後藤弘茂のWeekly海外ニュース
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Intelが350MHz Pentium IIをデモ


●Intelが350MHz Pentium IIをデモ

 いよいよ、Intelは'98年に投入する次世代Pentium IIのベールをはがした。「PC of future packs 350 MHz, DVD」(CNET NEWS.COM,9/29)によると、同社はPentium II 350MHzと自社製3DグラフィックスチップIntel 740を搭載し、システムバスを100MHz(従来は66MHz)に高めたプロトタイプをデモ、ソフトウェアでのDVDタイトルの再生を行ったという。しかも、このシステム構成のマシンは、'98年中盤には早くもボリュームマーケットに登場するという。これは、Intelが今週のThe Intel Developer Forumで明らかにしたもので、同じデモの内容を伝える「Intel demos 350-MHz Pentium」(InfoWorld,9/29)によると、同社ではさらに'99年にかけて戦略も語ったそうだ。それによると、'98年にはこのほかIEEE-1394インターフェイスが加わり、'99年にはRambus DRAM(おそらくDirect RDRAM)やAGP 4xモードなどがサポートされるようになるという。その結果、システムパフォーマンスは10倍になるそうだ。また、この時期にはIntelは次世代のIA-64アーキテクチャMPU「Merced」も投入しているはずだが、それと平行して現在のIA-32 MPUの製造もできる限り長期間続けると約束したという。


●Appleが正式CEO候補を絞り込む?

 先週は、Wall Street Journalがスクープを飛ばした。Apple Computerの次期CEOに関するもので、「Apple Narrows Search for CEO; Finalizes Plans for New Products」(The Wall Street Journal,9/26、有料サイトhttp://www.wsj.com/ から検索)によると、同社はいよいよ“正式”CEO(現在はスティーブ・ジョブズ氏が“暫定”CEO)の候補者を絞り込んだという。記事によると、候補には、米IBM社のPC部門のチーフのSamuel J. Palmisano氏、米Sun Microsystems社のEd Zander氏、地域電話会社SBC Communicationsの上級副社長のDavid Dorman氏、Cadence Design Systems社長兼CEOのJoe Costello氏などがリストされているという。もっとも、同紙の取材に対して、みなコメントを拒否したそうだ。いかにもありそうな名前が並んでいるが、さてどうなるか。


●AppleがMac NC (Network Computer)を開発中か!?

 また、Apple関連ニュースでは、同社がNC (Network Computer)を開発しているというニュースも流れた。上の記事の中でも、来年前半に同社が800~1,000ドルの「Mac NC」を出すと伝えている。この火付け元はどうやらAppleの新しい取締役になったラリー・エリソン氏(米Oracle社会長兼CEO)らしい。「Ellison: Apple Has NC Prototype, Will Use Rhapsody」(InformationWeek,9/24)を見ると、先週開催された「Oracle OpenWorld」のプレスカンファレンスで、エリソン氏が「AppleはNCのプロトタイプを作った」と語ったようだ。エリソン氏によると、これはRhapsodyを使うMacintoshベースのシステムで、ジョブズ氏がエリソン氏にデモをしたそうだ。もっとも、AppleがNCに参入すること自体は何も不思議なことではない。AppleにNCを作らせたいと以前から言っていたエリソン氏が、Appleの経営に参加した以上、NC開発は既定の路線だと考えた方がいいだろう。ただ、Appleが劇的な経営陣入れ換えを行ってからまだそれほど時間が経っていないことを考えると、プロジェクトがそれほど煮詰められているとは考えにくい。おそらく、まだプロジェクトも最初の段階で、具体化するにはもう少し時間がかかると見た方がいいだろう。


●OracleがNCの大TVキャンペーン

 一方、Oracleは、離陸体勢ができてきたNC (Network Computer)で大キャンペーンを張るつもりらしい。「Oracle pumping $40 million into NC campaign」(Forbes,9/26)によると、同社は4,000万ドルをかけてNCのTV大キャンペーンを開始するつもりだという。しょっぱなのCMは、NFLフットボールの試合中継に挟み込むという。こういうカネをかけたキャンペーンは、米国の場合、意外な効果をもたらすことがあるが、今回はどうなるか。うまく「NC=COOL(かっこいい)」というイメージを作ることに成功するかどうかがポイント。


●ウワサのJavaマン

 今話題の“Javaman”を知ってる!? 知らなかったらぜひ「Javaman: The Adventures of Scott McNealy」(Fortune,10/13)へ。これは、米Sun Microsystems社の“Javaman”ことスコット・マクネリ会長兼CEOの生い立ちから現在までをまとめた大特集。「やじうまPC Watch」にも紹介されていたが、何がすごいかというと、そのボリュームと楽しいグラフィックスとエピソード。グラフィックスだけでも十分笑えるが、大学ではビールとゴルフを専攻したというようなお馴染みのエピソードから、自分の息子にMaverick(独立独歩)という名前をつけたといった話までともかくマクネリ氏に関するオールアバウトを紹介。そのほか、SunはJava開発に1,500名のプログラマを投入しているが、IBMは今や2,500名を投入しているといった、SunとJavaに関する情報もかなり詰まっている。


●IBMがWindows APIをメインフレーム用OSに移植?

 Microsoft関連ニュースでは、先週サンディエゴで開催されたProfessional Developers Conference(PDC)関連ニュースが目立ったが、その中でも面白かったのが「Windows NT API gets Big Iron boost from IBM」(InfoWorld,9/29)。それによると、MicrosoftはWindows NTをエンタープライズアプリケーションの領域に延ばそうとしており、Windows NT ServerをMVSやUNIXマシンのように扱えるようにする技術「Big Iron」を開発しているという。この技術の一部はPDCでも公開されたが、それに対してIBMは、なんとWin32 APIをOS/390(MVS後継OS)に移植することを考えているそうだ。これが実現すれば、OS/390の利点はそのままでWindows NT用アプリケーションがそのまま使えるようになるとか。なにせIBMだから、これくらいやっても不思議ではない?


●MPEG-4規格化はスケジュールが大幅変更か

 次の動画圧縮技術MPEG-4に関するニュースも流れてきた。「MPEG-4 to split into basic, advanced versions」(Electronic Engineering Times)によると、MPEG-4規格化のスケジュールは大幅に変更になり、2段階に分かれることになったという。新しいタイムテーブルでは、「MPEG-4 version 1」という基本的な規格を“CommitteeDraft”として10月か11月にリリースする。これはオリジナルのスケジュール通りだが、そのあとにより先進的な技術を織り込んだ「MPEG-4 version 2」を策定、'99年の11月までに規格化するという。ようは、あとから出てきた先進技術を検証、盛り込んでいると、また遅れ遅れになってしまうので、なんとかベーシックな規格だけでも確定しようということらしい。ちなみに、MPEG-4 version 2はversion 1のスーパーセットになるので、互換性は保たれるという。

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('97/9/30)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp