【イベント】

【COMDEX/Spring '97レポート】

Watch編集長の COMDEX/Spring '97 2日目レポート【MPEG付】

'97/6/2~5 開催(現地時間)
開催地:アトランタ


●PowerPCのWindows CEのプロトタイプ


Microsoft Partner
【Microsoft Partnerブース】
PowerPC Windows CE
【PowerPC版Windows CE】
 Microsoftブースでは、期待していたWindows CE 2.0のβは見ることができず、NetPCなども見ることができなかった。大型のシアターでは、Internet Explorer 4.0や昨日紹介したOffice 97 intranet starter kitなどのデモとIISなどサーバー側のでもがいくつかに別れて行われていたが、どれも既に製品だったりベータ版が配布されているものばかりだ。

 向かいにある、Partner Pavilionでは、横幅1メートルぐらいのブースが屋台のように繋がっている。こちらは、ActiveXコントロールや小さなユーティリティが中心だが、見たことのないものも多く興味がそそられた。

 その中で注目したのが、Citrix SystemsのWinFrameとMotrolaのPowerPCのWindows CEマシンだ。WinFrameは後藤氏の海外コラム等でも何度も紹介されている、バックエンドのWindows NTマシンでアプリケーションを実行し、クライアント側はその表示を行うだけという仕掛けだ。興味があったのは実際どれくらいのスピードで動くのかたということだが、10BaseTを介する場合はほとんど通常のWindowsと区別がつかなかった。28.8Kbpsのモデムを介してのデモでは、グラフィックの多いWebよりはかなり早く描画していた。このグラフィックの転送にはCitrix社独自のプロトコルを使用しており、そのため速いのだとのこと。

 MotorolaのPowerPCのWindows CE機は、見るからにプロトタイプという形の大型のもので、現在はWindows CE 1.0が動いているとのこと。実際に製品にする際には、Windows CE 2.0を搭載する予定で、Windows CE 2.0の出荷予定である第三四半期には製品を投入する予定だとのことだ。Motorolaブランドで出荷されるかどうかは不明。



●USBの製品は10月頃がラッシュか?


パビリオン全景

【USB Pavilion全景】
 COMDEX会場にあるUSB Pavilionには、キーボードやプリンタ等様々なUSB商品が置かれていた。中でも多いのが、デジタルカンファレンス向けのカメラ。ConnectixやKodakなど有名な企業も多い。

コダックのDVCブース
【コダックブース/MPEGムービー 3.3MB】
DVC300のアップ
【DVC300】
DVC300の箱
【DVC300の箱】
USB版QCAM
【USB版QCAM】
指紋判別装置
【指紋判別装置】
 特にKodakは既に製品として出荷されており、会場内でも189ドルで売られていた。Kodakのブースで聞いたところによると、CU See MeやNetMeetingなどのVFW対応のカンファレンスソフトならすべて動くとのことだった。ただし、こちらが聞く前に「USBがついているパソコンなら何でも動くとは思わないでください」と念を押され、USBサポート付きのOSR2できちんとMicrosoftが動作を保証しているものでないと無理のようだ。どうやったら見分けられるのかという問いには「とりあえずつないでみる」との返事だったので(もちろんその前には「USBのボードメーカーでないから完全には分からない」とついていたのだが)、USB搭載の初期のモデルの人は要注意だ。ちなみに、Kodakブースでのデモ機は黒のAptivaで、その他に最近のDellなどでも動作は確認しているとのことだった。画素数は640×480でもちろん静止画もとれる。また電源もUSBからとるので、USB以外のケーブルを接続する必要はなく、配線も簡単である。

 USB Pavilionにあった周辺機器には、指紋判定機やリモコン型ポインティングデバイスなどちょっと変わったものもあったが、さらに面白かったのはどのデバイスも、今年の10月頃にリリースされると説明があったこと。Connextixは、9月頃の製品化を目指すとしており、USBデバイスはこの秋にブレークすることになりそうだ。



●出版社はラジオ局やテレビ局がお好き?


PC Week Radio
【PC Week Radio】
 このレポートがWebに掲載されている頃には、幕張のN+Iの会場で弊社がデジタルステーションと称してインターネットテレビをやっているはずだ。同様に、COMDEXの会場でも、ZiffDavis社のブースでZD TVと称してステージ上でテレビの収録をやったり、PC WEEK Radioと称してミキサーとヘッドセット、カセットだけで収録していたりと似たような光景に出くわした。

 ただ、日本と光景が違うのは、異様に簡単な設備で収録していること。テレビにしたって、ステージの中央の前に柱があったり、ラジオになるとほとんどプロレスの中継席程度で長机と椅子しかない。このいさぎよさ、割り切りのすごさに学ぶところは多いような気がする。



●Windows CEをプレゼン用に


Windows CE Presentation
【EZSHOW】
Windows CE Presentation
【EZSHOWのデモ】
 Windows CEでパワーポイントを!という看板に引かれてブースを見ると、実はPCMCIA Type2に差すカードで、VGAやNTSC/PALを出力するというもの。WindowsパソコンやWindows CEまでは分かるのだが、さらにNewtonまでサポートというなんでもありの怪しげな商品だった。ただし、デモンストレーションはWindows CE機とWindowsノートパソコンだけだったのでNewtonでどのように出力されるかは不明だ。値段は、$249~$299。一番安いモデルはVGAのみの出力となっている。このVGAのみモデルは既に販売中で、NTSC/PALをサポートしたものが、7月末出荷予定。問い合わせは、sales@ezshow.comまでとのことだ(もちろん英語で問い合わせてください)。


●グラフィックカードはPlayStationと比較する時代に


ATi DEMO
【XPERT@Play】
ATi DEMO
【PlayStationとの比較デモ】
 グラフィックカードには興味がないという、Windowsユーザーあるまじき感性の私であるが、ATiのデモンストレーションには思わずうなずいてしまった。なにしろ、比較の対象が他社のボードや自社の旧型機ではなく、プレイステーションなのだ。XPERT@Playと呼ばれるこのボードは、グラフィックカードで比較するとMatroxのMystiqueやDiamandのMonster 3Dあたりの対抗商品らしい。これまたゲームにも詳しくないので、単純にプレイステーションとの比較となるが、ゲームのスピードはまったく損なわずに、さらに画素の木目細かな描画になっていて、画面だけの比較なら迷わずXPERT@Playを選ぶだろう。さらに、TV出力も可能になっており、デモの様子を見てもゲーム機をかわずにXPERT@Playを買おうということなのだと思うのだが、残念なことに筐体の大きさの違いだけはいかんともしがたく、おそらくついでに総コストもその大きさほどに違うことになるのだと思うと、やっぱりプレイステーションかもしれないとも思った。

ATi DEMO
【XPERT@Playのデモ/MPEGムービー 1.5MB】
ちなみに、XPERT@Playの諸元は以下の通り。



●おまけ Kai's Photo Soapの少年説明員


かわいい少年
【Photo Soapのかわいい説明員 /MPEGムービー 2.3MB】
 Photo Soapに関しては山田久美夫氏のレポートで紹介されているので、私からは再度紹介しない。しかし、その説明員がかわいい少年で、いかつい説明員の中でひときわ注目を集めていた。会場の客がわざわざPhoto Soapを買って「ぼうず買ったぞ!」と声を掛けていくほど。そこで、説明の様子をMPEGで収めたのでいったいどのような少年なのか見てもらいたい。




【編集部注】

('97/6/4)

[Reported by ken@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp