'97/2/18 発表会開催
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シャープ株式会社は、MDデータを記録媒体とした世界初のカメラ「MDデジタルビューハンター MD-PS1」を3月10日より発売する。価格は129,000円。
同機は、1枚のMDディスクに標準モード2,000枚、ファインモードで1,000枚の画像が保存できる。
本体のサイズは120×111×51(W×H×D)mmとやや大きめで、重量は約550g(電池含む)。撮像素子は、35万画素のプログレッシブスキャンCCDで正方原色型。出力画像は640×480ドット、標準とファインのモードの切り替えは圧縮率(標準:1/8、ファイン1/4)による。MDデータへの記録方式はPicture MD規格で、ファイルの中身は画像の場合JPEG、撮影と同時に音声を記録したり、あとからアテレコで音声を追加することもできる。
ファインダーは光学式と2.5インチTFT液晶の併用。レンズは標準と望遠の切り替え(35ミリカメラ換算で、43mmと86mmに相当)で、ピントはパンフォーカス。最短撮影距離はいずれのモードでも45cmだが、名刺撮影を目的としたマクロモードがあり、この場合は20~24cmの距離で名刺をほぼ画面いっぱいの状態で撮影できる。
パソコンへのデータの転送は、別売の「パソコン接続キット」を用いて、パラレルポート経由で行なう。対応機種はPC/AT互換機のみでWindows 3.1/95に対応。転送速度は、130KB/秒とフロッピーディスクドライブ並みで、シリアルポート経由に比べ高速。パソコン側からMDデータへファイル転送することもできるが、いずれの場合も、添付される専用アプリケーションを介さないとデータ転送ができない。せっかくMDデータドライブとしても使用可能なので、ドライブとして認識してくれるドライバソフトの提供が望まれる。
撮影された画像はいったんバッファメモリ(約16枚分)に蓄えられ、順次MDへ書き込まれる。MDデータの媒体をはじめて使用する際にはフォーマットが必要で、完全フォーマットでは約40分、クイックフォーマットで数十秒かかる。他にMDデータを使用する機器が市場にほとんどないこともあり、この機種専用のフォーマット済みMDデータ媒体の発売が望まれる。
バッテリーは専用のニッケル水素充電池。約3時間の充電で、撮影時で連続約1時間、音楽再生時で約2時間動作する。
音楽用MDの録音・再生も可能で、音声だけの場合は最大60分(モノラル120分)の録音ができる。音楽MDをセットすると専用の操作モードとなるため、音楽用MDに画像データを記録することはできない。
本機の最大の特徴は記憶媒体としてMDデータを使用したことにあり、2,000枚という大容量かつ低価格(標準価格2,500円)という低価格の媒体がデジタルカメラの分野に導入されたことは大きな意味がある。また、録音機能付きMDプレーヤーや、MDデータとしても使用できるなどの独自の付加価値があり、魅力的である。願わくば、MDデータドライブとしてもドライブとして認識されない中途半端な仕様の克服、フォーマット済み媒体の提供などの使いやすさの向上、よりいっそうの小型低価格化などを望みたい。
□シャープ株式会社のホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□「MD-PS1」のニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/970218.htm
□「MDデータカメラキャンペーン」のページ
http://www.sharp.co.jp/sc/excite/digicame/digi-c.htm
('97/2/18)
[Reported by date@impress.co.jp]