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後藤 弘茂のWinHEC米国現地レポート

「WinHECでゲイツ氏がPCでのディジタルTVサポートを発表」

Gates   「PCをディジタルTVを楽しむためのプラットフォームにする。」

 米国サンフランシスコで開催されているWindowsハードウェア技術者向けのカンファレンス「Windows Hardware Engineering Conference (WinHEC)97」で、米Microsoft社のビル・ゲイツ会長兼CEOは家庭用Windows PCの将来をTVと強く結びつけた。

 米国では次世代のディジタルTV放送の地上波での開始が正式に決定、ディジタルTVの話題で盛り上がっている。WinHEC直前に開催された米国の放送機器業界のイベント「NAB(the National Association of Broadcasters)97」で、Microsoft、米Intel社、米Compaq Computer社の3社が共同で、PCと親和性の高いディジタルTVの仕様を発表したばかり。WinHECでは、その発表と歩調を合わせ、ゲイツ氏自身がWindows PCでディ ジタルTVをサポートするとアナウンスした。「高価なディジタルTVを待たなくても、PCなら簡単にディジタルTVを楽しめるようになる」という。

 また、Microsoftは昨年のWinHECで発表したWindows PCの要求仕様PC 97に続く新規格「PC 98」の概要も明らかにした。先週ドラフトが発表されたデバイスベイが推奨項目として加わり、IEEE1394インターフェイスも必須となった。いよいよPCはISA消滅に向けて進み始めた。ただし、PC 98はPC 97に付け足した形の規格拡張で、PC 97ほどの大幅な拡張ではない。

 PC 98では、PCのカテゴリ分けも変わった。従来のPCを継承する「Basic PC 98」が、家庭向けのConsumer PC 98、ビジネス向けのOffice PC 98、Mobile PC 98、Workstation PC 98のサブカテゴリに細分化された。それに対して「Basic」ではない規格としてリビングルーム向けのEntertainment PC 98と特定業務向けのNetPC PC 98 が家庭向けとビジネス向けの両端に位置づけられた。 このほか、ゲイツ氏はスピーチの中で、「Windows Terminal」をサポートすることも明確にした。同氏はWindows Terminalを、サーバー側でアプリケーションを動作させ、表示だけをターミナル側に持ってくる極めて安価なデバイスだと説明した。

 WinHECでは、参加者に次期Windows 95「Memphis」のデベロッパリリース版が配布された。期待されていたβ版ではなかったわけだが、β版も第2四半期中には登場するとアナウンスされた。このほか、WinHECではWDMの新しいクラスドライバ群、PC 97実現のネックとなっているOnNowのスペック、Windows 95用のZero AdministrationKitなども発表された。

□米Microsoft社のホームページ
http://www.microsoft.com/
□Hardware Developer News
(WinHEC、PC 98の情報を掲載)
http://www.microsoft.com/hwdev

('97/4/9)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp