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インテルプレスセミナーレポート
「日本市場の次の目標は家庭とスモールビジネス」

Craig R.Barrett氏 '97/6/24開催

 インテル株式会社のプレスセミナーが都内で行なわれ、明日からのWindows World Expoにむけて来日した米Intel社首脳の講演が行われた。

 まず、社長兼CEOのCraig R.Barrett氏が「21世紀に向けてのパーソナルコンピューティング」という表題で、日本のPC市場、インターネット、ビジュアルコンピューティングなどをテーマとした講演を行なった。

 日本のPC市場について「米国と比較した際に、大手企業については導入実績の差が少ないが、家庭とスモールビジネスの市場については、米国に比べ4~5年遅れている。特に、家庭内での普及率は米国が44%なのにたいし、日本は15%にとどまっている。これは米国はもとより、台湾、韓国、オーストラリアなどにも遅れを取っている。」と述べた。

 「これからはインターネットのWebを介した、スクリーン to スクリーンの商取引が重要となる。この形の取引は、コスト面で有利であり、また、小さな企業にも大きな企業と同等のグローバルなチャンスを与えられる。その会社や商品の情報はスクリーンを介して伝えられるため、ビジュアルなコンピューティングはますます重要になる。3Dアニメーション、高解像度の画像、動画の圧縮・伸展などの技術のためにますますCPUのパフォーマンスは必要となる。また、AGPなどの新しいグラフィックデバイスも必要となる、3D技術は数年で10倍の改善がおこなわれるだろう。」と、Pentium II、AGPなどのデバイスを搭載した“ビジュアル・コネクテッドPC”への進化の必要性を訴えた。

 質疑応答の席では、AMD、Cyrixなどとの1,000ドルパソコンでの競争について質問が飛んだが「インテルはそれぞれの市場にあわせた多数のプライスポイントを持った商品を持っており、十分に対抗することができる。」と述べるにとどまった。また、米Digitalとの訴訟問題についても「インテルは特許の侵害はしておらず、逆にDigitalに対しての審判は順調に進んでいる。Digitalに対しての第3四半期以降の出荷は未定である。」と従来の主張を繰りかえした。

Mark Christensen氏  つづいてインターネット&コミュニケーションズ事業本部副社長兼ネットワーク製品事業部長のMark Christensen氏が「ネットワークコンピューティングの将来とインテルの戦略」という表題で講演した。

 「LANカードの出荷は、'97年後半の時点で10BASE-Tと100BASE-TXのLANカードの出荷数は逆転する。特に日本では今年出荷される400万ノード分のうち53%が100BASE-TXとなる。インテルは'97年第1四半期の時点で、LANアダプタとマザーボード搭載のLANチップをあわせて100BASE-TXのシェアの80%を占めている。この分野でも重要なのは標準化であり、われわれはつねにオープンな標準に基づいている」と述べ、Fast Ether(100BASE-TX)を中心に当日発表された自社のネットワーク機器を中心に解説が行なわれた。

 なお、Windows World Expoでは開幕初日の25日にCraig R.Barrett氏の特別基調講演が予定されている。



('97/6/24)

[Reported by date@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp