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MacintoshファンのWatcher、fukumoto氏の特別レポート

MAC WORLD Expo/Tokyo '97Appleブースレポート

 MacintoshファンのWatcher、fukumoto氏が、会場に足を運べない方のために、速報をお送りします。MACWORLD直前に続々発表されたMacintoshの新製品や20周年記念モデル“Spartacus”が並んだAppleブースをPC Watch誌面でご覧下さい。(編集部)


Appleブース(ブースNo.220)

新型Power Macintosh、MacOS7.6
 Appleブースでは先立って13日に発表されたPower Macintosh 9600/200MP、8600/200/ZIP、7600/200、7300/166の4機種が顔を揃えた。

PowerMacintosh 8600/200/ZIP PowerMacintosh 9600/200MP

 全機種PowerPC604eチップを積んだこれらの新機種に関する情報は先日PC Watchで既報のとおり。アップルのサイトでも今回のExpo開催に合わせて新製品情報をまとめて公開している。だが、Appleブースでもっとも注目を集めていたのは3月下旬発売予定のMacOS 7.6のデモンストレーションだ(先の新機種はすべて漢字Talk7.5.5で動作)。今回のMacOSのバージョンアップは特筆すべき新機能を盛り込まない地味なものだが、それでも装いを新たにした機能拡張マネージャー、システムプロフィールのデモ画面に多くの観衆が喰い入るように見入っていた。OSは地味でもいい、安定してくれさえすれば(笑)。

Hello! Hooper! (PowerBook 3400シリーズ)
 先日発表されたPowerBook 3400も一般への公開は今回がはじめてとなる。新型Power Macintoshの対面で展示されているため、その間の通路は身動きできないほど。今回2機種発表されたこの3400シリーズは現行の1400シリーズの上位機種として位置づけられるもので、チップに240MHzと200MHzの603eチップを搭載(「パソコン業界最高速の動作クロック速度を実現する」;アップルコンピュータのプレスリリースより)、PowerBookとしてはじめてPCIバスを、そしてMacintoshとしてはじめてEDOメモリを採用している。

PowerBook 3400を見に来た人々 ようやく姿を現したHooper

 この機種に関する詳しい情報は昨日都内で行われた記者会見を元にした記事を見ていただきたい。QTVRでPowerBook3400の画像を見ることもできるので興味ある方はご覧あれ。なお先発の1400シリーズについてもクロックアップした1400/133Mhzが新たに発表されたこともつけ加えておく。


控えめなクロックアップを果たした1400/133

QuickTake 200 (not DS-9)
 同じく昨日発表されたQuickTake 200も今回のExpoで初御披露目となったもので富士写真フィルムとAppleがDS-8をベースに開発した機種。OEM品にAppleロゴを付け加えてブランド化したり、細かな仕様変更をして手間ヒマかけた労作。非公式情報だが、同製品の発売は4月半ば頃、気になる価格は6万円前後になりそうとのこと。DS-8でQuickTake200を撮影する私を係員が苦虫を噛み潰したような表情で見ていた気がするのは気のせいだろうか(笑)。

QuickTake 200Macユーザーにも親しみやすいインタフェース
注目を集めるNewton
 昨年のExpoでは展示すらなかった哀れなNewtonだが今年はうってかわってMessagePad 130が展示され、多くの来訪者がNewton OSの魅力に触れていた。Appleブースの隣ではUniFepの開発元のEnfourが古代の図書館をあしらったブースで展示を行っている。昨年アメリカ本国で発表されたMassagePad 2000も展示されており、すでに日本語環境は完成しているとの感を受けた。先日アメリカ国内では3月、日本でも4月にはユーザーの元に届くと発表されたばかりで会場ではNewtonshopが販売予約の受け付けを開始していた。

圧倒的な処理速度の改善、Newton MP2000

PDA(Personal Digital Assistant)というジャンルの先鞭をつけたNewtonだが、国内ではZaurusなどの影にすっかり隠れており、本国でもゲイツ帝国のWindows CEがその魔手を伸ばしつつある。MP 2000はMP 130との比較で最大10倍もの処理速度を誇るが、ブースでも16階調グレースケールの地図が驚くべき速度でスクロールされていた。「今回のMP 2000はMacintoshで言えば8100レベルに相当する。これにくらべればMP130は030マシン」とはNewtonshopの大杉店長の言葉。なお司書に扮したEnfourのリチャード社長にUnifepのバージョンアップについて尋ねたところ「ノーコメント」とのこと。

Spartacus (Kill Your Classus)

 既報の通り、Appleが20周年記念を祝って発売する10,000台限定のハイブリッドモデル。会場での一般展示が始まったのは基調講演も終わった午後3時頃から。展示開始と同時に人々が一斉に群がる。「これかー」「これだよー」。実際の大きさは雑誌やWebなどででの写真から予想される以上に大きく、サイズ的にはちょうどかつてのPowerMac 6100を起こしたような感じだ。


Spartacusとは古代ローマで
奴隷の反乱を指揮した英雄の名

気になる仕様だが、CPUに603eV/250MHz、32MB DRAM(2基のDIMMスロットにより136MBまで拡張可能)、2MBのVRAM、256Kの2次キャッシュ、 2GBのハードディスク、7インチカード対応のPCIスロット1基、PCIベースのコミュニケーションスロット、S-Videoインプット、TV及びFMチューナー、サブウーファー付きのBoseスピーカーなど大層なものとなっている。予想価格は$9,000とバカ高いが、Spartacusは過去に対してはプレミアのついた記念品として、と同時に未来に対しては今後のMacintoshのデザインを予見させる物として220番ブースで我々を魅了している。


Mac Square
 今回のExpoでの展示会場でAppleブースとともに核を構成するのが「Mac Square」と呼ばれるこのセクション。Appleブースのある会場とは別の会場に設けられた一画には、ディベロッパー向けの最新技術及びツールを紹介する「TECH ZONE」、初心者及びホームユースでの使用を前提としたMacintoshのeasy-to-useなクリエイティヴィティをアピールする「Hands on School」、Expo公式グッズを唯一取り扱う「Official Store」、そして中華風のアレンジを施されたクラリスのインターネットカフェなどそれぞれ部門別にコーナーが設けられている。

Hands on School倉栗鼠飲茶
(クラリスのインターネットカフェ)

 またNeXTやPowerComputingが展示を行っているのもここだ。Macintosh初心者はここでMacintoshの概要を知り、その魅力の末端に触れることができるだろう。またあまりに奥深きMac道に迷いこんでしまった熟練者はここでMacintoshの現状を再確認するのも良い(NASDAQでのAppleの株価などはとりあえず忘れて;-)。

[Reported by nao-f@st.rim.or.jp / watchers]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp