開催前日のレポートでも書いたが、今年からCOMDEX/Springと同時にCESとEXPO COMMが同時開催されている。しかし、今日展示会の会場を見てまわったところ、会場の広さは、2年前のCOMDEX/Springと同じだ。会場で会った日本の記者の中には「もう一つ会場があるものと思って探し回った」と言っている人もいた。
今回、Georgia World Congress Centerは、EASTホールをCOMDEXが、WESTホールをWindows WorldとCES、EXPO COMMが利用する形になっている(ちなみにWESTホールの方が大きい)。しかし、WESTホールの中は明確に区切られているわけではなく、CESやEXPO COMMは注意しないとどこでやっているのか分からない。特に私は、CESに期待していたのだが、SONYもPanasonicも出展していない状態で、該当すると思われる場所にいっても、「コンシューマー」の香りは微塵もしない。
プレスルームのメディアキットを配布する場所(写真)に行っても、メディア向けの資料の棚がほとんど空いたままである。今回は、広い部屋にきれいに資料の仕切りがしてあるだけに、そのスカスカ感がことさら強く感じられる。
基調講演の待ち時間に、展示会の会場地図をチェックしていると、何とアップルが出展していない。昨年は、ミッションインポッシブルのテーマとともにそこそこ大きく展示していただけに、意外だった。これに関しては、COMDEXに出展できないほどアップルが逼迫していると考えることもできるが、どちらかというとCOMDEXがアップルにとって必須のイベントではなくなったという方が正しいのだろう。そう思って、他のブースを見渡して見ると、Macintoshを利用しているブースは極めて少ない。グラフィックツール類の出展も多いのだが、多くのプロダクツがWindowsにも対応している。
アップルに限らず、すでにCOMDEXに合わせて何かを発表するというメーカーは少なくなっている。アップルとしては、COMDEXよりもMacWorldに力を注いだ方が効率的ということなのだろう。
初日の基調講演は、ロータス社のJeff Pawos社長である。正直に言えば、アプリケーション市場ではマイナーになった感があり、あまり期待していなかったのだが、どうしてどうして。インターネットとバックエンドデータベース(つまりノーツ)との関係の未来を力強く主張していた。
残念ながら、講演の一語一句を記憶できるほど英語が流暢ではないのだが、彼の主張のうち、印象的だったのが、リテールビジネスより、ビジネス間──つまり企業間の取り引きの方が何倍もあるとして、インターネットのキラーアプリケーションは、企業間取り引きを実現するアプリケーションだとした点だ。
もちろん、ロータス社がリテール向けのアプリケーションよりノーツに力を入れているのは自明なのだが、インターネットにそうした観点が欠けていることをずばりと言われると思わずうなずいてしまう。
彼は、インターネットが軍事目的で発生したものであること。理想とは裏腹に、非常に混沌としており、実際にできることといったら、世界中からヌード画像を手に言えるぐらいだというような、現在までのインターネットを皮肉ったアニメーションを用意し、実際にインターネットが生産性の向上に寄与するために必要な事として上記のような主張をしていた。
また、ダイナミックなコンテンツを提供するWebサーバーの必要性、Javaが様々なプラットフォームを「同一化」するキーテクノロージーであることなども指摘した。
全体に、洗練されたビデオ映像、少ないが要所を押さえたジョーク、そして自社のコマーシャルに終わらない主張と好印象を残した基調講演であった。
基調講演の後、弊社のスタッフと分担し、私はCOMDEXを開催しているEASTホールより見てまわることとなった。気になったのは、期せずして基調講演を行なったロータス社。公式パンフレットによると、IBMとロータスが隣接して展示しており、IBM:ロータスの展示面積比が8:2ぐらいになっていたのだが、実際の会場ではその場所が丸々入れ替わっており、ロータス社の方が広く展示していた。
展示の中心は、ノーツとドミノ。シアターを3つ用意していたが、午後になるとほぼ満席の状態であった。恒例のTシャツ投げも派手で、黄色いスタッフのポロシャツと共に周囲の中で一番目立った展示となっていた。
デモの中身は、仮想の会社を見たてて、ノーツでメンテナンスをすると、Webに反映し、Webで入力するとノーツのデータベースに反映するというもの。同様のデモは、マイクロソフトでもIISのデモとして行なっていたが、あちらはNT4.0 / IIS / SQL Server / Accessと複数のソフトを組み合わせて使う必要があるのに対して、ドミノの場合はノーツとドミノのシンプルな構成で、簡単に感じられた。もちろん、実際にはノーツアプリケーションとドミノの設定をきちんと行なう必要はあるのだろうが、一般の人には魅力的に映ったのではないだろうか。
入れ替わった形のIBMのブースの展示はe-business、つまりコマースが中心。日本のJALを始め数多くの導入実績をアピールしていた。基調講演で主張した、ダイナミックコンテンツによるコマースは、ドミノとe-businessでばっちりというところだろうか。
□米国東芝のリリース
http://www.toshiba.com/tais/csd/products/portable/index2.htm
□Microsoft Office Intranet Kit(日本語環境での動作は未確認)の内容紹介
http://www.microsoft.com/office/intranet/
[この項のみ Reported by fukuura@impress.co.jp]
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[Reported by ken@impress.co.jp]