【イベント】

【World PC Expo 97 デジタルフォトレポート 第2回】

プロカメラマン山田久美夫の

World PC Expo デジタルフォト関係ダイジェスト

'97/6/25~28 千葉幕張メッセにて開催


 今回のWorld PC Expoでは、デジタルカメラ以外にも、デジタルフォト関係で注目しておきたい製品が多数あった。ここでは、そんな製品のレポートをダイジェスト版でお届けしよう。



●メモリーカード関係


ISAバス用スマートメディアドライブ
ISAバス用スマートメディアドライブ

 採用するメーカーが徐々に増えつつあるスマートメディア。しかし、5Vと3.3V仕様のメディアが混在し、16MB以上のカードではFATの関係で現行機ではほとんど対応できない、いつまで経っても登場しないフロッピードライブ用アダプター「フラッシュパス」などなど……。

 ということで、自社でもスマートメディアを生産・販売しているハギワラシスコムが、ISAバス用のスマートメディア専用ドライブを発表した(詳細はこちら)。同社ブースでは、発表された2種のうち、ISAバスのみで、スマートメディアをPCの背後から挿入する内蔵タイプを展示していた。

 ブースの説明員によると、スマートメディアを開発した東芝の協力を得ているようで、このドライブでは、3.3Vと5Vカードの両対応であるのはもちろんのこと、将来発売されるFAT構造の変わる16MB以上のカードにもきちんと対応するとのこと。つまり、このドライブカードさえ購入しておけば、将来も安心というわけだ。

 さらに、価格的にも、背後からスマートメディアを挿す内蔵タイプが5,000円台、そこからカード挿入部だけを延長してPCの前面に持ってこられる外付けアダプタータイプでも9,000円台になりそうで、いずれも結構安価。フラッシュパスもいいけど、転送速度はこちらのほうが高速だし、ISAカードを挿すのが面倒でない人には、こちらのほうがオススメかも……。

 このほかにも同社は、8MBの3.3Vスマートメディアも発表しており、コンパクトフラッシュでも高速タイプの8MB、16MB、24MB、32MBタイプを発表(近日発売)するなど、意欲的な展開を見せていた。

 また、アイ・オー・データでは、参考出品として、3.3Vと5Vカード両対応のスマートメディア用PCカード変換アダプターを出品していた。

 コンパクトフラッシュカードの本家であるSanDiskブースでは、目立った新製品こそなかったが、コンパクトフラッシュカードを採用したデジタルカメラを一堂に展示。メーカー数でスマートメディアに勝るCF採用機の優位性を誇っているようで、印象的だった。

3.3V 8MB スマートメディア 変換アダプター San Diskブース




●スキャナー関係


 スキャナー関係の新製品はかなり数多く、すべてを紹介することは難しいので、目立ったものだけをピックアップしよう。

ES-10S ES-10S
 フィルムスキャナ関係では、オリンパスが35mmとAPS兼用機「ES-10」のSCSI版「ES-10S」を発表。従来のシリアルタイプに比べてスキャンの高速化が図られると同時に、ドライバーのインターフェースも改良されていた。とはいっても、ブースには「ES-10」しかなく、単なるパネルのみでの説明だったが……。


ScanMaker6400XLと同9600XL ScanMaker V

 フラットベッドタイプでは、多くのメーカーがA3版対応機とA4版の1,000dpiクラスといった、新世代モデルを続々発表。A3タイプでは、既発表の800dpi・36bitタイプ「エプソン ES-8000」のほか、マイクロテックからは400dpi・36bitタイプの「ScanMaker6400XL」(188,000円)と、600dpi・36bitタイプ「同9600XL」(228,000円)など(いずれも12月発売)。業務用途のA4版1,000dpiタイプもマイクロテック「ScanMaler V」(698,000円、'98年1月発売)のほか、UMAXなどからも出展されていた。

 また、印刷関係では一流ブランドといえるライノタイプ・ヘル(編注:ライノタイプ・ヘルは親会社の合併により社名がハイデルベルグ・プリプレスに変更になった)は、これまでMacintosh用一色だった、一連のフラットベッドスキャナのラインナップに、新たにWindows用を追加(参考出品)。なにしろ、DTPソフトの代表格であるクォーク・エクスプレスでさえ、今回の日本語版では、Macintosh用と同時にWindows用を発表する時代(これはDTPの世界にとって衝撃的な出来事なのだけれど……)だけに、今回のライノタイプ・ヘル(ハイデルベルグ・プリプレス)のWindows版対応も理解できるが、Macintoshの牙城だったDTPの世界もいよいよ……という感じで、とても印象的だった。




●その他
伊達淳一氏の対談 伊達淳一氏の対談
 会場内の特設ステージではオリンパスが、設計者とデジタルカメラ評論家の伊達淳一氏の対談形式で、話題の新製品「C-1400L」の優秀さをアピール。ほんとうに、同社の力のいれようには、並々ならぬものがある。


DS-300の水中ハウジング  富士フイルムブースでは、「DS-300」の水中ハウジングを展示。このハウジングは特注品で、フジの製品というわけではなく、利用例のひとつという感じだ。


LivePix  先日、ジョン・スカリーを日本に招いて発表会を行ったライブピクチャー社は、フラッシュピクス対応の入門用一般向け画像処理ソフト「LivePix」をアピール。まだ知名度が低いソフトだが、大容量画像を普通のPCで気軽に扱える高機能ソフトとして注目される。


フォトジェットペーパー フォトジェットペーパーのデモ
 コニカはさまざまな側面から、デジタルフォト関連の展開を積極的に行っていた。なかでも興味深かったのは、今年7月に発売されたばかりの、耐水性に優れたインクジェット用ペーパー「コニカ・フォトジェットペーパー」。再現性がかなり向上したカラーインクジェット式プリンターも、耐水性に関してはまだ問題を抱えている。そこでこのペーパーでは、耐水性の大幅な向上を実現したという。実際に同ブースでは、プリント自体に水鉄砲などで水をかけるという、実に分かりやすいデモを行い、その実力はアピールしていた。とくに、このペーパーは汎用タイプで、エプソンのPM-700CやキヤノンBJCシリーズなどとの相性もいいという(この手のペーパーにはかなり相性がある)。


 このほか、同ブースでは、セルフサービス型のデジタルプリントシステムやフィルムからのフロッピー書き込みサービス(開始予定)などのデモも行われていた。

デジタルプリントシステム デジタルプリントシステム フロッピー書き込みサービス




□関連記事
デジタルカメラ関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm
World PC Expo 97レポート インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970924/wpeindex.htm

('97/9/29)

[Reported by 山田 久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp