大物はないのでは……と思われていた、今回のWorld PC Expoだが、ことデジタルカメラ系に関しては、結構楽しめる製品がいくつか登場している。とくに、エレクトロニクスショーに先駆けて、先手を打つ意味もあるのだろうか、ギリギリ間に合わせたという感じの参考出品も多かった。
とはいっても正式な製品発表ではなく、あくまでも参考出品。そのため、詳細なスペックも公開されていない。数少ない情報としては、CCDがサイバーショットと同じ33万画素タイプ。レンズはオートフォーカス式の3倍ズーム。さらに、MDデータ1枚に2000枚の画像データが記録できるという。
そのほか、音声の録音再生機能があり、マイクもスピーカーも内蔵しており、録再可能なMDウォークマンのようにも使える。電池は、デジタルビデオのPC-7と同じタイプのインフォリチウムバッテリーを採用している(“スタミナ"というほどではないというが……)。
発売時期は未定(年内?)であり、価格も未定だが、新分野へのチャレンジとして、発売が大いに期待されるところだ。こうなると、先行しているシャープの次期モデルあたりも、結構気になるのだが……。
また、同ブースでは、ピクチャーMDレコーダーの業務用タイプ「TTX-1212」も参考出品されていた。こちらは既発売のMDレコーダーの改良型で、操作性が大幅に向上している。基本的には医療用途がメインターゲットであり、価格も“業務用”レベルということだが、できれば民生用として手頃な価格帯で製品化してほしいところだ。
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詳細なスペックはまだ公開されていないが、会場で配布されているパンフレットによると、CCDは1/3インチ中黒109万画素。画像サイズは1,152×872ピクセル。レンズは、オートフォーカス式の単焦点タイプ(6mmF2.8。35mmカメラ換算で39mm相当)。ファインダーは光学式と1.8インチ液晶モニターで、電源は単3アルカリ電池4本となっている。詳細はhttp://www.konica.co.jp/q-m100/を参照されたい。
サイズは、ほぼ「コダック DC210」と同じくらい。手にした感じは結構カメラっぽい感じだ。また、カメラ系メーカーだけに、光学式ファインダーが実に明るくて見やすい点と、液晶モニターのレスポンスの遅さが印象的だった。もちろん、年末発売ということで、まだ時間があるため、さらに改良が加えられるという。
気になる価格は、10万円以下ということだけだが、スペック的に見ると、「DC210」と同等か、それを下回るものになることが予想される。
ブースでは「C-1400L」での実写と、そのプリントアウトが体験できるようになっており、多くの人がその感触を確かめていた。もっとも、一眼レフは初体験という人も多いようで、やや操作に手惑っている人もいたようだ。
海外のイベントではデジタルカメラを以前から出品していた、韓国のSAMSUNG。今回は、参考出品のみということで35万画素モデル「SDC-30/33」を展示していた。独特なデザインの光学ファインダー専用機で、メモリーも内蔵のみというシンプルなもの。日本国内での発売はしないというが、韓国メーカーでもデジタルカメラの生産が十分に可能であることを示すという意図がかなりあるようだ。
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まず、韓国のLG Electronicsは「LDC-F20」というファッショナブルなVGAモデルを出品。
価格は「実販で『カシオ QV-11』と同等くらいではないか」という、かなり低価格なVGAモデル。発売は年内を予定しているので、もしかすると、実販では2万円台前半になる可能性もありそうだ。
しかもCCDは1/4インチ36万画素プロブレッシブCCDを採用。メモリーこそ内蔵(2MB)のみだが、ポップアップ式のストロボも内蔵しており、液晶モニターの上方に立てることでレンズを回転させずに自分撮りができるという、なかなかの意欲作。
また、デザインがどことなく、カシオQVに似通っているのが気になるが、カラーリングもシルバーの他レッドとブルーを用意するなど、けっこうお洒落だ。会場での実写例を見た限りでは、画質はなかなか厳しいものがありそうだが、なによりもこの価格は大きな魅力だ。
これらのようなモデルが登場してくると、低価格なVGAクラスは韓国や台湾系のメーカーがかなりな勢いで台頭してくる可能性もある。こうなると、日本メーカーは自社の得意とする分野やクォリティーの高さを生かしたモデルへの移行を迫られるのは必至といえそうだ。
コダックは話題のメガピクセルモデル「DC-210」を前面にアピール。同機で撮影されたプリントも数多く展示されており、なかなかの賑わいを見せていた。また、先日発表された、インクジェット用のポストカードサイズペーパーも展示されていた。
残念ながら、このソフト自体は参考出品ということで、市販されるかどうかは全く未定。むしろ、この検索エンジン自体のアピールのためのものという意図があるという。しかい、今後、デジタルカメラなどの普及で画像データが飛躍的に多くなることを考えると、自動的にキーワードをソフト側で登録するという、このようなイメージ検索ソフトは必須のものとなる可能性が高い。個人的には(購入できる範囲の価格帯ならば)、いますぐにでも使いたい!と思う、とっても魅力的な画像データベースだった。
('97/9/25)
[Reported by 山田 久美夫]