米Apple社は、米国サンノゼで13日より開催されているWWDC(Worldwide Developers Conference)で、Macintoshの次世代OS「Rhapsody」は、intel製CPUを搭載したパソコンにも対応すると正式に発表した。
アプリケーション開発者向けの会議ということもあり、今回の発表でApple社は、Rhapsodyのアプリケーション開発のために提供するAPI(Application Programming Interfaces)群、「Yellow Box」についてより踏み込んだ発表を行なった。それによると、AppleはYellow Box APIをハードウェアに依存しないクロスプラットフォームの形で提供する。Yellow Boxを使うことによりデベロッパーは、最終的には、Rhapsody、Mac OS、Rhapsody for Intel、Windows 95、Windows NTで共通して動くアプリケーションを開発することが可能になるという。また、Yellow BoxではJavaを100%サポートするとしており、ここでもMacintoshプラットフォームに限られた従来の市場からの脱却を目指していることが分かる。
Appleはこれまでにも、PC/AT互換機に対応するOS、Rhapsody for Intelのリリースはアナウンスしていたが、今回の発表は、Windows 95/NT市場をも視野に入れた開発ツールを提供するとしており、Wintel市場へのAppleのマーケット拡大へと大きく踏み出す内容となっている。
今後のロードマップとしては、'97年後半にRhapsodyのデベロッパー向けリリースを行ない、ユーザー向けには'98年のリリースを予定している。またAppleは従来のMac OSのユーザーも今後何年も残っているだろうとして、Mac OSのバージョンアップも継続的に行なっていくとしている。Mac OSの次バージョン、Mac OS 8は'97年7月のリリースを予定しており、Mac OS 8ではPowerPCネイティブなマルチスレッドファインダを装備する予定であるという。
Apple社の今後の発展には、多くのデベロッパーにYellow Boxに興味を持ってもらい、このプラットフォームで開発する決定を下してもらう必要がある。そのためにはこれまでOS戦略が2転3転して失ったデベロッパーやユーザーの信頼を、スケジュール通り、アナウンス通りの機能を持った開発環境や新しいOSのリリースで回復することがまず必要だろう。
□米Apple社のホームページ
http://www.apple.com/
□WWDCのホームページ
http://devworld.apple.com/mkt/WWDC/index.html
□ニュースリリース(AppleのOS戦略とロードマップ)
http://product.info.apple.com/pr/press.releases/1997/q3/970513.pr.rel.macosupdt.html
□ニュースリリース(Yellow Boxについて)
http://product.info.apple.com/pr/press.releases/1997/q3/970513.pr.rel.yellowbox.html
('97/5/14)
[Reported by hiroe@impress.co.jp / yuy@Hawaii.Edu]