ価格1 カメラ価格2 カメラ価格3

□参考記事
【12月12日】「Mac Fan Expo in Kansai '97」大阪ドームで12日~14日まで開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971212/macfanex.htm

('97/12/15)


[Reported by 山田 久美夫]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp