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米Connectix社は6月18日、Power Macintosh上でPCソフトを実行できるエミュレータソフト「Connectix Virtual PC 日本語版 (with Windows 95)」を発表した。日本国内では株式会社メディアビジョンおよび株式会社システムソフトを通じて、7月下旬より標準価格39,800円で発売する予定。実売価格は28,000円程度になる見込みだという。
「Virtual PC」はPCのエミュレータで、Intel Pentium MMXインストラクション・セット、Sound Blaster Pro、S3ビデオなどのコンポーネントを採用している。こうしたPCの標準的なハードウェアをエミュレートしていることにより、Windows 95、Windows NT、Windows 3.x、DOS、IBM OS/2、NeXT OPENSTEPなど、さまざまなOSをPower Macintosh上で稼働させることが可能だという。
発表会に出席したメディアビジョンの専務、福田善康氏は、「Macintoshは現在苦戦しており、今後Windowsの市場はさらに拡大するだろう。Mac用ソフトのベンダーも、Windowsプラットフォームへ移行が進んでおり、Mac版の開発をやめるところも出てきている。ソフトがWindows用しか出ない、という局面は今後増えてくるだろう。「Virtual PC」により、MacでもWindows用のアプリケーションが使えるようになる意義は大きい」と「Virtual PC」への期待を述べた。
日本で発売される製品はWindows 95を同梱したパッケージのみだが、米国ではWindows 3.1とMS-DOSを同梱したパッケージも発売される。同梱されるWindows 95はOSR2。PCにプリインストールされているのと同じもので、特別なチューンはなされていない。製品の開発にあたってはMicrosoft社と協力しており、Memphisのかなり初期のバージョンではすでに問題なく動いているなど、Windowsの今後のバージョンアップにもすみやかに対応できるとのことだ。MMX対応についても、Photoshopや何本かのゲームソフトでは問題なく動くことを確認したという。また、Windows 95を「DOSで再起動する」ことにより、DOSのゲームも実行できる。
「Virtual PC」ではEthernetアダプタ、CD-ROM、プリンタ、モデムなど既存のMac用周辺機器を認識する。そのため、Windowsの書類のプリントアウトなども自動的にMacのプリンタから印刷でき、Ethernet上のPCファイルの共有やPCサーバへのアクセスも、ハードの追加なしで行なえる。
Connectix社は、Windows新バージョンへの対応について、競合する従来製品「SoftWindows」との比較では、「SoftWindows」はPC用の一般的なWindowsとは違う特別なバージョンのWindowsであり、新バージョンへの対応は「Virtual PC」の方がすみやかにできる、と述べた。このほか「SoftWindows」はWindowsのエミュレータで、「Virtual PC」はPCエミュレータであるという根本的な違いもある。また、価格的にも「Virtual PC」ははるかに安いため、「SoftWindows」には手が出なかったユーザーも気軽に購入できるだろう。
会場でのデモでは、Power Macintosh 9600/233（メモリ48MB）が使用されたが、Power Macintosh 7600/200も展示されており、7600/200でも、通常使っているPentium 166MHzを搭載したPCに比較するとウィンドウのオープンなどがもたつく感じはするものの、補助的に使うには十分なレベルという印象を持った。ExcelやWordなどMacintosh版も用意されたアプリケーションでも、バージョンが違うためにファイルが読めない、あるいは圧縮ファイルの解凍ができないなどで不便を感じているユーザーに歓迎されそうだ。
□米Connectix社のホームページ(英文)
http://www.connectix.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.connectix.com/html/connectix_virtualpc.html
□システムソフトによる製品情報(和文)
http://www.systemsoft.co.jp/PRODUCTS/connectix/virtualpc.html
('97/6/18)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]