【業界動向】

野村総研とデータクエスト、'96年のパソコン市場速報と
'97年の見通しを発表

 株式会社野村総合研究所(NRI)日本ガートナーグループ株式会社(データクエスト)、は'96年のパソコン市場速報と'97年の出荷台数見通しを発表した。NRIは全世界、データクエストは国内の市場を対象にした調査結果を発表している。

 まず、全世界を対象にしたNRIの発表によると、'96年のパソコン出荷台数は7,220万台で、前年比21.7%の成長だ。デスクトップPCとポータブルPCとの比率は83:17である。成長率はそれぞれ対前年比20.1%、29.5%の伸びを示した。原因として同社では、デスクトップPCとポータブルPCの性能差の縮小をあげている。

 また同社では、米国で企業システムをWindows NTベースで再構築する動きが加速していて、既存PCの買い替え需要が伸長しているのを受けて、'97年の出荷台数は続伸し、8,850万台に達する見通しであるとしている。

 一方、国内市場を対象にしたデータクエストの調査結果によると、'96年のパソコン出荷台数は757万台で、前年比32.7%の成長であるとしている。前年の成長率70.5%と比すると鈍化が否めないものの、世界市場全体の成長率17.8%(データクエスト調べ)や、米国市場の13.6%と比すれば、依然日本市場が牽引役であるとしている。

 '97年の出荷台数については、世界全体市場の成長率より高い、27%成長の961万台と予想している。その要因としては、第1に、企業や家庭へのパソコン普及率は、まだまだ成長の余地がある事、第2に、'96年にはベンダーがあまり注力しなかった企業向け15万円前後の低価格機の市場が残されている事、最後にインターネットの普及と整備がパソコン需要を下支えする事をあげている。

 なお、全世界および日本市場における'96年のパソコンシェアは、以下のようになっている。

【1996年日本パソコン市場シェアランキング】
(出荷台数、ハンドヘルド除く)
順位 メーカー 台数
(千台)
シェア
(%)
前年
順位
前年シェア
(%)
1 NEC 2,419 32.0% 1 40%
2 富士通 1,655 21.9% 2 18.3%
3 日本IBM 899 11.9% 4 9.9%
4 アップル 850 11.0% 3 14.2%
5 東芝 412 5.4% 5 3.8%
出典:データクエスト(1997年1月)

注)データクエストによるパソコンの計上定義では、ハンドヘルドPCはパソコンとみなしていないので、例えば、IBMパームトップPCや東芝リブレットなどは含まれていない。

【PC出荷のメーカーシェア】
順位 メーカー シェア(%)
1 Compaq 11%
2 IBM 9%
3 Apple 5%
4 Packard Bell 4%
4 Hewlett-Packard 4%
4 NEC 4%
4 Dell 4%
8 Toshiba 3%
9 その他 56%
「出所)野村総合研究所情報通信研究部」

注)サーバPC、デスクトップPCおよびポータブルPCの合計。ハンドヘルドPCは含まない。

□(株)野村総合研究所のホームページ
(1月31日現在、このニュースリリースは掲載されていない)
http://www.nri.co.jp/
□データクエストのホームページ
http://www.dataquest.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.dataquest.co.jp/~www/news/access/boot.cgi?data=./data/70

('97/1/31)

[Reported by sasaki-m@impress.co.jp]


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