株式会社日立製作所は9日、片面4.7GB容量のDVD-RAM(書換可能なDVD)の基本技術を開発したと発表した。
新たに開発されたのは、ハイコントラスト媒体(ディスク)と適応型記録波形制御の技術。これにより、ビットピッチとトラックピッチを、それぞれ短くすることが可能になり、高密度化大容量を実現した。ビットピッチとトラックピッチ以外の物理的なフォーマットは2.6GB DVD-RAMと同一で、2.6GB DVD-RAM対応ドライブは、コントロール回路のみの変更で4.7GB容量のDVD-RAMに対応できるとしている。
新開発のディスクは、新たにコントラスト強調層と熱緩衝層の2つの層が導入され、高コントラスト化と熱吸収の一定化を両立、高S/N化を実現した。また、記録マークとスペース長にあわせて記録時のレーザーパワーとパルス幅を変える、新開発の適応型記録波形制御により記録精度も高めている。
同社は今回発表の技術を、すでに発行されている片面2.6GB容量DVD-RAM規格バージョン1.0のバージョンアップ版として位置づけており、今秋にDVD-RAMワーキンググループに提案する予定。また、来秋にも片面4.7GB容量DVD-RAMの規格バージョン1.0を発行したいとしている。
2.6GB DVD-RAM | 4.7GB DVD-RAM (今回開発) | 4.7GB DVD-ROM | |
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直径 | 120mm | ← | ← |
基板厚 | 0.6mm×2 | ← | ← |
記録膜 | 相変化型記録膜 | ← | - |
レーザー波長 | 650nm | ← | 650/635nm |
レンズ開口数 | 0.6 | ← | ← |
ビット長(ミクロン) | 0.41~0.43 | 0.28~0.30 | 0.27 |
トラック幅(ミクロン) | 0.74 | 0.59 | 0.74 |
トラックフォーマット | ウォブルランドグルーブ | ← | スパイラルピット列 |
物理アドレス | ピット | ← | ← |
変調符号 | 8/16,RLL(2,10) | ← | ← |
セクタ長 | 2048ビット | ← | ← |
エラー訂正ブロック長 | 16セクタ | ← | ← |
エラー訂正符号 | リードソロモン積符号 | ← | ← |
記録方式 | ZCLV | ← | CLV |
□株式会社日立製作所のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/index-j.html
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9709/0909a.html
□参考記事
書き換え可能な大容量光ディスク関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970904/rw.htm
('97/9/9)
[Reported by furukwa@impress.co.jp]