「COMPUTEX TAIPEI '97」が3日、いよいよ台湾・台北市で幕を開けた。会期は7日までの5日間。850社を超える台湾を中心としたメーカーらが一堂に会し、新製品や新技術を展示。その会場は多くの人で賑わった。
【国際会議センター】 |
【会場風景/MPEGムービー 2.6MB[11秒]】 |
初日の会場は小降りの雨という条件の中、多くの人で賑わい、このショーの関心の高さをうかがわせた。基本的に、参加者はバイヤーという立場で入場する形になるわけだが、やはり日本人の数は相当なもの。出展しているメーカー側にも、日本語で応対できる説明員が待機している場合が多い。
さて、初日はまず会場のすべての展示を広く浅く見ることに終始したのだが、感想は一言で言えば、それほど新味はなかった、というのが正直な感想。基本的には事前に予想できた製品が幾つか見られた程度で、それほど驚くような新製品や新技術にはお目にかかれなかった。まぁ、これは少しばかり期待が過ぎたというところか。
ここ数ヶ月でAMDのK6、IDTのC6、Cyrixの6x86MXと発表が相次いだ新しいIntel互換CPUだが、このCOMPUTEX TAIPEIの会場にはすべてが勢揃いしている。
【AMDブース】 【K6のプラカード】 【K6 PR233デモマシン】 【ElanSC】 【ElanSC】 |
もちろん、AMDにとってもっとも強い武器だと言えるのはMMX Pentiumと互換のあるK6であることに違いはないが、ブースではもう一つのCPU「ElanSCシリーズ」も大きくアピールし、入場者の高い注目を集めていた。これはもともと486をベースに、省電力などの機能を加えて組み込み機器用に開発・販売されているCPUで、最近はWindows CEに対応するCPUとして名前にあがったことから、急速に関心が高まっていたもの。ブースでは、実際にWindows CE 1.0を搭載した試作機が公開されていた。その試作機を触った限りでは、きびきびとした動作を実現していて好印象を持った。Windows CE対応としては、SH-3などRISC系CPUが先に実績をあげているが、消費電力やコストの点でうまく展開できればかなり有望かもしれない。
【Cyrixブース】 | 【6x86MX対応マザーボード】 |
【6x86MX】 | 【MediaGXのパネル】 |
Cyrixのブースは、もちろん発表されたばかりの6x86MXがメイン。大きくロゴ付きのパネルが掲示されたほか、ブースの壁には6x86MXに対応した各社のマザーボードをならべ、対応の早さと幅の広さを誇示していた。実際にいくつかのマザーボードメーカーに聞いてみたところ、従来の6x86に対応しているマザーボードであれば、BIOSのアップデート程度で多くの製品が対応できるという。マザーボードメーカーのブースでは、わざわざ6x86MXを実際に装着した状態で製品を展示するところもあり、互換CPUとしては一番よく目にする存在だった。Cyrixでは、ほかにも低価格PC用に出荷しているMediaGXも同時にデモしていたが、見ていた限りではあまり入場者の関心を呼ばなかったようだ。
【IDTブース】 【C6】 【C6】 【C6デモ機】 【C6搭載マザーボード】 |
そして、予期しなかったところからのIntel互換CPUの発表で話題を呼んだIDTのC6も、一般には初めてその実物と、動作デモが公開された。ブース自体はさほど大きくはないが、C6を搭載したデスクトップと、ノートパソコンをそれぞれデモし、多くの来場者が訪れていた。C6はダイサイズが小さいうえ、高度な消費電力管理を備えることで、どのPentiumクラスのCPUよりも低消費電力で駆動できる点、そして価格が安いこと大きな魅力だという(具体的な金額は教えてくれなかった)。ただ、製品の出荷が1997年後半と遅いことから、そのころにはほかのCPUとの価格差がどうなっているのかわからない。その意味でも、C6はまだまだ未知数の存在といえる。IDTによれば、すでにいくつかのパソコンメーカーとは採用に向けてコンタクトをとっているという。
●台湾勢からもデジタルカメラが続々登場
【PhotoRun 正面】 | 【PhotoRunの厚み】 |
【DC-300】 | 【DC-300】 |
【DCE-211】 | 【DCE-211】 |
SAMPOが出展したデジタルカメラはDCE-211。EPSONのCP-200に似たデザインで、記録解像度はVGAサイズ。標準1MBの内蔵メモリに16枚枚の記録ができ、オプションを追加すれば2MBに増設できる。来月から出荷を開始するが、価格はまだ公表できないとのことだった。
【SDC-33 正面】 | 【SDC-33 側面】 |
【VDC-100】 |
スキャナを得意とするMUSTEKも「VDC-100」という製品を出展。価格重視モデルで、スペックとしてはあまり魅力はない。内蔵メモリにはVGAサイズで最大10枚の記録しかできず、液晶ディスプレイも搭載されていない。すでに出荷を開始しており、アメリカでは実売価格が200ドル程度。CCDから取り込んだ画像をリアルタイムにテレビ信号出力する機能を持ち、テレビ会議用のカメラとしても兼用できるのが特徴という。 台湾には光学系を得意とするスキャナメーカーも多く、こうしたところから今後もデジタルカメラがでてくる可能性は高い。
[Reported by fumitake@impress.co.jp]