【業界動向】

東芝、日立、松下がデモンストレーションを実施

DVDフォーラム、DVD-RAM 1.0の技術説明会を開催

'97/8/25 開催


DVD-RAM DISK  「DVDフォーラム」は、DVD-RAM 1.0の報道機関向けの技術説明会を開催した。席上、東芝、日立、松下の3社の試作機によるデータ互換のデモも行なわれた。また、4.7GB容量の次世代規格について一部情報が公開された。

 DVD-RAM 1.0規格は、先週ECMAに提案されたが、「JISにも7月にプロジェクト提案をしており、ISO(国際標準機関)による国際標準化をめざしたい」、「規格成立の日程にはJISが'98年春、ECMAが'98年初夏を予定している」としている。

 今回の2.6GB容量の規格決定にあたっては、「データの信頼性を優先し、容量は押さえめ。DVD-ROMドライブがDVD-RAMを読めるようにするための改造が最低限の範囲ですむように配慮した」と余裕を持った規格であるとしている。「セクタアドレスの取得誤差が10の-23乗程度と、MOの10の-6~-8に対し高精度、10万回以上の書き換えに耐える」と規格への自信を見せた。

 また、ソニーが独自規格の別提案を行なうにあたって、ワーキンググループ内での意見対立があったのではないかという質問に対して「Format AとFormat Bという二つの提案からFormat Cという折衷案に落ち着いたが、最終案についてはどのメーカーからも反対票は投じられていない」として、一致した決定であることを強調した。

 今回のDVD-RAMを読むためには、新しいDVD-ROMドライブが必要だが、「必要な改造は制御系を中心に最小限で、ファームウェアなどの改造も含めて、コストアップ要因にはならないと判断している」という。

 デモは、東芝、日立、松下のそれぞれのドライブで書き込んだ画像データを他の2社のドライブで読み込んで表示させるというもので、トラブルなく終了した。  なお、ライセンスについては、「現在、DVD-ROMの関連特許をメンバーが自己申告し、第3者による評価をベースに決定しようとしている段階であり、DVD-RAMについてはそれ以降。許諾のルールは各社に任せており、フォーラムは関与しない。また、決定の期限なども規定していない。」として、当分未定の状態が続くことを明らかにした。

 次世代の4.7GB容量の規格については、レーザー波長は635/650nm、ウォブルドランドグルーブ方式、面記録密度:3.5Gbit/平方インチと2.6GBと基本方式は同一で密度を高めた規格となっている。実現にあたっては「すでに技術的にはほぼ確立しており、第2世代ではなく、2.6GBと同じ世代、1.2~1.5世代ぐらいの感じ」であり、「'97年秋には規格化に着手し、バージョン1.0は'98年秋に出したい」、「製品化は'99年になるだろう」としている。これが予定どおりであれば、2.6GB規格の寿命は2年ほどになる。互換性については、「既存のDVD-ROMと基本的な仕様は同一であり、互換性がとれる方向へ規格化を進めたい」と述べるにとどまった。

 規格作成のワーキンググループについては、「10月にメンバーを募るが規格についてコントリビュート(貢献)できるメンバーに絞り、フォーラムの他のメンバーへの情報提供は別の方法を考えたい」とし、今回規格作成に参加しながらも製品化を行なわなかったソニーなどのメンバーの参加が微妙であることを示唆した。一方で「NECさんは参加資格がある。コントリビュートしていただけるメンバーだと考えている」として現在はDVDフォーラムに参加していないNECへの高い評価を明らかにした。

東芝試作機 日立試作機 松下試作機

('97/8/25)

[Reported by date@impress.co.jp]


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