【リレー連載 物欲道修行記】


リレー連載 物欲道修行記

第46講 気絶派 師範:スタパ齋藤

 第46講では、ハードをこよなく愛するスタパ師範が、どのようなツールで愛用のマシンのお手入れをしているかを披露してくださっています。また、スタパ師範は現在あらゆるルートを駆使してパワーザウルスgetに向けて準備中ですので、そちらもお楽しみに。


俺が買い集めたコンピュータメンテナンスツール類

夏だ陽射しだ!! 海に山に川に!!

 もうじき我々はやたら輝度の高い惑星を空に見ることであろうっていうか夏が来るというか来たわけだが、夏と言えば? さあ元気に答えてくれ。夏と言えば?
 そうだその通りだまったくもってアンタって人はバッチグー的にわかっててクールだ!! そうなのである。夏と言えば昼間の陽射しを求めて海や山や川に行ったりせず、冷房がキンキンに効いた部屋に閉じこもってカーテンを閉めてぐっすり寝て、そして夜中に起き出してコンピュータで遊んで疲れ果ててまた昼間ぐっすり寝るのが我々コンピュータマニアなのだ!! え? てめえと一緒にすんじゃねえって!?
 まあマニアであるかどうかはさておき、やはり夏というのは高気温であって、気温が高いところに加えて計算機が発熱するというのはとてもイヤであるのは誰もが感じるところなので、ここはひとつコンピュータの電源をOFFにして、たまにはマシンの掃除とかメンテナンスをやってはいかがだろう、ということで今回は俺が買い集めたコンピュータメンテナンスツール類について書いてみたい。


基本は埃落とし

 コンピュータを使っていると、まずハードウェア外面の汚れが気になってくる。とくによく使う、マウスやキーボードの汚れ。いわば手垢だ。購入時はピカピカだったあなたのマウスをよく見てほしい。接合部分の凹みに垢がたまっていないか? 表面にザラザラした気持ちの悪い汚れがこびりついていないか? いないなら、オッケー!! そうでなければ、即掃除!! とにかく垢を落とそう。
 さあキレイになった。が、これから先が大切だ。

 キーボードやマウスは使っていると垢がたまるものだ、と思いがちだが、そうでもない。キーボードやマウスの表面についた埃をこまめに落としていれば、垢なんてめったにたまるものではない。これホント。垢は我々が出す油と、キーボードやマウスの上に積った埃が合体してできるのだ。だから、こまめに埃をはらっていれば、ハードウェアに垢がたまることは(ほとんど)なくなる。垢以外の、たとえば煤けとか黒ずみとかも(だいたい)同じだ。いつも埃をはらっていれば、そう簡単には汚れないのだ。

 というわけで、最初のメンテのハードウェアの埃落とし。まずはブラッシングからだ。
 で、パソコンショップにブラシを買いに行くと、案外イイのが置いてない。静電気利用のヘンなアレとか、ヤケに柔らかい毛が植えられてるソレとか。いまひとつシックリ来ない。で、ぜひオススメしたいのが、カー用品店で売られているダッシュボード用のクリーニングブラシ。やや硬いビニール製の長い毛があるブラシだ。
 俺はここ2年ほど、このクルマのダッシュボード用のブラシを使ってマシンなどを掃除しているのだが、かなりイイ。硬めの毛なので、ホコリをビシッと落としてくれる。ブラッシングに加え、ブラシの届かないような隙間を小型掃除機で吸っておけばパーフェクト。俺などはいつもこのダブル攻撃を行なっているのでホレ、俺の使っているキーボードやマウスには、垢など全然つかないのである。

◆ブラシ
キーボードやマウスにつく手垢の原因は、ホコリと手の油。手洗いの習慣をつけて、こまめにハードウェアをブラッシングすれば汚れ無用。が、パソコン用の高価なブラシなど買う必要ナシ。安価なクルマ用のブラシが吉。ダッシュボード用のブラシは、ダッシュボードからカーコンポまでに使えるようになっているので、パソコンにも問題なく使える。でもディスプレイ表面はこすらない方がいい。
◆ブラシ使用中
パソコンに使うにはやや硬い感じもするが、硬めの方がホコリがよく取れる。
◆小型掃除機
思い立ったらすぐに使える小型掃除機があると便利。デッカイ掃除機に隙間用のアダプタ付けるのもいいが、アレっていちいち出してくるの面倒でしょ? なのですぐに使える小型掃除機。


さらにさらに、と掃除マニア化

(左)◆ウェット紙類
いろんな製品があるが、使ったら、ウェットティシュから出る液体もきれいにぬぐい去ることが肝心。ウェットティシュ攻撃+ブラシ攻撃で、パソコンはいつもピカピカ。ついでに、パソコンを使う前に、人間用のウェットティシュ(右端)を使って手をキレイニしておけば、マジでパソコンがずっとキレイなまま。
(右)◆液体クリーナー
アルコールや界面活性剤を含んでいないタイプのスプレー型クリーナーがよいのではないだろうか。俺の場合は、ULTIMA、BATTLE21というふうに使ってきたが、今のところノープロブレムである。

 ホコリを落としたが、なーんかキレイな感じにならない、という場合は迷わずパソコン用ウェットティシュ型クリーナー。いわゆるOAクリーナーの出番だ。まあ、どれも似たようなモンなので、どれを使ってもいい。が、使った後に、ウェットティシュから出る液体自体もしっかり拭い取っておくことだ。その液体は汚れの汁のようなもの。拭わないと、汚れの縞模様ができたりして愉快だが残念。
 あー気持ちイイ!! ついでにディスプレイの表面もこのウェットティシュで、というのはやめた方がいい気がしないでもない。俺の経験からすると、というか、多くの人が経験しているように、万能のウェットティシュ型OAクリーナーでディスプレイ表面を拭いても、いまひとつきれいにならない。なーんか、汚れを塗り込んでいるような感じになってしまい、汚れの筋ができてしまう。
 なので、ディスプレイ表面の汚れ(指紋や液体のシミ)を拭く場合は、スプレー型クリーナーがいい。ディスプレイ表面に液体をシュッと吹きかけて、布などで拭き取るスタイルのアレだ。で、俺の場合は、ULTIMAというスプレー型クリーナーを使っていたのだが、最近近所のショップに置かれなくなってしまった。なので現在使っているのがBATTLE21というやつ。まあ銘柄にはあまりこだわらないのだが、アルコールや界面活性剤を含んでいないタイプのものを使っている。
 アルコールのコトはよくわからないが、界面活性剤を含むクリーナーで今時のディスプレイの表面を拭いたりすると、ノングレアすなわち無反射のディスプレイがテカテカになったりすることもある。もちろん、ガラス磨きスプレーでディスプレイ表面を拭いたりするのもよくない。
 で、このアルコールや界面活性剤を含んでいないタイプのスプレー型クリーナーをディスプレイ表面に吹きかけたら、布やティッシュではなく、料理用の柔らかいタイプのロールペーパーのような、埃が出にくい紙で拭くといい。布やティッシュなどだと、繊維が画面上に残って、汚れのあとがクッキリ残ったりすることが多い。


そして磨きマニアへ

◆CD関係
CD-ROMをキレイにする場合、音楽用CDのクリーニングキットなどをそのまま流用すればいい。CD-ROMについた(少しくらいの)傷は、CD補修キットなどを使えば消すことができる。
◆磨き粉関係
プラスチックやアクリルの表面の傷を落とす磨き粉類。布タイプ、ジェルタイプ、液状のものなど、いろいろある。俺のオススメは、左上の液状タイプ。サングラスの傷からPHSの液晶の透明カバーの傷まで、全部落ちた。すごい威力。なお俺は、この液状タイプをセーム皮(左下)につけて使っている。

 ついでだが、CD-ROMのクリーニングもやっていきたい!! けっこう雑に扱いがちなCD-ROMだが、よく見るといろいろな汚れがついているもの。まあ多少汚れてたってデータをガンガン読んじゃうのが最近のCD-ROMドライブだったりするが、でも精神衛生上、たまには掃除もしてあげよう。

 CD-ROMの掃除は、音楽用CDのクリーニングキットをそのまま使える。500~1,000円で売られているので、それを買って使うか、あるいはOAクリーナーで汚れを拭き取ってもいい。注意すべきは1点。CD-ROMの円の中心から外側に向けてなるべく一直線で拭くこと。円周に沿って拭くのはマズい。データが円周に沿って並んで書かれているから、円周に沿って傷をつけてしまうと、致命傷となる可能性が高いから、だそうだ。
 が、多少の傷なら落とせる。たとえばCD用のキズ補修キットを使えば、かすり傷程度ならキレイになくなってしまう。さらに、ちょっと深めの傷も、プラスチックやアクリル専用の磨き粉を使えば消すことができる。まあ、傷が消えても、CD-ROMの表面が歪んでしまうと、正しくデータを読み出せなくなってしまうので、同じだが、最後の手段として試してみるのは悪くないだろう。

 ところで、写真の各種磨き粉類は、携帯電話やPHSの液晶表示部分表面の透明なカバー部分の傷などもキレイに落とせる。あと、プラスチックのサングラスの傷もだ。電卓の液晶の透明な部分の傷などもだ。つまり透明アクリル樹脂の傷をキレイサッパリ落としてしまう磨き粉なので、パソコン以外にもいろいろ使えて便利だ。


パソコン野郎のマストアイテム

 なんか、掃除アイテム紹介という感じになってしまったわけだが、ついでに、俺が愛用している掃除以外の必需品を紹介したい。

 まず基本中の基本、ペンチ類とドライバーだ。常用するのは2本のペンチと1本のドライバーと、ドライバー用のヘッド(ビット)がいくつか。曲がりやがったコネクタ部のピンを矯正したりSIMMの押さえ金具をグイッってやったりする小型のラジオペンチと、ムカつく不良ケーブルをブチ切ったりビニール導線の皮剥きをしたりするニッパーと、プラスとマイナスとトルクス(星型)のヘッドを取り替えられるドライバー。
 それから、案外便利なのが、覗き鏡(正式名称は知らない)。伸び縮みするアンテナのような棒の先に、角度調整ができる鏡が付いているシロモノで、細い隙間から奥を覗いたりするときに便利。たとえばパソコンデスクの前面から、背面のケーブル接続状況をチェックするようなときに使う。互換機の組み立て時にも便利。
 それと、ハンドライト類。懐中電灯でいいわけだが、1本だと不便。据え置きで使えるものと手に持って使えるものの、最低2本は用意したいところ。これに覗き鏡が加われば、まあたいていのトコロはハッキリ見て確認できる。
 配線時や互換機組み立て時には、結束バンド類があると便利だ。これはケーブルをギュッと縛るビニールバンドやビニール皮膜の針金だ。これらを使ってパソコン背面のグジャグジャ状態のケーブルをスッキリさせておくと、ハードウェアの増設やメンテナンスのときに混乱しなくなる。ビニールバンドの方は、一度締めたら緩められない(アメリカでは手錠がわりに使われてたりしますな)が、一生緩まないでほしいケーブルなどを束ねるのには便利だ。いわゆるホームセンターなどの電気コーナーや、電気屋で売っている。

◆ドライバーとペンチ
ラジオペンチとニッパー、そしてドライバー類は、とりあえず持っておけば便利。この3つがあれば、互換機組み立てくらいはできる。
◆覗き鏡
比較的怪しい感じがするアイテムだが、ヘンなコトに使うのではなく、手が届かないし見えないような隠れた場所を、鏡で見るために使う。
◆ライト関係
据え置きタイプとハンドライトがあると便利。SIMMやカード類を増設するときなど、一応見える程度の明るさより、ハッキリ見えるような明るさのもとでやるのがいい。暗いと、コネクタで導線をかんだり、手探りでやってコネクタを痛めたりしがち。
◆結束バンド
左が“一度締めたら一生緩まない”タイプ。右はビニールで覆われた針金のようなもの。これらを使ってだらしなくヨレたケーブルを整理すると、キレイであるうえ、後々混乱しなくなる。どちらも非常に安い値段で買える。

 で、これらのアイテムをワンパックでケースに収める。秋葉原とか電気店とかホームセンターの工具コーナーで売られている、工具ケースだ。常用する工具をこの中に入れておくと、ことのほか便利。“パソコン用”として工具一式をケースに入れても、合計1万円はかからないので、よくパソコンをいじる人には、パソコン専用工具パックを作ることをオススメしたい。

 最後に、デジカメ。液晶ディスプレイがついてて、簡単にテレビにつなげるデジカメがあると、何かと便利。たとえば、複雑な配線をしてしまったマシンの置き場所を変えるとか、マザーボードを一度外すとか、ケーブルやらカードやらを一度抜いてまた元に戻すときなどは、デジカメの出番。最初の状態をデジカメで撮影して、何も考えずにケーブルを抜いたり分解したりする。で、元に戻したり組み立てたりするときに、デジカメで撮影した映像を見る。映像どおりになるように組み立てたり接続したりすればいい。すなわちビジュアルメモとして大いに役立ってくれるわけだ。

 というわけで、なーんなジャンクな感じでもあるが、どれも結構使えるアイテムなので、興味のある方はぜひ一度試していただければと思う。

◆ケース開
パソコンに関係のある工具類は、“パソコン専用”としてワンパックにしてし まうのも便利。互換機組み立て野郎の人なら、既にやっていることだろう。
◆ケース閉
工具ケースを閉じたところ。工具をコンパクトに凝縮すると気持ちよい。
◆デジカメ
映像のメモとして大いに役立つ。配線位置や導線の色とピン番号などを紙にメ モしなくても、一発写真に撮っておくだけで済む。走り書きより、映像を見た 方が後々の作業も混乱しなくなる。


[Text by スタパ齋藤]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp