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MAGIC:The Gathering
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手を出すと、その呪縛から逃れられなくなるカードゲームがある。私は「悪魔のゲーム」と呼んでいる。その名も「MAGIC:The Gathering(以下、MAGIC)」。このゲームの危険なところは、知らず知らずに、大金を投入してしまうところにある。
まず、このゲームをプレーするには、スターターパック(ゲーム開始直後に購入するべきパック。ほかに10枚前後のカードをひとまとめにしたブースターパックというのがある)と呼ばれる60枚前後のカードが必要となる。
だが、本当に必要なカードというのは、スターターパックの中のすべてではない。したがって、自分が必要とするカードを求めてさらに、スターターなり、ブースターなりを購入することになる。こうやって、次第にカードが増えていくのだ。
カード版では、原則として1対1で対戦を行なう。デッキが1つしかないと対戦相手に手札を読まれるので、複数のデッキが必要だし、メーカーはある期間で、カードのバージョンアップを行なう。となると、またまたカードを購入することになる。
あーっ、ヤダヤダ。私もゲーム自体は楽しいと思うが、メーカーに躍らされているような気分になったので、早々に撤退した。それが1年くらい前の話。いまでは至るところ、本屋にまでカードが売っているメジャーなカードゲームとなった。
●PCゲームで再びプレー!
PC版では、カードはすべてゲームの中の街で購入できるので、ソフト代だけでいいのがなにより。というわけで、レビューで登場となった。
このゲーム、カード版と同じように各種のカードを組み合わせて「デッキ」を組み、デュエル(カードで対戦すること)を行なうモードと、RPG風にプレーするShandalarというモードのふたつがある。今回はShandalarについて話をしようと思う。これがけっこうおもしろいのだ。日本語マニュアルでは触れてない部分も多いので、その辺をくわしく紹介しよう。ちなみに、Shandalarというのは、冒険する世界のことだ。
ゲーム起動後はまず難易度を選択し、最初に所有するカードの色を選択する。色は黒、白、緑、青などがあり、白だと黒いカードに強い、などの相性がある。もしMAGICをプレーするのが初めてなら、緑を最初に選ぶといい。デュエルの際には、まずLandというカードを出し、そこに書かれた「マナ」と呼ばれる数値によって出せるクリーチャーなどが決まってくるのだが、緑にはマナが少なくても出せるクリーチャが多くて、展開が早い。だから、カードの枚数が少ない初期でも、なんとか闘える。青とか黒を選ぶと、けっこう苦労する(体験談)。
選択した難易度によって、最初に持てるカードに含まれる色の割合も決まるのだが、いちばん簡単なApprentice(見習い)でほとんど、Magicianでも2/3くらいが自分の色のカードかな。残りのカードは「無色」など、ほかの色となる。ここまで終わると、PCがワールドマップを生成し、ゲーム開始だ。
●悪のウイザードを倒せ!
Shandlerでの目的は、5人のウイザードを倒すことにある。5人ともけっこう強いことは強いが、絶対勝てないワケじゃない。よくいわれることだけど、MAGICで「絶対」ということはない。どんなに強いデッキを作っても負けることはある。それはカードのシャッフルによって手札の順番が変わるなど、目に見えない要素が多分にあるから。この5人はウイザードの頂点に立つ人たちなので、ライフもけっこう多い。しかも、特殊能力を持っているときたもんだ。たとえば、「Black Castle」にいる「Azaar-Lichlord」は、クリーチャーの攻撃力などがアップする<Bad Moon>というカードを出した状態でデュエルすることがある。まあ、それだけだったらなんとかなるんだけど、とにかくコイツは手が早い。2ターン目くらいに、ムリヤリ<Sengir Vampire>というクリーチャーを召喚したりする。でも、プレーヤーの色が白ならコイツには楽勝だし、緑なら<Winter Blast>や<Hurricane>、青なら<Control Magic><Steal Artifact>が役に立ちそう、と対策はいくらでも立てられる。
あんまりいうとおもしろくなくなるので、詳しくは書かないけど、特殊能力が必要なのがよくわかる。とにかく、このゲームでの必勝法は、いかに使えるカードを得るかにかかっているといえる。
●プレーの際は、デッキの構築にGoldを投入しよう
まず、プレーヤーがすることは、カードを厳選し、いらないカードを売ること。このゲームでGoldを得るには、基本的には持っているカードを売るしかない(厳密にいえば、それだけじゃないけど……)。ゲーム当初の所持金は200Goldだが、必要なカードを買ったり、食料を買ったりしていると、すぐになくなってしまうので注意。なにはともあれ、まず近くの村か町へ行こう。ウロウロしていると敵とエンカウントして、デュエルするはめになる。自分がどんなカードを持っているかもわからない状態でデュエルするのは非常に危険なので、村でカードを編集することが先決。村に入ったら、デッキの中を見る。そして、いらないカードを抜いて、必要なカードを買い足す。すべてのカードを1つの村でそろえられるワケではないが、とりあえず行ってみて、どんなカードが売っているのか確認する必要がある。そして、自分の色と違うカードばかりであれば少し移動して、必要なカードを得るために村を転々とする。
このように村にはいろいろお世話になる。村では基本的に、カードの売買/デッキの編集/食料を買う/クエストの依頼を受ける、の4つの行動ができる。この中のクエストとは、村にいるWise Man(賢者)から仕事を受けて、完了すればアミュレットが手に入る。アミュレットは、ワールドマジックを発動するのに必要なパワーとなる。ワールドマジックというのは、Shandalarの世界で使う魔法のこと。これはデュエルで使うモノとは違う。ワールドマジックは全部で12個あって、ゲーム初期に必ずひとつはプレーヤーに与えられている。何が与えられるかは、最初に選んだ色で決まってくる。たとえば、緑を選んだならば、「Winged Sandals」を持っているはず。これの効果は、プレーヤーの移動速度が一定期間、通常の2倍となる。ワールドマジックは村や町で売っている。プレーヤーがワールドマジックを購入するのに充分なGoldを持っていれば、村を出るときに、「ワールドマジックを買わないか?」というようなメッセージが表示されるはず。ほしければ購入すればいいのだが、絶対必要というわけじゃないので、Goldが余っていれば買ってもいいかなという程度。やっぱり最初はデッキの構築にGoldを投入しよう。
●カード版をプレーする前に、PC版をプレーしてみよう
もし、カード版をプレーしたいと思っているなら、PC版をプレーしてからでも遅くはない。プレーの仕方はほぼ同じだし、これならルールも理解できると思う。ただ、やっぱり英語が読めないとツライよなぁ。ゲーム中のメッセージが全部英語なのは当たり前としても、付属する日本語マニュアルも貧弱なので、これだけじゃとてもゲームを理解できるとは思えない(編集部注:日本語版は、今夏に発売が予定されています)。
そのへんをもうちょっと考えてくれれば、よくできたゲームだと思う。ゲームのレスポンスも悪くないし、PCの思考もけっこう早い。将来的にはインターネットで対戦もできるようになるらしいから、いまからプレーして腕をみがいておいてはどうだろう。
[Reported by 尾道晃]
□Weekend Summary
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