短期集中連載:西川和久の「Windows NT 5.0 Beta1 使用レポート」

Windows NT 5.0 Beta1 使用レポート
Part 1
『ここまで進化したマルチランゲージ環境』

Text by Kazuhisa Nishikawa


 本当はもっと早く載せなければならなかったが、予定外にTokyo Motor Showの関係でちょっとドタバタがあり、こんな時期になってしまった。これから毎週1回で計4回、PDCで公開された、Windows NT 5.0 Beta1の使用レポートをお届けする。また、11月16日~25日までCOMDEXへ行ってくるので、お詫びの印にと言っては何だが、現地でWindows NT 5.0関係の話題を1回レポートするのでお楽しみに!!


英語版Windows NT 5.0 Beta1
リンク先に1024×768ドットの原寸画面有り!
 これがWindows NT 5.0のDesktop環境だ。これまでIE3.x又は4.xの中だけであれば、ランゲージパックを使う事により、日本語など色々な言語を表示するのは可能であったが、よく画面を見て欲しい。日本語版Microsoft Word 97とMicrosoft PowerPoint 97、IME、そして全角を使ったフォルダー名……。システムの表示しているメッセージ以外は全て日本語になっているのがお分かり頂けるであろうか!?画面スペースの関係で、Microsoft Excelやその他Office 97に含まれるアプリケーションは動かしていないものの、筆者が確認した範囲では全て正常に作動した。(但し、原因は不明であるが、同じWIN32アプリケーションでも何故かOffice 95は動かなかった。)
ControlPanel->Fonts  数年前、Windows 95がまだChicagoと呼ばれてた頃、「Cairoになればシングルバイト・ダブルバイト圏問わず、同一Desktopで動く様になる。」と開発者向けの資料に書いてあった。正にそれが現実の物となろうとしているのだ。

 今回PDCで配られたBeta1には、日本語だけでなく、IMEを含む現在出荷している全ての言語用のモジュールが入っていて、インストール時はもちろん、ログインするユーザー名によっても環境が自動的に切り替わる仕掛けになっている。
ControlPanel->Keyboard Properties  ただ残念な事に、PDCでデモした"再起動してシステムメッセージ(リソース)を切り替える機能"はこのBeta1には入っていない。正式にサポートされれば、英語版Windows NT 5.0にも関わらず、見かけは日本語版と全く同じにする事が可能となる。多分、出荷版はパッケージの記述と標準設定の言語が日本語になっている以外、英語版と何ら変わらない物になるのだろう。

 さて、Windows NT 4.0と比較して変わったのは、このKeyboard Propertiesである。これまでシングルバイト圏の切り替えは可能であったが、今回ダブルバイト圏で使われるIMEもここで登録可能となり、標準ではMS-IME97が組み込まれる。もちろん"IME Settings"のボタンをクリックすると、見慣れたMS-IME97の設定パネルが出てくるのは言うまでもない。筆者は試していないが、ATOKなど各社のIMEもそのまま使えると他誌でレポートされている。

ControlPanel->Regional Settings Properties  但し、まだ106/109キーなどの日本語キーボードのレイアウトが入っていない。現在調子良く動いているので、何とかして欲しいものであるが、Beta1なので諦めるしかない様だ。

 このパネルではキーボード関連以外、主に日付など書式のデフォルトを何にするかを設定する。パネルから解る様にシステムで使える言語の種類を選択できるのはAdministratorだけである。

 ちょっと気になるのは、この設定だと"1 Desktop 1 Language"になってしまう。色々な言語用のIMEだけ切り替わっても、これではアプリケーション側の言語は一種類しか選択できなくなる。この他、場合によって"パネルから文字がはみ出す"など、詰めが甘い部分は数多くあるものの、マルチランゲージについては仕上がりが楽しみなWindows NT 5.0だ。


Part 2につづく

[Text by 西川和久]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp