【イベント】

山田久美夫のCOMDEX Fall '97レポート
〜海外モデル編〜



 前回のレポートでは、メイン会場に出品されていた大手メーカーの製品を中心にレポートしたが、今回はその後本会場で見つけたものや、中小の周辺機器メーカーが集う別会場で見た、海外のデジタルカメラについてレポートしよう。

 デジタルカメラは普通のカメラと違って、主要部品が調達でき、一定水準の製造技術があれば、取りあえず参入できる世界。もちろん、現時点では国内外の大手メーカーが先行していうものの、今後はパソコン同様、台湾や韓国のメーカーが続々参入してくることが容易に想像できる。

 実際に今回のCOMDEXでも、これらのメーカーから続々と低価格帯のモデルが登場してきている。なにしろ、クォリティーはともかく、低価格化は得意中の得意というメーカーも多く、アメリカ市場のように、実販価格の安さや見かけ上のスペックが重視される市場では、コスト高になりがちな日本メーカーよりも有利な展開になる可能性が高いだけに、今後の動向が大いに注目される。


●半アンダーテーブルだったIntelデジタルカメラ規格採用機「AZTECH MDC180」

AZTECH MDC180 AZTECH MDC180
AZTECH MDC180 AZTECH MDC180

 先だって発表されたIntelのデジタルカメラ規格。さすがに日本国内メーカーではこのガイドラインに沿ったモデルを作るという話は聞かないが、今回のCOMDEXでは、シンガポールに本拠地があるAZTECHがその規格に則ったモデルを参考出品していた。同社はPCIの56KモデムやUSBモデム、3Dカード、DVDドライブなどを手がける、先進テクノロジーに長けた、シンガポールでの有数のメーカーという。

 実はこのモデル、外観上は、Intelの資料にあるモデルそのもの。とはいっても、一版来場者向けの展示はなく、同社のCOMDEX向けパンフレットにその写真が載っているだけのようだった。しかし、ブースのショーウインドウの裏側に、黒いカーテンに閉ざされた小部屋があり、カーテンの隙間から覗き込むと、なんと実機が……

 あとはもう、片言の英語で交渉。そして「日本のフリーランスのプレスだ!」というと、その小部屋に案内され、実機を見せてくれた。

 この「MDC180」というモデルは、写真で分かるように、なんともSFっぽいデザインで、サイズは結構大きめ。機能的にはシンプルなもので、液晶モニターはなく、光学ファインダー専用機。ストロボは内蔵式だ。

 もちろん、パンフレットにもIntelの「Portable PC Camera '98 Design Guideline」に沿ったものであることが明記されており、それによると、撮像素子にはCMOSを採用しており、画像サイズは768×576ピクセル。記録媒体はやはりIntelのミニチュアカードが採用されている。また、インターフェースはUSBを装備しており、Windoes98 Readyとされており、Windows98に標準で備わっているデジタルカメラとの連携機能(プラグインプレイで、接続すると自動的に画像データの転送などがおこなわれるという)にも完全対応しているようだ。

 価格について訪ねると、一瞬、いやな顔をしたあと、「まだ分からない……」という。噂によると、アメリカでのシンプルなデジタルカメラの中心的な価格帯である299ドルを上回るという話もあり、同社が狙っているものよりも、意外に高いものになりそうな雰囲気が感じられた。


●完成度ピカイチの「KOCOM KDC-10」

KOCOM KDC-10 KOCOM KDC-10 KOCOM KDC-10

 海外勢のなかでも、もっとも完成度が高かったのが韓国メーカーであるKOCOMの「KDC-10」。本機は液晶付きでスマートメディア採用のVGAモデル。しかも、サイズもDS-20並みで、液晶も2インチのTFT(たぶん、低温ポリシリコンTFT)で美しく、レスポンスはほとんど動画といえるレベル。もちろん、光学ファインダーも採用されており、見え味もなかなかいい。また、記録時間も2秒前後と十分に高速で3枚の連写撮影もできる。メモリーも標準で4MBの内蔵式のほか、スマートメディアが利用できる。レンズは単焦点式で、距離と絞りは手動切り替え式だが、4倍までのデジタルズームを搭載するなど、なかなか頑張っている。全体に国産機に近いレベルに仕上がっている。そのぶん、価格も450ドルと同クラスの国産機並み(現地で富士 DS-7やリコー DC-3が399ドルクラス)で、ブランドイメージや知名度の点では国産機に及ばない部分もあるが、なかなかの実力だった。


●1.8インチ液晶採用の内蔵メモリー専用機「PRETEC DC-300 & DC-600」

PRETEC DC-300 PRETEC DC-300
PRETEC DC-600 PRETEC DC-600

 台湾のPROTECHは今回、1.8インチモニター付きの「DC-300」(写真上列)と「DC-600」(写真下列)の2機種を出品。一見、姉妹機のように見えるが、スペック的には「DC-300」が480×360ピクセルの補色系CCD採用の内蔵メモリー専用機。一方、「DC-600」は640×480ピクセルの原色系VGAモデルで記録媒体もCF(コンパクトフラッシュ)カードを採用するなど、ワンランク上のモデルとなっている。また、液晶のレスポンスも前者が秒4フレーム、後者は秒15フレームとかなり異なる(液晶のレスポンスを数値でカタログに明記しているのを見たのは初めてかも)。だが、価格は299ドルと349ドルと意外に差は少なかった。また、写真で分かるように、前者は先日レポートした「ミノルタ Dimage Pic」と外観がまったく同じモデルだ。

 いずれも、なかなかよくできたモデルで、デザインもコンパクトカメラ的で、価格も手頃なので、アメリカ市場ではそれなりに受けそうな感じだ。しかし、個性や面白さという点では物足りない部分も多く、価格競争以外には大きなメリットが感じられなかったのが残念だ。


●CFカードと2.5インチTFT採用の「Altima AltimaCam350」

Altima AltimaCam350 Altima AltimaCam350

 どこかデジタルマビカに似ている縦長のVGAモデル「Altima AltimaCam350」。記録媒体こそCFカードだが、メタリック調の外観で、ボディーサイズもかなり大きい。液晶モニターも2.5インチ液晶を採用しており、ストロボも内蔵式。電源は充電式のリチウムイオンと、全体的にはMVC-FD5のCF版という感じだ。

 残念ながら、カタログなどがなく、実機の展示のみだったが、実用本位ではあるが、こちらもいまひとつポイントがないモデルだった。


●World PC Expoでも出品された、LG電子「ArtShot LDC-F20」

ArtShot LDC-F20 ArtShot LDC-F20 ArtShot LDC-F20仕様

 韓国のLG電子は、日本のWorld PC Expoと同じくCOMDEXでも、36万画素の液晶付きVGAモデル「ArtShot LDC-F20」を出品。とはいっても、同社は製品も豊富でかなり大きなブースを備えている上、Windows CEマシンの巨大なディスプレイがブースのメインで、本機はその片隅でひっそりと展示している感じ。つまり、ラインナップのひとつとして、デジタルカメラもありますよという感じだった。


●どっかで見たような……「Philips ESP2」「UMAX PhotoRun & MDX-8000」

Philips ESP2 Philips ESP2  あまり知られていないが、あのフィリップスもデジタルカメラを発売している。今回は「Philips ESP2」という新製品を出品しているが、ご覧のように、本機は「リコー DC-3」のOEMモデルといえる。もちろん、機能的にもまったく同じだが、カラーリングが異なっており、フィリップス版のほうはどちらかというとガンメタリックに近いものになっており、なかなか高級感がある。ちなみに価格は399ドルとまずまずのレベル。説明員の話によると、「ズーム版も予定しているが、なにしろ高価になるので……」ということだった。


PhotoRun MDX-8000  また、UMAXは「PhotoRun」(504×378ピクセルのCCDモデル)と「MDX-8000」(80万画素ののCMOS採用機)の2機種を出品。前者は「三菱 DJ-1」と同じで、後者は「Viviter Vivicam3000」とウリ二つで、たぶん、同じものといえる。価格は199ドルと399ドルと安価だ。また、「PhotoRun」はその小ささをいかして、特製の水中ハウジング(といっても、透明な防水袋)に入れてのデモがおこなわれていた。


('97/11/25)

[Reported by 山田 久美夫 ]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp